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第103回
平成16年国民健康・栄養調査から

  



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□□■ 果物&健康NEWS Vol.103 ■□□
   ■   2006年5月26日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は「平成16年国民健康・栄養調査から」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.



:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:ウメから新抗ガン物質の発見
 ◇ 今週のレシピ:ウメ
 ◇ 平成16年国民健康・栄養調査から
 ◇ くだものアンケート調査から−その4
   −果物を毎日食べない理由−
 ◇ トピックス:グレープフルーツと薬との相互作用の原因物質
 ◇ 品種紹介:ウメ「加賀地蔵」
 ◇ 読者から:新品種の苗木を手に入れる方法は?
 ◇ ニュース:第37回世界農業者大会
 ◇ アドレス変更、受信メルマガ変更時のご注意
 ◇ 「棚田保全隊員」の募集!!!
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:ウメから新抗ガン物質の発見

 ウメは古来から漢方薬などに使われていました。現代では、ウメ果実は抗酸化成分が多く含まれているため、健康維持・増進に優れた効果があると考えられています。

 つい最近、ウメ果実から新しい抗ガン成分が発見されました(文献)。プルネート(prunate)と名付けられたこの成分はクマリン系化合物で、人のガン細胞(Hep-2、SK-OV-3)の成長を強く阻害しましたが、正常細胞はほとんど阻害しませんでした。プルネートは、ウメ果実に約1.5mg/g含まれているため健康維持・増進に効果があると期待されています。

【文献】
Jeong J.T. et al.: Isolation and characterization of a new compound from Prunus mume fruit that inhibits cancer cells. J Agric Food Chem. 54: 2123-2128. (2006)




□ 今週のレシピ:ウメ

 風土に生きる三重の味(伊賀地域)を紹介します。

○ 梅の甘露煮
 お茶の友としたり、料理に添えたりすると喜ばれるとのことです。甘露煮のシロップ液は、夏は氷水で、冬は熱湯で好みに薄めて飲むと美味しいそうです。

材料
 梅 1kg、砂糖 2kg、水 7カップ

下記のサイトに作り方があります。
http://www.mate.pref.mie.jp/mienoaji/iga1.htm#●梅の甘露煮

○ 梅の華
 梅と赤じその葉の砂糖づけです。シャリッとした歯ごたえ、さわやかな甘酸っぱさは、お茶うけとして好評とのこと。三ヶ月で食べられますが、一年は漬け込んだ方が味がまろやかになり美味しいそうです。

材料
 青梅 1kg、赤じその葉 300g、砂糖 600~700g、塩 50g

下記のサイトに作り方があります。
http://www.mate.pref.mie.jp/mienoaji/iga1.htm#●梅の華




□ 平成16年国民健康・栄養調査から

 厚生労働省から「平成16年国民健康・栄養調査」の結果が発表されました(2006/5/8)。この報告によると、生活習慣についての状況は、なかなか厳しい数値となっています。

 朝食の欠食率は、平成11年以降、全体的に男女とも増加しています。特に男女とも20歳代で最も高く、男性で約3割、女性で約2割が欠食しており、20歳代の1人世帯に限った場合は、男性で約7割、女性で約3割が欠食しています。脂肪からのエネルギー摂取を25%以下にすることが目標に掲げられていますが、25%以上摂取している人の割合が、成人男性で約4割、成人女性で約5割と目標値を大きく越えています。

 果物の摂取量は1日当たり119.2gで、前年に比較して3.6%増加していました(表)。しかし、20〜40歳代では1日当たりの摂取量が100gに達せず平均で77gと依然として少ない状況です(表)。

 「毎日くだもの200g」の目標値に対して、1日の食事において果実類を200g以上摂取している人の割合は20.6%と低く、8割の人は200gに達していません。ただ、果実類を食べている人の割合は63.5%、食べていない人は36.5%となり、当面の食べている人の割合を60%以上する目標値は越えることが出来ました。

 果物の摂取量はわずかですが前年より増加しました。しかし、全体的には消費量が少ない状況が続いています。そのため、健康の維持・増進には、果物の摂取が大切であることを広く知ってもらう運動を推進する必要があります。


平成16年国民健康・栄養調査結果の概要は下記のサイトで読めます。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/05/h0508-1a.html


表.国民健康・栄養調査による果物の摂取状況の比較
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
区分   平成15年(g) 平成16年(g)  増減率(%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
全体    115.1    119.2    103.6%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1〜6歳  124.1    121.6     98.0%
7〜14歳  118.3    120.5    101.9%
15〜19歳  101.3    108.3    106.9%
− − − − − − − − − − − − −
20〜29歳   73.7     77.4    105.0%
30〜39歳   63.2     63.1     99.8%
40〜49歳   88.0     91.6    104.1%
− − − − − − − − − − − − −
50〜59歳  128.2    129.0    100.6%
60〜69歳  153.8    165.8    107.8%
70歳以上  151.5    157.5    104.0%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





□ くだものアンケート調査から−その4
  果物を毎日食べない理由


 “ほぼ毎日”果物を食べていると答えた人以外の回答者に対し、くだものを毎日食べない理由を尋ねると、“値段が高いから”(25.3%)がもっとも多く、次いで“食べるまでに時間がかかるから”、“時間に余裕がないから”、といった順になっています。経済的な理由と食べるまでの時間がかかるが毎日果物を食べない主な理由です。

 年齢別にみると、“値段が高いから”や“食費に余裕がないから”といった経済的理由を挙げる人は、年齢が若い層ほど多く、男女別では、大きな違いはありませんでした。


表 果物を食べない理由(%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
値段が高いから         25.3
食べるまでに時間がかかるから  17.9
時間に余裕がないから      17.7
食費に余裕がないから      11.2
あまり好きでないから       6.3
太るから             3.1
その他             17.0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





□ トピックス:グレープフルーツと薬との相互作用の原因物質

 コレステロールを下げる薬や血圧を下げる薬など特定の医薬品を服用しているときは、グレープフルーツジュースを飲まないように指示されますが、これは薬剤の副作用が生じる可能性があるためです。

 今まで、この現象の原因物質は、フラボノイド類と考えられていました。しかし、アメリカ・ノースカロライナ大学の研究チームが調査した結果、グレープフルーツジュースからフラノクマリン類(furanocoumarins)を除去すると、フラボノイド類があっても薬物相互作用が起きないことを見いだしました。
 このことから、グレープフルーツに含まれる薬物相互作用をもたらす原因物質はフラノクマリン類であると特定されました。

【文献】
Paine, M.F. et al.: A furanocoumarin-free grapefruit juice establishes furanocoumarins as the mediators of the grapefruit juice-felodipine interaction. Am. J. Clin. Nutr. 83: 1097-1105. (2006)




□ 品種紹介:ウメ「加賀地蔵」

 「加賀地蔵(かがじぞう)」は「白加賀(しろかが)」と「地蔵梅(じぞううめ)」を交配して出来た品種です。果実は30g以上で「南高」と同程度です。青梅としての品質も良好で、梅干しも「南高」と同等以上です。「白加賀」と較べて豊産性で今後の普及が期待されています。

「加賀地蔵」の花と果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-kagajizo.html





□ 読者から:新品種の苗木を手に入れる方法は?

 毎回、新品種の紹介がありますが、ホームセンターなどの苗木売り場に出てこないのは登録者が苗木販売を許可しないからなのでしょうか。是非育ててみたいと思う品種がありますが、売り場では見たことがありません。(T)

回答
 果樹の苗木は、主に果樹専門の種苗業者が販売しています。そのため、ホームセンターなどであまり見かけないのかも知れません。

 農研機構果樹研究所が育成した新品種は、種苗法に基づいて日本果樹種苗協会(果種協)を通じて協会員(種苗業者)に穂木を配布し、その穂木を使って苗木を養成し販売しています。そのため、正式に許諾を受けた種苗業者の苗木には証紙が貼られています。間違いのない新品種の苗木の購入は、下記の果種協会員の業者にお問い合わせ下さい(樹種別でも探すことが出来ます)。

 果種協は、農林水産省から認可を受けた社団法人です。果樹に関する品種育成の助長及び健全な果樹種苗の生産・流通の改善などの促進を図ることを目的に設立されました。

日本果樹種苗協会ホームページ
http://www.kasyukyo.or.jp/
果種協会員名簿(苗木販売業者)
http://www.kasyukyo.or.jp/kensaku.html

種苗法(しゅびょうほう)
 種苗法とは、植物の新品種の保護、品種登録に関する制度などを定めた法律で、植物の新品種を育成する権利(育成者権)を占有することができる旨が定められています。この育成者権は、特許権や実用新案権とよく似ています。

農林水産省の品種登録ホームページで種苗法の全文が読めます。
http://www.hinsyu.maff.go.jp/HOURITU/syubyouhou.htm




□ ニュース:第37回世界農業者大会

 韓国・ソウルで国際農業生産者連盟(IFAP: International Federation of Agricultural Producers)の第37回世界農業者大会(37th World Farmer's Congress: 5月13-20日)が行われ、「世界農業者憲章」をはじめ、「世界の食生活改善をめざす勧告」、「砂漠化防止」などの政策を決め発表しました。

 世界農業者憲章では、80カ国115の農業者団体で構成するIFAPは6億人を超す家族農業者を代表する組織であると宣言し、世界の食料生産や環境保全に重要な役割を果たしている農業者の社会的、経済的な地位向上を目指すとしています。世界貿易機関(WTO)交渉についても「国際貿易ルールは公平、公正でバランスのとれたもの」として、多様な農業の共存を保障するよう求めています。

世界農業者憲章のプレスリリースは下記です(英文)。
http://www.ifap.org/en/newsroom/pr190506-1.html
農業政策のプレスリリースは下記です(英文)。
http://www.ifap.org/en/newsroom/pr190506-2.html




□ アドレス変更、受信メルマガ変更時のご注意

 アドレス変更時の最初の画面は、すべての登録がリセットされた状態になっています。そのため、アドレスだけを変更して送信すると、登録してあるメルマガがすべて未登録とされてしまい(アドレスだけの登録となってしまう)、メルマガが届かなくなります。そのため登録が解除されたと考え、農林水産省のメルマガサイトから新規登録すると「登録済み」の画面になってしまいます。

 こうならないようにするには、アドレスの変更と同時に再度「果物&健康NEWS」をチェックする必要があります。また、受信メルマガを追加・変更する場合も同様に、「果物&健康NEWS」のチェックを忘れないでください。




□ 「棚田保全隊員」の募集!!!

 日本の棚田百選に認定された「椹平(くぬぎだいら)」は、町全体を生活環境博物館(エコミュージアム)と位置づけて町づくりを進める、山形県朝日町にあります。

 朝日町では、今後も継続して「椹平の棚田」を守っていきたいと考えており、この度、棚田の保全活動に参加してくださる「棚田保全隊員」を募集することにしました。

 「棚田保全隊員」には、椹平棚田活動保全委員会が主催する、棚田での生産活動や維持管理、併せて景観保全の活動に直接参加していただきます。作業の内容については、委員会から隊員にその都度お知らせしますので、作業内容や自分の予定に合わせて参加が可能となります。

 活動に参加していただいた隊員には、作業の内容に合わせて、労働力の対価として、棚田チケットをおあげします。現金とは引き換えできませんが、年末に地域農産物との交換会を開催する予定です。
 この活動に賛同くださる方のご応募をお待ちしております。

 山形県朝日町及び「椹平の棚田」については、下記のサイトで確認できます。
 http://www.town.asahi.yamagata.jp/04kanko/02-02nature.html

「棚田保全隊員」への申込み方法、問い合わせ先
山形県朝日町役場産業振興課
TEL:0237−67−2114
FAX:0237−67−2117



  「毎日くだもの200g運動」のロゴマークを使おう!
  http://www.kudamono200.or.jp/undou/copyright.html


☆ 編集部より ☆

 例年だと6月8日頃が関東地方の梅雨入りですが、今年の5月は雨が多く、日照時間も少なくなっています。すでに野菜に影響がでていますが、果物も生育が遅れていて心配です。(tnk)

【お酒とくだもの その2 ワイン編】
 先日、果物をつまみにワインを飲んでみました。
 ワインとりんごは結構「良いかんじいい..!」です。デコポンをつまみにワインを飲んだら、酸っぱさだけが強調されるような気がて「イマイチかなああ..?」、キウイとワインは「うん ばっちりね!」でした。
 それにしても小学1年生の娘を持つ男親にとって恐るべしは「ラブ&ベリ−」です..?
 (uru)

 「ゴーヤーチャンプルー」は、今では知名度も全国区となり量販店でも販売されていますが、沖縄では「パパイヤ炒め」や「ヘチマのみそ煮」がゴーヤーと同等の定番料理です。ヘチマ(小ぶり)やパパイヤ(熟していないもの)入手が難しいかと思いますが、入手する機会があれば、是非チャレンジしてみてください。美味しいですよ!(sk)

「パパイヤ炒め」 
http://www.farmthefuture.jp/papaya/recipe.htm

「ヘチマのみそ煮」
http://homepage3.nifty.com/nangokuya/recipe18.html




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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