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ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第112回 ブルーベリーとスイカ

  



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□□■ 果物&健康NEWS Vol.112 ■□□
   ■   2006年7月28日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は「ブルーベリーとスイカ」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:ブルーベリー
 ◇ 今週のレシピ:ブルーベリーとスイカ
 ◇ スイカの健康機能性
 ◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第33回)
 ◇ ローマからのフルッタ通信
 ◇ 食事バランスガイド実践調査
 ◇ 読者から:こんな広告でびっくり
 ◇ 平成17年簡易生命表
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:ブルーベリー

 ブルーベリーの特徴は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが200mg/200gと非常に多く含まれていることです。そのため、ブルーベリーは目によいとされています。また、ビタミンEは3.4mg/200g、食物繊維も6.6g/200gと多く、果物の中では最も高いグループに属しています。

 さらに、ブルーベリーのエキスを老齢ラット(65〜70才の人に相当)に与えたところ、老化にともなう運動能力、平衡感覚などの低下を抑制する効果が際だって高いことが明らかになりました。

 このように、ブルーベリーには抗酸化成分や食物繊維が豊富なので、眼精疲労の回復、老化防止、生活習慣病予防効果が期待できます。




□ 今週のレシピ:ブルーベリーとスイカ

○ ブルーベリー
  料理研究家山本麗子さんがレシピを提供しているJA全農長野のサイトにブルーベリーの料理6点が掲載されています。

 ブルーベリータルト、ブルーベリージャム、ブルーベリーチーズケーキ、ミルクゼリーブルーベリーソース添え、ブルーベリージュース、リボンゼリー

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.ja-town.com/jsp/front/shop/3801/y_re3.jsp

○ スイカのカクテル
  長谷川理恵さんのオリジナルレシピです。さっぱりした甘さの夏向きカクテルとのことです。

材料
ルジェペシェ 45cc、炭酸水 60cc、くり抜いたスイカ10個、ミント、砕いた氷 適量

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://gourmet.goo.ne.jp/rie/recipe/13.html




□ スイカの健康機能性

 暑い夏の日にはスイカを食べたくなります。スイカは、美味しいだけでなくカロリーが100g当たり37kcalと低く、ニンジン(皮なし、生37kcal/100g)などの野菜と同等です。その上、リコペンやビタミンAの供給源としても優れています。

 果肉の赤いスイカには、リコペンが豊富に含まれています。リコペンとは、β-カロテンの仲間で、強い抗酸化力を持つ物質です。リコペンを多く含む食品としてトマトが有名ですが、USDA(アメリカ農務省)の研究によると、生のトマトよりも、スイカにはリコペンが約40%も多く含まれていることが分かりました。

 そこで、リコペン含量を同じにして、生のトマトより身体への吸収効率がよいとされる加熱加工したトマトジュースと、生のスイカジュースを、男性11名、女性12名に3週間摂取してもらったところ、血液中のリコペン含量は同じでした。

 このことから、スイカは生のまま食べてもリコペンが効率よく体内に吸収されることが分かりました。リコペンは、多くの疫学調査から、前立腺ガン、胃ガン、肺ガンや心臓病などの生活習慣病予防に効果があるとされています。

 また、スイカには、プロビタミンAであるα-カロテン、β-カロテンも多く含まれています。赤肉種では、β-カロテン当量(β-カロテンに換算した量)は1660μg/200gで、ビタミンAは、138μg/200g含まれています。

 ビタミンAの摂取推奨量は、1日当たり男性で750μg、女性で600μgですから、スイカを200g摂取するだけで、推奨量を男性で18%、女性で23%も満たすことができます。ビタミンAは成長、分化に関与するため、妊婦や授乳婦は特にビタミンAの摂取が大切とされ、推奨量に加えてさらに70μg、420μg必要とされているのでスイカの摂取は有効です。

心筋梗塞、脳卒中で死亡する原因の大部分は血栓症です。血栓症は、血管内で血小板が凝集しておきる疾病です。スイカはこの血栓につながる血小板凝集を抑制する作用が強いことも報告されています。

 以上のように、スイカは美味しいだけでなく生活習慣病予防にも有効です。

【文献】
Perkins-Veazie, P. et al.: Watermelon packs a powerful lycopene punch. Agri. Res. Magazine 50:12-13. (2002)




□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
  第33回 家庭で楽しむブルーベリー栽培1


 30数年前、勤め先の農林省果樹試験場の庭の片隅に植えられていた数粒の実をつけたブルーベリーに初めて出会いました。東京農工大学のブルーベリーを見る機会を得たのもその頃です。当時は、まだ栽培者も少なく、研究も緒についたばかりの頃でした。その頃は、今日のようなブルーベリーの興隆は想像もつきませんでした。1994年の日本ブルーベリー協会の設立により大きく飛躍したと思われます。

 最初に1粒、2粒食べた時のブルーベリーはさほど美味しいとも思いませんでした。ところが、ある時ブルーベリーの実を樹から直接つみ取り、口一杯にほおばったとき、とても美味しいと感じました。

 口一杯にほおばるような醍醐味を経験するには家庭で栽培するのが一番です。幸いブルーベリーは現在のところ病害虫も比較的少なく、そのうえ樹も適度の大きさで、栽培しやすい樹種です。その上、花、果実、紅葉も楽しめます。

 そこで、これからブルーベリーの種類や品種、栽培法について紹介していきたいと思います。

【種類と品種】
 ブルーベリーはツツジの仲間でツツジ科スノキ属に分類され、日本にも浅間ベリーの名で知られるクロマメノキ、私も子供の頃食べたナツハゼやスノキ、常緑のシャシャンボ等が自生しています。

 日本で栽培されているブルーベリーは大きく分けて、「ハイブッシュ・ブルーベリー」と「ラビットアイ・ブルーベリー」です。「ハイブッシュ・ブルーベリー」の収穫期は、おおよそ6月から7月まで、「ラビットアイ・ブルーベリー」の収穫期は、7月から8月頃までです。

 「ハイブッシュ・ブルーベリー」は、アメリカで品種改良され、「北部(ノーザン)ハイブッシュ・ブルーベリー」や「南部(サザン)ハイブッシュ・ブルーベリー」、「半樹高(ハーフハイ)ハイブッシュ・ブルーベリー」等の系統があります。

 関東以南では「ハイブッシュ・ブルーベリー」も「ラビットアイ・ブルーベリー」も栽培出来ますが、耐寒性の弱い「ラビットアイ・ブルーベリー」は寒冷地での栽培は難しので「ハイブッシュ・ブルーベリー」が適しています。

追記)緑枝挿し木は6月のはじめ頃から7月頃が適期なので、7月のはじめ頃ブルーベリーの挿し木をしてみました。適宜、この木の生育状況などと合わせて接ぎ木の時期や方法についてもお話しします。(K. Suzuki)

日本ブルーベリー協会のホームページは下記です。
http://www16.ocn.ne.jp/~jba/index.htm




□ ローマからのフルッタ通信

 ヨーロッパの夏は湿度が低いので比較的過ごしやすいとよく言われます。ローマで迎えた最初の夏は、確かに東京と比べたら夏とは言えないぐらいだなと思っていました。しかし、今年は東京の夏を思い出すような暑で、ここ数日ぐったりしています。

 暑くなると美味しいのが夏の風物詩とも言えるスイカです。ビールの消費量は気温がある一定を超えるとぐっと伸びるという話を聞いたことがありますが、スイカにもそれが当てはまるのではないかと思います。職場の食堂では、カットされたスイカが並ぶとあっという間に売れていきます。1切れ70セント(約100円)で、市場で買うのと比べたら断然高いのですが、私も思わず手がのびてしまいます。

 自宅の冷蔵庫にはこのところスイカが絶えたことがありません。市場ではキロ0.6ユーロ前後で、4分の1に切られて量り売りされています。大きくて運ぶのが大変そうですが、まるまる1個買うことも可能です。ここのスイカと日本で見るスイカの一番の違いは、形が大きなラグビーボール型ということです。

 今日スイカを食べながら気付いた二つ目の違いは、日本でスイカと言えば緑に黒の縦模様ですが、ここは緑に白だということです。味は申し分ありません。今朝、朝食時に大胆にカットしたスイカの重さは650グラムでした。スイカはその90%が水分だと言われますが、だからこそ、暑い夏に食べたい!と思うのでしょうね。

 去年の夏の終わり、急に涼しくなって、同時に食堂のスイカが魅力的に感じなくなったことを覚えています。ローマで過ごす最後の夏になる予定なので、暑さもスイカも存分に楽しみたいと思います。(H. Sato)




□ 食事バランスガイド実践調査:果物不足が明らかに

 農林水産省が呼びかけた食事バランスガイド実践調査に応募した4435人の7日間の食事内容の解析結果が公表されました。食事バランスガイドは、健康の維持・増進を目的に、毎日の食事を5つ(主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物)に区分し、区分ごとに摂取適量範囲を示しています。

 実践調査の結果、7日間全て食事バランスガイドに沿った食事をとれていた人の割合は全体の0.1%でした。反対に1日も守れなかった人の割合は全体の8割以上を占めていました。

 適量範囲だったのは主菜と女性の主食のみで、その他の区分では食事量が不足していました。特に果物は男性、女性いずれも適量の半分の1つ(SV)前後の摂取しかなく、不足が明らかになりました。

 農林水産省が実施した食事バランスガイド実践結果の概要は下記のサイトで読めます。
 参加した人の感想も掲載されています。
http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20060721press_7b.pdf




□ 読者から:こんな広告にびっくり

 メールマガジン、いつも拝見しております。果物の重要性を再認識させられています。
 ところで新聞広告に「甘いものや果物をよく食べると中性脂肪が増える」とありました。そこで、電話で「果物はそんなに中性脂肪に良くないのですか?」と伺いましたら、「果糖が含まれるので、中性脂肪には良くない」とのご返事でした。

 それは事実なのか、知りたいなあと思います。折をみて、果糖の働きに焦点を絞って教えていただけますか。そんなメルマガが届くのを楽しみにしております。(S.)

【回答】
 メルマガご愛読ありがとうございます。「果物に含まれている果糖は中性脂肪を増やす」はかなり前に科学的に誤りであることが明らかとなりました。世界保健機構(WHO)でもその科学的根拠をホームページなどで開示しています。本メルマガでも折々掲載していますが、まだそのことを知らない人もおられるようです。そこで、次週のメルマガでは、果物(果糖)と中性脂肪との関係について取り上げたいと思います。




□ 平成17年簡易生命表

 厚生労働省から平成17年簡易生命表が発表されました。平成17(2005)年に生まれた日本人の平均寿命は、男性で78.53歳、女性で85.49歳となり、男女とも前年比でマイナスとなりました。マイナスになったのは昨年のインフルエンザの流行による死者数の増加が原因です。

 国際比較では、女性は21年連続で長寿世界一、次いで、香港、スペインの順です。男性は前年の2位から4位に下がりました。男性の1-3位は香港、アイスランド、スイスです。

 3大死因であるガン、心臓病、脳卒中が克服できたと仮定した場合
男性の平均寿命は8.49歳延びて87.02歳に、女性は7.68歳延びて93.17歳になるとしています。

平成17年簡易生命表は下記のサイトで読めます。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life05/index.html




☆ 編集部より ☆

 ガン、心臓病、脳卒中の3大疾病は生活習慣病です。果物を食べてリスクを下げると寿命は飛躍的に延びることが今回の生命表からも分かります。(tnk)

 現在、マジでダイエットに取り組んでいます。当たり前かもしれませんが、夜、桃やスモモなどの果物を始めキュウリやトマト、スイカをたくさん食べて体重が増えても、翌朝には体重が食べる前に戻っている事が多いです。安心して食べれるところが私向きです。(uru)

 今回のメルマガは、スイカを多く取り上げたので、今無性にスイカが食べたいです。帰りにスイカを購入し週末はスイカづくしにしようかと思います。(sk)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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