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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第164回 リボ・フル閑談:
  メイヨ・クリニックの健康ダイエット・プログラム

  
 

□□■ 果物&健康NEWS Vol.164 ■□□
   ■   2007年8月31日(金)  ■


みなさん、こんにちは!
特集は「リボ・フル閑談:メイヨ・クリニックの健康ダイエット・プログラム」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp
果樹農業は未来を拓く! Do! our BEST.


:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

◇ くだもの健康豆知識:スダチ
◇ 今週のレシピ:スダチ
◇ リボ・フル閑談:
   メイヨ・クリニックの健康ダイエット・プログラム
◇ 品種紹介:スダチ「徳島3X1号」
◇ 文献紹介:アジア人は腹部の周りに内臓脂肪が蓄積しやすい
◇ 文献紹介:果実などのペクチンが前立腺ガン細胞に効果
◇ 果物の小話:ブドウ3
◇ 文学の中の果物:姫柚子の讃(佐藤垢石)
◇ 読者から:渋味について
◇ 日本全国野菜・くだものフェア2007
◇ 農山漁村の郷土料理百選のインターネット投票を実施
◇ 今日のフォト
◇ 編集部より



□ くだもの健康豆知識:スダチ

 スダチは徳島県特産のミカン科ユズ類の香酸カンキツで、独特な香気と酸味に特徴があります。スダチは酢橘、酸橘とも表記されます。成熟すると果皮は橙黄色、果肉は淡黄色で多汁ですが、通常は未熟果(緑色果)を利用します。

 果汁は刺身、焼き魚、鍋物などの調味として利用されています。果汁中にはビタミンCが40mgと豊富に含まれています。

 果皮はすり下ろして薬味として用います。果皮には抗酸化ビタミンが豊富です。100g当たりα-カロテンが360μg、β-カロテンが330μg、ビタミンEが5.2mg、ビタミンCが110mg含まれています。




□ 今週のレシピ:スダチ

徳島県の中でもスダチの生産が多い神山町のスダチレシピです。

○ ナシゴレンのすだち風味
○ すだちのジュース
○ すだちのパスタ
○ すだち搾り三杯酢
○ すだちのゼリー


作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.town.kamiyama.lg.jp/tokusan/sudachi-recipe.html




□ リボ・フル閑談:
  メイヨ・クリニックの健康ダイエット・プログラム


【リポさん】
 皆さん、こんにちは。リポーターのリポでーす。今日は、果物&健康NEWSのフルッタさんに「メイヨ・クリニックの健康ダイエット・プログラム」についてお聞きしたいと思います。よろしく願いします。
【フルッタさん】
よろしくお願いします。
【リポさん】
 フルッタさん。健康ダイエット・プログラムとは何ですか。
【フルッタさん】
 生活習慣病の原因である肥満を、健康的に解消するためのプログラムのことです。
【リポさん】
 メイヨ・クリニックはどんな病院ですか。
【フルッタさん】
 メイヨ・クリニックは、アメリカの北部ミネソタ州に本拠を置く病院で、100年以上の歴史があります。この病院は「医師らが一番優れていると指名」した割合などから決めらた病院のランキングで、消化器・循環器系疾患で全米第1位の医療機関です。
【リポさん】
 メイヨ・クリニックは、アメリカを代表する病院なのですね。
【フルッタさん】
 そうです。そのメイヨ・クリニックでは、肥満解消のため、健康的に体重を減らすダイエット・プログラムを公表しています。このプログラムは、メイヨ・クリニックの研究と臨床経験に基づいて作成されました。
【リポさん】
 どんな食事法なのですか。
【フルッタさん】
 このダイエット・プログラムには、果物の摂取制限はありません。
【リポさん】
 ちょっと待って下さい。ダイエット・プログラムなのに摂取制限がないのですか。
【フルッタさん】
 その通りです。果物を食べると満腹感を満たせるからです。
【リポさん】
 そうなんだ。
【フルッタさん】
 そして、少なくとも、中くらいのナシやモモなら毎日3個、ブドウなら3房、食べることとしてます。同時に、健康によい食品、野菜、全粒穀類、豆、魚、低脂肪の乳製品、脂肪のない肉などを摂取します。また、飽和脂肪酸、トランス型脂肪酸、コレステロールの摂取を控えます。お菓子と塩分の摂取を制限し、アルコールは適度に飲用することが大切です。
【リポさん】
 果物だけ食べていればいい、というわけではないのですね。
【フルッタさん】
 そうです。その通りです。
【リポさん】
 具体的なレシピがあれば教えて下さい(文献)。
【フルッタさん】
 例えば、朝食にバナナ1本、シリアル1カップ、無脂肪の牛乳1カップ、それにハーブティーです。
 お昼は、ツナサンドと生ニンジンなどのサラダ2カップ、それに中くらいのリンゴ1個です。飲み物はお水です。
 夕食には、タラの蒸し焼き(6オンス:170g)とグリ−ンビーンズ3/4カップ、レタスやチェリートマトなどのサラダ、それにネクタリン1個です。飲み物はレモンソーダ水です。
 スナックには、小さめのナシ1個を食べます。
【リポさん】
 果物が一杯ですね。私にも出来そうです。
【フルッタさん】
 メイヨ・クリニックの健康ダイエット・プログラムに従って、食品の種類や量を適切に選択すれば、1ヶ月で2kgから4kgと、安全なペースでやせることができます。
【リポさん】
 果物を一杯食べながらやせられるということですね。
【フルッタさん】
 旬の果物を組み合わせることも大切です。そのため、今の時期に、ブドウやモモ、ナシなどを冷凍しておくと便利です。
【リポさん】
 この健康ダイエット・プログラムに従えば、果物を楽しく食べながら、ダイエットを長く続けられるということですね。
 フルッタさん、ありがとうございました。

【文献】
Mayo Clinic Healthy Weight Pyramid: A sample menu.
http://www.mayoclinic.com/health/healthy-weight-
pyramid/SA00103





□ 品種紹介:スダチ「徳島3X1号」

 スダチ「徳島3X1号」は、「HS4」(4倍体のスダチ)と2倍体の「緑香系」スダチを交配して出来た3倍体の無核品種です。果形は扁球で、果重は60g程度、果汁は多く、果肉は鮮やかな緑色で美しく、種子がないのが特徴です。7月下旬〜8月上旬から収穫が可能です。

「徳島3X1号」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://fruit.naro.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/pr-tokushima3x1.html





□ 文献紹介:アジア人は腹部の周りに内臓脂肪が蓄積しやすい


 カナダに住む中国人、南部アジア人、アボリジニ人、ヨーロッパ人を対象に体脂肪とBMIなどとの関係が調査されました。その結果、ヨーロッパ人と比べアジア人は、同じBMI値では体脂肪率は低いが、腹部の周りに内臓脂肪がつきやすい傾向が見られました。そのため、同じBMI値ならアジア人は、ヨーロッパ人と比べ、内臓脂肪が多く、肥満と関係した心疾患や高血圧、糖尿病などの罹患リスクが高いことが分かりました。

【文献】
Lear, S. A. et al.; Visceral adipose tissue accumulation differs according to ethnic background: results of the Multicultural Community Health Assessment Trial (M-CHAT). Amer. J. Clinic. Nutr., 86: 353-359. (2007)




□ 文献紹介:果実などのペクチンが前立腺ガン細胞に効果

 アメリカ・ジョージア大学の研究から、果物などに含まれている水溶性食物繊維であるペクチンで前立腺がん細胞を処理したところ、アポトーシス(プログラム細胞死)を誘導することが分かりました。アポトーシスにより前立腺ガンの細胞は死に、最大で細胞数が40%減少しました。この結果は、前立腺ガンと食事との関係を解明する糸口になると研究者らは考えています。

【文献】
Jackson, C. L. et. al; Pectin induces apoptosis in human prostate cancer cells: correlation of apoptotic function with pectin structure. Glycobiology, 17: 805-819. (2007)




□ 果物の小話:ブドウ3

 今回はブドウ酒について触れておきます。ブドウ酒は、ブドウの糖分と果皮に自然に存在する酵母菌により容易に発酵し酒となるので、ブドウ酒作りの発祥地は、野生ブドウの自生地と考えられます。なお、積極的なブドウ酒醸造は、メソポタミア文明が発生したティグリス・ユーフラテス川流域で、シュメール人によって誕生したと推定されています。この醸造技術はエジプト、次いでギリシアに伝わり、ローマ帝国の拡大に伴って西ヨーロッパに広まったと考えられています。ブドウ酒は、特に、赤ワインはキリスト教の行事に使われるようになり、教会や修道院でブドウ園や醸造所が作られたことが、ブドウ酒の普及に大いに貢献しました。5世紀末頃までにフランスのボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ドイツのライン、モーゼル等の醸造地が存在しています。

 わが国では、『本朝食鑑』(1697、人見必大)等にブドウ(主にヤマブドウ)の果汁を古酒に入れ、氷砂糖を加え貯蔵する葡萄酒という名の酒が作られたとあり、薬用として用いられていました。明治3年に、現山梨県甲府市でわが国初めてのブドウ酒醸造が開始されました。しかし、当時は日本酒を中心とした伝統的な食文化が大きく影響し、特に、酸味を強く感じるブドウ酒は日本人のし好に合わず余り普及しませんでした。

 わが国における本格的なブドウ酒の生産は、太平洋戦争以降の食生活の欧風化等に伴ってのもので、特に昭和45年の大阪万国博覧会に来日した多くの外国人が、日本に本格的ブドウ酒がないことを指摘し、このことが国際的に通用するブドウ酒製造への転機となりました。なお、ブドウ酒ほどわからない飲み物は少なく、1,000円のものも、10,000円のものも区別がし難い飲料にも、ほとほと困ったものと思うのは、私だけでしょうか。(間苧谷)




□ 文学の中の果物:姫柚子の讃(佐藤垢石)

 鰍(かじか)は素焼きにして、山葵醤油をつけて食べても、焼き枯らして味噌田楽にこしらえても、また丸煮にしても、いずれも結構であるが、頭と脊骨と腸を去って天ぷらに揚げるか、膾(なます)に作ればこれに勝った味はない。特に、膾の醤油に姫柚子(ひめゆず)の一滴を加えれば、その酸味に絶讃の嘆を放ちたくなるのである。

 姫柚子といえば、この初秋鎌倉の釣友を訪ねたとき、夕餐の膳を飾るちり鍋に添えて、緑の色深い姫柚子が数粒、小皿の上にあった。私は、それをなつかしく眺めた。

 寒国である私の故郷は、柑橘類に恵まれていなかった。姫柚子など、あろうはずがないけれど、私は姫柚子の味に永い間親しんできたのである。それは、私に四国の阿波の国に友人があって、そこから毎年初秋になると送ってきた。私は、湯豆腐にちり鍋に、この姫柚子の調味を配して、遠い国にある友の心を偲んだのである。



佐藤 垢石
(さとう こうせき:1888年6月18日-1956年7月4日)
 本名は佐藤亀吉、群馬県前橋市生まれ。元報知新聞記者でエッセイスト。趣味は釣りで、井伏鱒二に鮎釣りを教えた(「水郷通いの釣師」より)




□ 読者から:渋味について

 渋味について、教えてください。(胡瓜)

【編集部より】
 渋味は、味覚の一要素で、このほかに甘味、酸味、塩味、苦味などがあります。渋味は、渋柿を食べたときや、渋茶を飲んだときなどに感じる舌を刺激する味です。

 渋味は、カテキンやプロアントシアニジン及びその誘導体が主成分です。渋味成分が多すぎると不快な感じになりますが、適度に含まれていると味に深みを与えます。例えば、渋味はワイン品質の重要な評価因子です。

 苦味は渋味と異なり、アルカロイド、配糖体、無機塩類などにより口がこわばる感じの味です。




□ 日本全国野菜・くだものフェア2007

 日本全国野菜・くだものフェア2007が、9月8日(土)9日(日)の2日間、有楽町の東京国際フォーラム(展示ホール1)で開催されます。全国から美味しい野菜とくだものが多数並び試食コーナーも充実させ、見て、聞いて、食べて、楽しめるイベントなので是非お立ち寄りください。入場無料です。

日時:9月8日(土)10:00〜17:00
      9日(日)10:00〜16:00
場所:東京国際フォーラム 展示ホール1
東京都千代田区丸の内3丁目5番1号
問い合わせ先:日本全国野菜・くだものフェア2007事務局
電話:03-5728-8247




□ 農山漁村の郷土料理百選のインターネット投票

 全国各地に伝わる郷土料理のうち、農山漁村で脈々と受け継がれ、かつ「食べてみたい!食べさせたい!ふるさとの味」として国民的に支持されうる郷土料理を「農山漁村の郷土料理百選」として選定します。

 そこで、国民的に支持されうる郷土料理を把握するため、インターネットを活用した人気投票(投票期間:平成19年9月1日から10月10日まで)を実施します。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070827press_4.html




□ 今日のフォト

 収穫はまだですがカキの実が大きくなってきています。写真は、(独)農研機構果樹研究所の現在の「市田柿」です。「市田柿」は長野県などで生産されている代表的な渋柿です。昔からカキの実を収穫するとき、必ず1個だけを残しておきます。これは「木守り柿」といい、翌年の豊かな実り願う風習です。

 高枝や 渋柿一つ なつかしき  (一茶)

大きくなってきた「市田柿」です。
http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News13.html
 (掲載は次号まで)



   ■ 実りの秋 果物が美味しい


☆ 編集部より ☆

 さすがの暑い夏も終わりに近づいてきました。そんな夜に徳永英明の歌う「時代(中島みゆき作詞・作曲)」を聴いています。「たとえ今夜は倒れても きっと信じてドアをでる」。果物を含む食事バランスが定着するためには「そんな時代」が必要なのかなと想う。(tnk)


 夏の日差しを浴びながら飲むビールは最高ですが、今年は結局海に行けそうにありません。来年は海に行きたいな〜。(sk)


 夏ももうすぐ終わりですね。先日、体重を計ったら、梅雨入り前より4kgほど増加してました。「暑い夏」→「ビールがうまい」→「猛暑で運動不足」→「ビール腹」との図式で間違いないと思います。もう少し涼しくなったら「ジョギング再開」→「美味しい果物」→「すっきりスリム化」→「ハーフマラソン完走」といきたいものです。(uru)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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