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ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第113回 果物摂取と中性脂肪に関する誤解

  




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□□■ 果物&健康NEWS Vol.113 ■□□
   ■   2006年8月4日(金)    ■


みなさん、こんにちは!
特集は「果物摂取と中性脂肪に関する誤解」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ くだもの健康豆知識:ネクタリンは今が旬
 ◇ 今週のレシピ:ネクタリン・モモ
 ◇ 果物摂取と中性脂肪に関する誤解
 ◇ 品種紹介:ネクタリン「ヒラツカレッド」
 ◇ 文献紹介:肥満解消には果物と食物繊維の摂取が重要
 ◇ 健康ニュース:死因はピーナッツアレルギーではなくぜん息発作
 ◇ 果物おもしろ世界記録:68個のブドウを口でキャッチ
 ◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:ネクタリンは今が旬

 ネクタリンは、モモの表面のうぶ毛が退化したモモの一変種で「油桃(ゆとう)」とも呼ばれ、日本では山梨県、長野県中心に生産されています。原産地は、アジア中央部のパミール高原や天山山脈を中心としたトルキスタン地方です。

 果皮はつやつやと光沢があり、果皮の色は鮮やかな赤色で、果肉は黄色です。甘みが強く酸味もあるため、モモとは違った濃厚な味わいです。ネクタリンは、ゴム毬のように弾力があって、表面を押すと少し窪み気味の果実が、酸味も少なく食べ頃です。皮ごとでも美味しく食べられます。




□ 今週のレシピ:ネクタリン・モモ

 福島県果樹試験場のサイトで紹介しているレシピです。

○ フルーツ入りさんまの酢豚風あんかけ

[材料]
 ネクタリン 2個、プルーン 5個、サンマ(いわし) 3匹 、しょうゆ 大さじ3杯、しょうが汁 大さじ2杯、片栗粉 大さじ5杯、玉ねぎ 2個、ピーマン3個、しいたけ5枚、トマト3個、油 大さじ2杯
甘酢あん:だし汁 大さじ5杯、酢 大さじ5杯、しょうゆ 大さじ 3杯、砂糖 大さじ3杯、みりん 大さじ1杯、片栗粉 大さじ2杯

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.pref.fukushima.jp/kajyu-shiken/ryouri.htm
#fruitirisanma


○ モモのビン詰め

[材料]
 モモ 1kg、塩 少々、保存ビン 900cc、下煮液、水、砂糖シロップ:水 1カップ、砂糖 200g

下記のサイトで作り方と出来上がりの写真を見ることができます。
http://www.pref.fukushima.jp/kajyu-shiken/ryouri.htm
#momonobinzume





□ 果物摂取と中性脂肪に関する誤解

 わが国の果物摂取量は世界的に見て非常に少ないのが現状です。なぜ、日本人は果物を食べないのでしょうか。いろいろな理由があると思われますが「果物には果糖が多く含まれているため、中性脂肪が増えるのが怖い」という健康知識も、大きな理由の一つです。先週号のメルマガ「果物&健康NEWS」の読者からのメールにもありました。

 そのため、果糖を含む果物と中性脂肪との関係について果樹研究所を中心とした研究グループは、果物の中では比較的果糖を多く含むリンゴと中性脂肪との関係を探るためのヒト介入研究を行いました。

 試験ではボランティアに、リンゴを1日420g(1個半から2個)、3週間、毎日摂取してもらい、血液中の中性脂肪を測定しました。食べていただいたリンゴ(全部)には、果糖が31g含まれていました。果糖を含む糖全体では62g含まれていました。

 結果は予想以上で、14名のボランティアのうち、12名で中性脂肪の低下が確認されました。リンゴを摂取する前のボランティアの血液中の中性脂肪値は110 mg/dlでしたが、リンゴを摂取した後では87 mg/dlと、統計的に有意に21%も減少していました。

 このことは、よく言われていた「果物は、果糖が多いので中性脂肪を増やす」とする説をくつがえす結果で、果物を摂取すると中性脂肪はむしろ下がることを示しています。

 *

 また、果物に含まれている糖類(特に、果糖やショ糖)は、肥満や糖尿病の原因となるので、果物は体によくないと記述されることがあります。そこで、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、食品から供給される甘くて栄養になる糖類(ショ糖、果糖、ブドウ糖など)に関する1000以上の文献を精査し、糖類の健康面における評価を行いました。

 その結果、一般に言われている疾病(肥満、糖尿病、冠動脈心臓病、高血圧など)について糖が直接的な原因であるという明確な証拠はないと結論づけ栄養学雑誌(全216頁)に発表しました(文献1)。

 この報告は、従来信じられていた糖類に対する認識を変更するものとして、医師や栄養関係の研究者たちを驚かせました。そこで、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関:国連の専門機関)の両機関は、FDAが出した結論は正しいかについて再度検討を行いました(文献2)。

 その結果、「糖類の摂取は肥満を促進する」という考えは誤りであり、果糖やショ糖などの糖類が生活習慣病に直接結びつくことはないとし、FDAの報告の結論を支持しました。同時に、この委員会では、果物、穀類、牛乳(乳糖を4〜5%含む)などから供給される糖類(炭水化物)は、生命を維持し、健康に活動するためのエネルギーの供給源とし最も重要な栄養素であると結論づけました。

 以上のことから、「果糖やショ糖など糖類を含む果物についての有害論争」には、科学的な終止符が打たれたものと考えています。

【文献】
1) Glinsmann, W.H. et al.: Evaluation of health aspects of sugars contained in carbohydrate sweeteners. Report of Sugars Task Force, 1986. J. Nutr. 116: S1-S216. (1986)
2) FAO Food and Nutrition Paper No 66. Carbohydrates in Human Nutrition. Report of a Joint FAO/WHO Expert Consultation. FAO Rome (1998)




□ 品種紹介:ネクタリン「ヒラツカレッド」

 「ヒラツカレッド」は、「興津」と「NJN17」を交配してできた中生のネクタリンです。果実は200g前後で果皮は濃赤色で、果肉は黄色です。
肉質は軟らかく多汁で、糖度は11〜12%、酸味はpH3.6〜3.7です。

「ヒラツカレッド」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/data/
hinsyu/cu-hiratsukared.html





□ 文献紹介:肥満解消には果物と食物繊維の摂取が重要

 アメリカ・南カルフォルニア大学で52人の正常体重の人と同数の肥満の人を調査したところ、正常体重の人は、肥満の人より果物と食物繊維を多く摂取していることが明らかとなりました。
 60項目の食物頻度アンケート調査から、太りすぎ、または、肥満の人は、総脂肪、飽和脂肪、コレステロールの摂取が多く、果物、炭水化物、複合糖質、食物繊維の摂取量が少ないことが分かりました。体脂肪と果物の摂取量、体脂肪と食物繊維の摂取量は、ともに統計的に有意に逆相関を示しました。
 以上の結果から、肥満は果物と食物繊維の摂取量が少ないことが要因であると研究者らは結論づけています。

【文献】
Davis, J. N. et al.: Normal-Weight Adults Consume More Fiber and Fruit than Their Age- and Height-Matched Overweight/Obese Counterparts. J. Amer. Diet. Assoc. 106: 833-840. (2006)




□健康ニュース:死因はピーナッツアレルギーではなくぜん息発作

 ピーナッツバターを塗ったトーストを食べた男の子とキスをした女の子がピーナッツアレルギー(食物アレルギー)で死んだ事実はないと検死官が断定しました。

 2005年11月20日にカナダ・ケベックに住む15歳の少女の死因はぜん息による呼吸不全であることが明かとなりました。少女はピーナッツアレルギーでしたが、死因と関係はありませんでした。ボーイフレンドは彼女とキスする約9時間前にピーナツバターを塗ったトーストを食べていましたが、最新の研究では、約1時間でその痕跡はなくなるとしています。

上記ニュースの詳細はCBSニュースで読めます。
http://www.cbsnews.com/blogs/2006/05/12/publiceye/
entry1614851.shtml


アメリカ・厚生省(U. S. department of health and human services)のサイトでも読めます。
http://www.healthfinder.gov/news/newsstory.asp?docID=532686




□ 果物おもしろ世界記録:68個のブドウを口でキャッチ

 2005年12月22日、ニューヨークに住む51歳のファーマン(A. Furman)さんは、15フィート(4.57m)先から投げられた種なしブドウの実を口で1分間に68個キャッチすることに成功しました。これは世界記録とのことです。最初は30個キャッチするのがやっとでしたが毎日練習して記録を破ることができたと言っています。

ブドウをキャッチしている写真は下記のサイトで見られます。
http://www.ashrita.com/stories/pictures/grape-catching.jpg/
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☆ 編集部より ☆

 やっと梅雨が明け、夏らしい日となりました。7月にはほとんど聞かれなかった蝉の鳴き声も大きくなってきました。モモの缶詰作り、ウメの土用干しをしています。
 私たちが行ったリンゴ摂取と中性脂肪との関係を解析したヒト介入研究の結果は、新聞、テレビなどを通じて広く情報伝達され、果物に対する誤解はかなり減少してきました。しかし、まだまだ定着するところまで至っていません。これからもこの誤解を解くようがんばっていきたいと思います。(tnk)

 実は、うちの嫁さんは健康飲料オタクです。これまで、根昆布水、しそジュース、梅ジュース、大麦若葉ジュース、黒豆ジュースと様々なものを私に飲ませてくれました。ちょっと困るのは自分は一切味見をせずに私に飲ませて反応を楽しむことです。今週から毎日2gの杜仲茶を義務づけられて毎日お腹がチャプチャプです。(uru)

 今週は、沖縄からのレポートです。今、沖縄ではパインが最盛期を迎えています。甘酸っぱくてさわやかな香りは夏の沖縄に欠かせないものです。(sk)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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