ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第16回 高血圧(1)  



  

      
□□■  果物&健康NEWS Vol.16 ■□□
    ■   2004年6月18日(金) ■

みなさん、こんにちは!
今回は、高血圧特集です。



■メニュ−■

   □□ 果物摂取と高血圧(その1) □□

   ◇◆ サイト紹介 ◆◇

   ★☆ ひと口メモ−平成14(2002)年度の果物の自給率44% ☆★




□□ 果物摂取と高血圧(その1) □□

 高血圧は、動脈血圧の高いものの総称で、循環器系疾患の中で、最も頻度の高い疾患です。興奮などによる一時的な血圧上昇や精神的・肉体的ストレスとは関係のない、持続的に血圧が高い現象をいいます。高血圧症は10年から15年かけてゆっくり進行し、様々な障害を生みます。45歳以上になると、高血圧による通院患者数が急増し、65歳を過ぎるとおおよそ四人に一人が高血圧で通院しています。高血圧になると動脈硬化が起こり、動脈硬化になると高血圧を一層悪くなるという悪循環になります。こうした状態が続くと、狭心症や心筋梗塞などの心臓病や脳梗塞や脳出血など脳卒中のリスクが増大します(表)。

 高血圧のうち、原因の特定できない場合を「本態性高血圧症」と呼び、高血圧患者のうち90〜95%が、この本態性高血圧症と考えられています。本態性高血圧症は、遺伝因子と生活習慣の両方が関係した生活習慣病です。そのため、食塩を減らし、果物や野菜の摂取が推奨されています。

 世界の52研究センターが参加した研究において、尿からのナトリウムの排泄量が1,159mg(食塩として約3g)以下の集団では、血圧が低いことが分かりました。また、調味料として食塩を使用している先進諸国などの集団では、血圧が年齢とともに上昇しました。このことから、食塩を過剰に摂取すると高血圧の原因となることが分かりました。

 そのため、アメリカ高血圧合同委員会、WHO(世界保健機構)の国際高血圧学会は、先進諸国における食塩の摂取量は、必要量を大幅に上回っており、このことが高血圧の原因となっているとし、食塩の摂取量を一日6g以下とする勧告を行いました。わが国では、高血圧予防のため、食塩の摂取量を10g以下に抑えることが推奨されていますが、現状は、この基準値を上回っています。

 一方、カリウムは、血圧を下げる作用があることから、わが国では、高血圧予防の観点から、1日の栄養所要量を2g以上としています。果物は、ナトリウムをほとんど含まず、カリウムの多い食品として位置づけられています。例えば、果物を200g摂取するだけでカリウムの栄養所要量の約20%も供給できます。従って、毎日、果物を摂取することが高血圧予防のために大切です。
 次回は、アメリカ保健社会福祉省などが推進している高血圧予防のためのDASH摂取プランについてご紹介します。


表 1999年WHO/ISHの高血圧の判断基準
----------------------------------------------------------
                       高血圧
                  ------------------------
他の危険因子及び既往症   正常高値  軽症  中等症  重症
     収縮期血圧(mmHg) 130-139 140-159 160-179 180=<
     拡張期血圧(mmHg) 85-89   09-99  100-109 110=<
----------------------------------------------------------
@他に危険因子なし      低    低    中等   高
A1〜2つの危険因子あり   低   中等   中等   超高
B3つ以上の危険因子あり、 中等   高     高   超高
 あるいは左肥大など臓器障害あり
 あるいは糖尿病あり
C虚血性心疾患、腎障害など 超高   超高   超高   超高
 すでに合併症あり

----------------------------------------------------------
他の危険因子:60才以上、男性、心臓病の家族歴あり、喫煙、
総コレステロール高値、糖尿病など5年以内に脳卒中、
心筋梗塞をおこす確率

 低:5%以下 中等:7-10% 高:約15% 超高:20%以上




◇◆サイト紹介◆◇

http://www.med.hirosaki-u.ac.jp/~sasakin/naosuke.html

 高血圧に関する研究の先駆者、佐々木直亮先生のホームページです。先生は、リンゴ地帯である青森県津軽地方では血圧が低く、脳卒中の死亡率も低いことに着目し、リンゴ摂取群と非摂取群とを比較したところ、リンゴ摂取群は統計的に有意に血圧が低いことを明らかにしました。




★☆ ひと口メモ−平成14(2002)年度の果物の自給率44% ☆★

 果物の消費量は、輸入果汁を中心とした加工品が増加しているため、全体として微増傾向にありますが、生鮮果実の消費量は減少ないし横ばいで推移しています。そのため、平成14年産では、栽培面積は対前年比2%減(28万ha)、生産量は6%減(388万トン)となり、果物の自給率は対前年比で1%減の44%となりました。

 生鮮果実だけに限れば自給率は高いのですが、果物全体ではなかなか自給率は向上してくれません。

−「我が国の食料自給率 −平成14年度食料自給率レポート」より




☆ 編集部より☆
 これから果物の美味しい季節です。国産果実でも外国産果実でも、たくさん食べることが健康によいのですが、もし、どちらにしようかと迷ったら、国産果実を食べていただけるとうれしいです。(tnk)

 自分を含め、「今は健康だから」と油断をして、後々生活習慣病にならないよう、果物を取らなければ・・・(N)


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