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第282回 植物性食品の摂取は冠動脈心臓病のリスクを下げる

  





□■□ 果物&健康NEWS Vol282
■□□ 2010年4月9日(金)配信
□□◇ <創刊日2004年2月26日>



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 ◇ 季節のたより
 ◇ 今週のレシピ:ビワ
 ◇ 品種紹介:ビワ「里見」
 ◇ 文献紹介:植物性食品の摂取は冠動脈心臓病のリスクを下げる
 ◇ 文献紹介:子宮内膜ガンに対する食物繊維の効果
 ◇ 文献紹介:脳へのブドウ糖供給不足とアルツハイマー病
 ◇ 果物花便り:札幌市平岡公園の梅林
 ◇ 文学の中の果物:樹木とその葉−伊豆西海岸の湯(若山牧水)
 ◇ フルーツアレンジ:リンゴでアヒル
 ◇ 今週の果物
 ◇ 編集部より



□ 季節のたより

旬の果物:イチゴ、リンゴ、キウイフルーツ
     ビワ、デコポン、甘夏ミカン

横浜市 4月10日
日の出 5:16  日の入り 18:10
夜明け 4:44  日暮れ  18:43
月の出 2:49  月の入り 14:15   月齢 25.2

花曇り
 桜の咲く頃の曇り空のことです。通俗的な用語のため天気予報や解説には用いないとしています。

横浜市 4月の過去3年間の気候
       07年   08年   09年 10年(途中経過) 
平均気温   13.5   14.3   15.3  12.3    ℃
降 水 量   125.5    232.0  163.0   −    mm
相対湿度   64    65    60    69    %




□ 今週のレシピ:ビワ

○ ビワニンプリン*びわ種de杏仁豆腐

材料( 13cm×13cm角型1台分(約3人分))
 ビワ 1個(種2〜3粒)、牛乳、生クリーム、卵 3個、砂糖など。

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/recipe/592939

○ びわのコンポート

材料( 適量分?(^^;) )
 ビワ 適量、白ワイン 1cup、グラニュー糖 1cup、水 1cup、レモン汁 1/4〜1/2個分、蜂蜜 大さじ1杯〜適量

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/recipe/263761

○ ジューシー☆びわケーキ

材料(15cm型)
 薄力粉 100g、アーモンドパウダー 50g、ベーキングパウダー、バター(マーガリン)、たまごLサイズ 2個、ビワのコンポートなど。

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトです。
http://cookpad.com/recipe/603699




□ 品種紹介:ビワ「里見」

 ビワ「里見(さとみ)」は「楠」の自然交雑実生で、育成地(千葉県館山市)ではて5月下旬に成熟します。この時期のものの中では、果実が大きく、酸・甘味ともに含有量が多く濃厚な食味です。

 果実は短卵形、1果平均重は60〜70gで「田中」よりやや小さい程度です。果皮の色は橙黄、はく皮は易です。果肉の色は橙黄、果肉の厚さは中、甘味は「田中」より多く、「楠」程度、酸味は「田中」、「楠」より多く、香気はありません。

「里見」の果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/pr-satomi.html





□ 文献紹介:植物性食品の摂取は冠動脈心臓病のリスクを下げる

 アメリカ、、ミネソタ大学の研究チームは冠動脈心臓病と食事内容を検討した結果、植物性食品を多く摂取している人は冠動脈心臓病の死亡リスクが低く、動物性食品の摂取量が多いとリスクが高まると報告しています。

 冠動脈心臓病について欧米人や日本人を含む12,763人を対象に25年間食事調査が行われました。食事調査は18種類の異なる食品群(パン、穀類、じゃがいも、野菜、豆、果物、砂糖製品、油、バター、肉、魚、卵、マーガリン+ラード、牛乳、チーズ、菓子、アルコール、その他)と5群(植物性食品、動物性食品、菓子、魚、アルコール)を組み合わせ、重み付けを行い比較しました。

 調査の結果、乳製品は北ヨーロッパが、肉はアメリカが、野菜,豆,魚,ワインは南ヨーロッパが、穀類、大豆製品、魚は日本が最も多く摂取していました。冠動脈疾患の死亡数が最も多かったのは東フィンランドで、低かったのはギリシャのクレタ島の人でした。

 食事調査から、植物性食品(アルコールを除く)は冠動脈疾患のリスクを48%下げることが分かりました。一方、動物性食品(魚を除く)はリスクを高めることが分かりました。

 以上の結果から、食文化の違いにかかわらず植物性食品の摂取は冠動脈心臓病の予防に有効であると研究者らは考えています。

【文献】
Menotti, A. et al.: Food intake patterns and 25-year mortality from coronary heart disease: cross-cultural correlations in the Seven Countries Study. The Seven Countries Study Research Group. Eur. J. Epidemiol., 15: 507-515. (1999)




□ 文献紹介:子宮内膜ガンに対する食物繊維の効果

 イタリアの研究チームは子宮内膜ガンに対する食物繊維の効果について調査したところ、不溶性食物繊維の一種であるリグニンに予防効果があると「アクタオンコロジカ」のオンライン版に発表しました。

 イタリアに住む454人の子宮内膜ガン患者群と908人の対照者を対象とした研究から、不溶性食物繊維の一種であるリグニンの摂取量が最大だった群は、最小だった群に比較してガンのリスクが40%低いとが分かりました。

 以上の結果から、研究者らは子宮内膜ガン発症リスクとリグニンの摂取量との間に関係が深いことに注目する必要があると述べています。

【文献】
Bidoli, E. et al.: Fiber intake and endometrial cancer risk. Acta Oncol. Online Feb 11. (2010)




□ 文献紹介:脳へのブドウ糖供給不足とアルツハイマー病

 アメリカ、ノースウェスタン大学のチームは、循環障害などで脳が十分なブドウ糖を得られないとき、最終的にアルツハイマー病を引き起こす可能性があると「ニューロン」に発表しました。

 研究の結果、脳内にブドウ糖が供給されないとアルツハイマー病発症に関係する翻訳因子である修飾タンパク質(elF2alpha)が生成する可能性があることが分かりました。elF2alphaは、粘着性のタンパク質の塊を生みだす酵素の生成に関わっています。

 こうした結果から、研究者らは、加齢に伴って脳内へブドウ糖が供給されないとelF2alphaが形成されるため、アルルハイマー病が発症するのではないかと考えています。また、ヒトとマウスの脳のどちらにもこのメカニズムが存在すると述べています。

【文献】
O'Connor, T. et al.: Phosphorylation of the Translation Initiation Factor eIF2α Increases BACE1 Levels and Promotes Amyloidogenesis. Neuron, 60: 988-10093 (2008)




□ 果物花便り:札幌市平岡公園の梅林

 札幌市清田区の平岡公園の西地区の梅林には、約1200本のウメが植栽されていて、満開時はピンクの霞がかかったようになり見事な景色となります。例年、梅林の開花期は5月上旬です。

平岡公園のホームページは下記です。
http://www.sapporo-park.or.jp/hiraoka/




□ 文学の中の果物:樹木とその葉−伊豆西海岸の湯(若山牧水)

 東京にてM――兄。
 伊豆の東海岸には御承知の通り澤山温泉があるけれど、西海岸には二個所しかありません。一つはずつと下田寄りの賀茂温泉、一つはいま私の來てゐる土肥(とひ)温泉です。此處には沼津から汽船、二時間足らずで來られます。賀茂にはまだ行つて見ません。至つて開けぬ所ださうで、湯の量は非常に多く、浴用よりそれを使つて野菜の促成栽培をやつてゐるとか聞きました。

 土肥も似たものですけれど賀茂よりましでせう。旅館も七八軒ありますし、村の人家も相當に寄つてゐます。いゝのは冬暖く夏海水浴の出來ることで、困るのは交通の不便です。ことに、この冬季、十二月から二、三月にかけては誠に西風が立ち易く、それが立つと汽船が止り、汽船が止ると殆んど交通杜絶です。船原越修善寺越といふ二つの山道がありますが、餘程脚の達者な者でないと歩けない難道です。一は四里程で船原温泉に出、一は六里程で修善寺温泉に越ゆるのです。二日も三日も汽船が出ないとなると爲方(しかた)がなしに人足を雇つてはその峠へかゝつてゆく女連(をんなづれ)子供連(こどもづれ)の客が見かけられます。

 私はこの五六年、毎年正月元日に此處にやつて來てゐます。朝暗いうちに自宅で屠蘇(とそ)を祝つて、五時沼津の狩野川河口を出る汽船に乘るのです。幸ひと今迄この元日には船が止りませんでした。然し毎年相當に荒れました。私は船に強いので、平氣で甲板に出て荒浪の中をゆく自分の小さな汽船の搖れざまを見てゐます。晴れゝば背後に聳えた富士をその白浪のうへに仰ぐことになります。河口を出て靜浦江の浦の入江の口を横切り大瀬崎の端へかゝると船は切りそいだ樣な斷崖の下に沿うてゆくことになります。十丈二十丈の高さの斷崖の頭の方は篠笹の原か茅(かや)の野になつて居り、その下は殆んど直角に切り落ちて露出した岩の壁です。冬のことで、篠笹原はうすい緑の柔かなふくらみを持つて廣がつて居り、枯茅の野は鮮かな代赭色(たいしやいろ)に染つてゐます。そして岩壁は多くうす赤い物々しい色をして聳えてゐます。

 その眞下に立つ浪の中をゆらり/\と搖れてゆく小さな汽船の姿を想像してごらんなさい。

 正月ごとに私の此處に來ますのは、一つはその時に押懸けて來る所謂(いはゆる)年始客から逃るゝためでもあるのですが、本統はその頃此處に來てゐますと梅の花の咲き始めを見ることが出來るからです。

 年の寒さで多少の遲速はある樣ですが、先づ一月の十日には咲き出します。元日に來て既に庭に咲いてゐるのを見て驚いたこともあります。また、この土地にはこの木が非常に多い。一寸出ても家の垣根とか田圃の畔とか、かすかな傾斜を帶びた山の枯草原などに白々と咲いてゐるのが目につきます。或る古い寺があり、其處の竹藪の中にも咲いてゐます。

 梅の花はなか/\散らないもので、あとの方になるといかにも佗しい褪(あ)せざまを見せて來ます。山櫻の花などとは其處はすつかり違つてゐます。が、その咲き始める時はまことにいゝ。一りん二りん僅かに枝に見えそめた時の心持は全くありがたいものです。毎年のことですが、心がときめきます。

 梅の花と共にこのころ此處に來て眼につくのは橙です。また、夏蜜柑です。これも一軒の家には必ず二三本のその木があり、橙は赤く、夏蜜柑は黄いろく、いづれもぎつちりとあの厚い葉の茂つた木になりさがつてゐるのが見えます。

 この果物の熟れてゐる色はいかにも明るい感じのするもので、一寸散歩しても右に左に見えて居るこの色がさながらにこの土肥温泉の色彩の樣な氣がするのです。




□ フルーツアレンジ:リンゴでアヒル

 今週は、リンゴでアヒルを作るやり方を紹介します。

タイトル
Fruit Carving - Making An Edible Duck Out Of An Apple

下記のサイトをクリックすると音声付き動画が始まります。(音声が不必要な場合は消音してからクリックしてください。)
http://www.youtube.com/watch?v=roRQIVV3gRE




□ 今週の果物

 今週は横浜市の青果物市場に入荷している果物について紹介します。取扱量の多い果物はリンゴ、甘夏ミカン、デコポン、イチゴ、キウイフルーツなどです。

 ウンシュウミカンは静岡産など、甘夏ミカンは熊本、愛媛産、ハッサクは愛媛産、ブンタンは熊本産、「清見」は愛媛、熊本産、「しらぬひ(デコポン)」は熊本、佐賀、長崎産などです。

 リンゴ「ふじ」、「王林」は青森産です。いちご(「とちおとめ」、「さちのか」など)は栃木、長崎産などです。キウイフル−ツは神奈川、佐賀、群馬産などです。ビワ(ハウス)は長崎、鹿児島産です。サクランボは山形産です。メロン(アールスなど)は静岡、熊本産などです。スイカ(ハウス、小玉スイカ)は熊本、茨城、群馬産などです。




☆ 編集部より ☆

 新しい年度になり、メルマガの作成作業環境が大きくかわりました。そのため、出稿が遅れ、申し訳ありませんでした。軌道に乗るまでしばらく時間がかかりそうです。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。(tnk)

 東京は桜が満開です。イベントと言えば果物。旬の中晩柑橘を持って、お花見に行くのもよいものです。桜のピンクと柑橘の黄色の彩りがとてもきれいに映えますよ。(KT)





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