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  ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第247回 社会的ネットワークと季節性インフルエンザ流行

  




■□ 果物&健康N8WS Vol.247
□■  2009年5月22日(金)


みなさん、こんにちは。お元気ですか。
メルマガをゆっくりとお楽しみください。
──────────────────────
毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp

::■ 本日のメニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ 梅の句
 ◇ 今週のレシピ:ビワ
 ◇ 文献紹介:予防可能な早死要因トップ3
 ◇ 品種紹介:ビワ「白茂木」
 ◇ 読者から:葉酸摂取のこと
 ◇ 読者から:栃木県とみかん
 ◇ 読者から:柑橘類の種類
 ◇ 文献紹介:インフルエンザ予防には十分な栄養
 ◇ 文献紹介:社会的ネットワークと季節性インフルエンザ流行
 ◇ 新型インフルエンザ情報4
   −正確な知識で冷静な対応−
 ◇ 果物花便り:愛媛西宇和の温州みかん
 ◇ 文学の中の果物:物売りの声(寺田寅彦)
 ◇ 今週の果物
 ◇ 今日のフォト
 ◇ 編集部より



□ 梅の句

  青梅に手をかけて寝る蛙哉

        小林一茶




□ 今週のレシピ:ビワ

○ びわ蒸し饅頭

材料 (20個分)
 びわジャム 100g、蒸しパン用粉 600g、薄力粉 200g、卵 1個、水 カッ
プ1杯、牛乳 カップ 11/2杯

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.nagasakiken-ja.com/modules/yoishoku/
index.php?content_id=3


○ ビワのコンポート

材料 (2人分)
 ビワ 8個、水 100cc、白ワイン 50cc、砂糖 大さじ4杯、レモン汁 大さじ1杯、はちみ
つ 大さじ2杯

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.ja-fukuoka.or.jp/recipe/p_and_c/200706_2.html

○ びわ種子酒
○ 有りびわシロップ漬け
○ びわゼリー


作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://www.nagasaki-biwa.com/charm05.html




□ 文献紹介:予防可能な早死要因トップ3

 アメリカ、ハーバード大学公衆衛生学大学院などの研究チームは、アメリカにおける予
防可能な早死要因のトップ3は喫煙、高血圧、過体重であると「科学公共図書館報:医
学」に発表しました。

 調査から、毎年46万7000人が喫煙で早死していました。高血圧では39万5000人が、過体
重では21万6000人がなくなっていました。

 そのため研究者らは、喫煙率の減少や高血圧症治療などの面で改善しているが、さらに
予防可能な疾病治療に対するサポートが必要であると指摘しています。

【文献】
Danaei, G. et al.: The Preventable Causes of Death in the United States:
Comparative Risk Assessment of Dietary, Lifestyle, and Metabolic Risk Factors.
PLoS Med 6: e1000058. (2009) [doi: 10.1371/journal.pmed.1000058]




□ 品種紹介:ビワ「白茂木」

 「白茂木(しろもぎ)」は「茂木(もぎ)」の自然交雑種子にガンマー線を照射してで
きた品種です。熟期は育成地の長崎県大村市で6月中旬から下旬で、「茂木」よりも10
日から2週間程度遅く、「田中」とほぼ同時期です。果形は卵形、果皮色は黄白色で、果
実重は約50gとなり、「茂木」より若干大きくなります。糖度は13%程度で「茂木」
より1〜2%高く、果肉は緻密で軟らかく、食味は良好です。

「白茂木」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://fruit.naro.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/pr-shiromogi.html





□ 読者から:葉酸摂取のこと

 いつも楽しく拝見させて頂いております。

 イチゴはビタミンCが豊富だと知っていましたが葉酸も豊富だと始めて知りました。と
ても優れものですね!

 葉酸の体への大切さは、産婦人科の先生から聞いていました。葉酸はビタミンB12と一
緒に摂取しなければ体外へ流れて しまうとの事でしたが、イチゴはビタミンB12も含まれ
ていますか? (ゆう子)

【編集部より】
 メールありがとうございました。ビタミンB12は植物性食品にはほとんど含まれていま
せん。そのため、ベジタリアンではビタミンB12が欠乏しやすいことが知られています。
果物など植物性食品と動物性食品をバランスよく摂取することが健康の維持増進に有効で
す。




□ 読者から:栃木県とみかん

 栃木県はいちごの産地ですが、みかんの消費量が多いことで知られています(総務省家
計調査>宇都宮市)。冬はみかんを箱買いするのが習慣です。こたつの上のかごには、み
かんが常備されています。 しかし、最近はそんな家庭も少なくなりつつあります。(H)

【編集部より】
 メールありがとうございました。栃木県とミカンの意外な関係。こんな風に果物を食べ
てもらえればと思います。「毎日くだもの200グラム」がもっと身近になればよいので
すが。今後ともよろしくお願いします。




□ 読者から:柑橘類の種類

 果物&健康NEWSを楽しみにメールを拝見しております。小生今頃になると柑橘類、特に
甘酸っぱい夏ミカンが大好きですが、恥ずかしいのですが、甘夏ミカンやハッサクとの区
別、特徴など知識が薄くよく見分けがつきません。産地を含めて、種類の特徴などご教示
いただけたらお願い致します。

 また、それら以外の例えばデコポンやら各地の特産といわれる柑橘類もわかればうれし
いのですが・・・・・。

 すなわち、柑橘類にはどれ位の種類があるのですか? なんだかワクワクしてきそうで
す。

 それから、今週のレシピは家内がたいへん興味あり、参考にさせて頂いております。こ
れからも、継続してレシピをお願いします。健康に良い果物を腹一杯食べるこれ何にも代
えがたい幸せだと思います。

 ちょっと心配なのが、ミツバチの激減です。日本の自助努力で欧米に頼らないミツバチ
再生が早く実現することを念じてやみません。農水省のご努力を期待します。 以上  
(おっちゃん)

【編集部より】
 メールありがとうございました。カンキツの分類について特集で紹介したいと思いま
す。しばらくお待ちください。




□ 文献紹介:インフルエンザ予防には十分な栄養

 アメリカ、ミシガン州立大学の研究チームは、マウスを用いた動物実験からビタミンや
ミネラルが充分に供給されていてもカロリー制限をすると身体の免疫機構が有効に働かな
いと「栄養学雑誌」に発表しました。

 実験から、普通食よりカロリーを40%抑えたマウスは、普通食を食べているマウスよ
り、インフルエンザ感染後数日以内の死亡率が高い傾向にあることが分かりました。

 また、カロリー制限により、感染率が上がり、感染初期にウイルスに対して働くナチュ
ラルキラー細胞(NK細胞)の生成が充分ではないことも明かとなりました。さらに、カロ
リー制限をしたマウスは回復も遅くなり、体重減少などの悪影響が認められました。

【文献】
Ritz, B. W. . al.: Energy Restriction Impairs Natural Killer Cell Function and
Increases the Severity of Influenza Infection in Young Adult Male C57BL/6 Mice.
J. Nutr., 138: 2269-2275. (2008) [doi: 10.3945/jn.108.093633]




□ 文献紹介:社会的ネットワークと季節性インフルエンザ流行

 アメリカの公衆衛生に携わる研究チームが、社会的ネットワークと季節性インフルエン
ザの拡散との関係を調べた結果、インフルエンザ流行を防ぐための最も良い手段は学校を
閉鎖し生徒を家庭で待機させることであると、昨年の「BMC公衆衛生」に発表しました。

 研究者らは、地域においてインフルエンザを予防する最後の砦は高校生など子供たちで
あり、高校生の行動範囲がインフルエンザ流行のカギとなるとして、学校の閉鎖によって
流行を食い止めることができると述べています。

 インフルエンザは、咳やくしゃみなどで感染します。そのため、流行の原因を探るため
には、社会的に接触するネットワークの解析が重要です。そのため、研究者らはインフル
エンザの流行と社会的接触ネットワークとの関係について調査を行いました。

 研究では、子供達が属するグループ(家庭、クラス、クラブなど)の接触状況を調査し
ました。その結果、接触状況は多岐にわたっていましたが、インフルエンザ感染のリスク
が高いグループは、家庭、学校の友人やクラス、スポーツなどでした。

 こうした調査の結果から、高校生が感染を広げる可能性が高いことが分かり、感染の拡
散予防には学校を閉鎖することが有効であると、研究者らは結論づけています。

【文献】
Glass, L. M. and Glass, R. J.: Social contact networks for the spread of
pandemic influenza in children and teenagers. BMC Public Health, 8: 61. (2008)
[doi: 10.1186/1471-2458-8-61]




□ 新型インフルエンザ情報4
  −正確な知識で冷静な対応−


◇農林水産省:新型インフルエンザ関連情報

※消費者の皆様へ

 豚肉・豚肉加工品を食べることにより、豚インフルエンザがヒトに感染する可能性は、
ないものと考えています。消費者の皆様には、農林水産省のサイトの情報を参考に冷静な
対応を心がけていただくことが重要です。

 新型インフルエンザへの感染を避けるためには、感染者との接点を極力減らすため、不
要不急の外出をしないことが重要です。万が一のため、外出せずに生活できるよう少しづ
つ食料品を備えましょう。

※事業者の皆様へ

※農林漁業者の皆様へ

※動物検疫における取組

※農林水産省新型インフルエンザ行動計画

上記の情報は農林水産省:新型インフルエンザ関連情報サイトにあります。
 http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/
anpo/pdf/shininful.html


◇厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報

・目で見る新型インフルエンザ予防対策(動画)
  私たちにもできる新型インフルエンザの身近な予防策
  「新型インフルエンザから身を守る知っておきたい感染予防策」
  「新型インフルエンザの発生に備える」

・相談窓口 案内

上記の情報は厚生労働省新型インフルエンザ情報サイトにあります。
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/
kekkaku-kansenshou04/index.html


◇外務省:感染症関連情報サイト

感染症広域情報
・新型インフルエンザの流行状況について(第20報(5月20日付))

上記の情報は外務省新型インフルエンザ情報サイトにあります。
 http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/sars.asp

◇内閣府食品安全委員会:新型インフルエンザ情報
 http://www.fsc.go.jp/sonota/
mexicous_butainflu_210427.html


◇世界保健機関(WHO)の新型インフルエンザのサイト(英語)
 http://who.int/csr/disease/
avian_influenza/pandemic/en/index.html


◇CDC(アメリカ疾病管理予防センター)の新型インフルエンザのサイト (英語)
 http://www.cdc.gov/flu/pandemic/




□ 果物花便り:愛媛西宇和の温州みかん

 瀬戸内海に面した傾斜地にはみかん園が広がっており、花が咲く4〜5月の夕方海岸線
を歩くと、みかんの花のさわやかなかおりを楽しむことができ。温州みかん栽培面積は
9,210haと日本一の規模で、果樹農家数は17,433戸と多くの人がみかんの栽培に関わって
います。

ミカンの花は下記のサイトで見られます。
http://www.env.go.jp/air/kaori/82mikan.htm




□ 文学の中の果物:物売りの声(寺田寅彦)

 同じく昔の郷里の夏の情趣と結びついている思い出の売り声の中でも枇杷葉湯(びわよ
うとう)売りのそれなどは、今ではもう忘れている人よりも知らぬ人が多いであろう。朱
漆で塗った地に黒漆でからすの絵を描いたその下に烏丸(からすまる)枇杷葉湯と書いた
一対の細長い箱を振り分けに肩にかついで「ホンケー、カラスマル、ビワヨーオートー」
と終わりの「ヨートー」を長く清らかに引いて、呼び歩いていたようにも思うし、また木
陰などに荷をおろして往来の人に呼びかけていたようにも思う。その声が妙に涼しいよう
でもあり、また暑いようでもあった。しかしその枇杷葉湯(びわようとう)がいったいど
んなものだか、味わったことはもちろん見たこともなかった。そのころもうすでに大衆性
(ポピュラリティ)を失ってしまって、ただわずかに過去の惰性のなごりをとどめていた
のではないかと思われる。東京で震災前までは深川(ふかがわ)へんで見かけたことのあ
るあの定斎屋(じょさいや)と同じようなものであったらしいが、しかし枇杷葉湯のあの
朱塗りの荷箱とすがすがしい呼び声とには、あのガッチンガッチンの定斎屋よりもはるか
に多くの過去の夢と市井の詩とを包有していたような気がする。

 生菓子をいろいろ、四角で扁平(へんぺい)な漆塗りの箱に入れたのを肩にかけて、
「カエチョウ、カエチョウ」と呼び歩くのは、多くは男の子で、そうして大概きまって尻
(しり)の切れた冷飯草履(ひやめしぞうり)をはいていたような気がする。それが持っ
て来る菓子の中に「イガモチ」というのがあった。道明寺(どうみょうじ)の餡入(あん
い)り餅(もち)であったがその外側に糯米(もちごめ)のふかした粒がぽつぽつと並べ
て植え付けてあった。ちょうど栗(くり)のいがのようだと言うので「いが餅」と名づけ
たものらしい。「カエチョウ」の意味は自分にはわからない。このはかない行商の一人に
頭蓋骨(ずがいこつ)の異常に大きな福助のような子がいた。だれかが試みに一銭銅貨と
天保銭(てんぽうせん)を出して、どちらでもいいほうを取れと言ったらはっきりと天保
銭を選んだといううわさがあった。また、その生きている頭蓋骨をとっくにどこかの病院
に百円とかで売ってあるのだという話もあった。




□ 今週の果物

 今週は神奈川県横浜市の青果物市場に入荷している果物について紹介します。取扱量の
多い果物は、リンゴ、甘ナツミカンなどカンキツ類、スイカ、メロン、イチゴなどです。
産地別では熊本、青森、栃木、茨城、千葉、静岡、広島産などです。

ウンシュウミカンは佐賀産、甘ナツミカンは熊本、静岡産、「清見」、デコポンなどは愛
媛、熊本産などです。

リンゴ「ジョナゴールド」、「王林」、「ふじ」などは青森産です。
 
スイカは熊本産などです。夏に向けて出荷量が増えています。

メロン(アールス、プリンスアンデス、アムス、ホームラン、クインシーなど)は熊本、
茨城、静岡、千葉産です。

イチゴ(「とちおとめ」、「さちのか」など)は栃木、宮城、千葉、静岡産などです。

ビワは熊本、長崎、鹿児島産です。いよいよ露地物が出荷の最盛期を迎えます。

ウメは神奈川、和歌山、静岡産などです。出荷は梅酒用などの青ウメからです。

サクランボは山形産です。モモは山梨産、スモモは熊本、山梨産です。ブドウ「デラウェ
ア」は大阪、山梨産です。




□ 今日のフォト

 よく晴れわたった青空の下、ブドウの蔓がぐんぐんと伸びています。果樹園に太陽がの
ぼる頃、ヒバリやウグイス、スズメなどの鳥たちが一斉に鳴き出します。いよいよ果物の
季節が始まります。

http://www.kudamononet.com/kkr/snapshot/KK-News89.html
  (掲載は次号まで)





☆ 編集部より ☆

 直接的な感染予防対策とともに、ビタミンなどが豊富な果物をたっぷり食べて十分な栄
養と睡眠で体の抵抗力をつけておくこともインフルエンザ対策に有効です。ご自愛くださ
い。(tnk)

 この時期になると、どうしても目に付くのがゼスプリのCMです。蝦ちゃんと坂口憲二
のさわやかさ満点のCMは、見てると食べたくなりますね。予算の規模はともかく、見習
うべき点のある広報戦略の1つです。(KT)





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