ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」

第44回 果物摂取で骨粗しょう症予防予防


  

      
□□■ 果物&健康NEWS Vol.44 ■□□
   ■   2005年2月4日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
今週は果物摂取で骨粗しょう症予防についてです。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



:::■ メニュー ■:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ 果物摂取で骨粗しょう症予防
 ◇ 食育コーナー
 ◇ 今週の給食レシピ
 ◇ 科学ニュース
 ◇ 編集部より



□ 果物摂取で骨粗しょう症予防

 人の身体を支えている骨の量は、年を経るしたがい自然と減っていきますが、食生活の改善によって骨量の減少を抑制できます。骨の硬さを示す指標に骨密度があります。骨密度とは、単位面積当たりの骨量で、普通の人は、1平方センチメートル当たり約1gです。日本骨粗鬆症学会では、20歳から30歳代の平均的な骨密度を100%とした時に、骨密度が80%になると「注意」、70%で「警告」としています。骨密度が低下すると、骨粗しょう症となり、腰痛があらわれたり、骨折しやすくなります。女性は、ホルモンの関係から閉経期以降、急速に減少していきますので、特に注意が必要です。

 骨の主要成分は、カルシウムとリンで、若年期にカルシウムの摂取量が多いと、老人になったとき、骨粗しょう症のリスクが少なくなると報告されているので、カルシウムの多い牛乳の摂取が推奨されています。

 近年、骨密度を高めるには、牛乳だけでなく果物の摂取も効果的であることが分かりました。月経閉止前の45才から49才のイギリス人女性994人を調査したところ、果物と牛乳の摂取が少ない女性では、摂取量の多い人に比べ、骨密度が低いと報告され、食物繊維や亜鉛、マグネシウム、カリウムの摂取が多い人では、骨密度が統計的に有意に高いことが分かりました。さらに、アメリカにおいて69才から93才の907人を対象とした疫学調査において、肉食とパンを主に摂取するグループ、キャンディーの摂取が多いグループ、果物と野菜・穀類の摂取が多いグループなど、食習慣に従って6タイプに分類して解析した結果、男性では、果物と野菜の摂取量が多いと骨密度の低下が抑制されると報告されました。

 果物に含まれているカルシウムの量はそれほど多くないのに果物を摂取するとなぜ骨粗しょう症を予防できるのでしょうか。茨城キリスト教大の板倉弘重教授のグループが、55歳前後の女性12人を対象にレモン摂取と骨密度との関係を明らかにしています。女性を2つのグループに分け、どちらにもカルシウムの多い食事をしてもらいましたが、一方のグループにだけ、1日1個のレモン(おおよそ4〜5グラムのクエン酸)を摂取してもらいました。すると、3ヵ月後、レモンなしのグループの骨密度が0.5%下がったのに対し、レモンを摂取したグループでは0.7%上昇していました。この結果から、クエン酸には、カルシウムの吸収を助ける働きがあることが分かりました。また、果物にはマグネシウムやカリウムなどのミネラルやビタミンをバランス良く含み、食物繊維も多いため、果物を摂取していると年齢が高くなっても骨密度が維持されるのではないかと考えられます。

 以上のように、意外にも、果物を多く摂取すると骨粗しょう症の予防に効果があります。




□ 食育コーナー

 子供たちのための「バーチャル未来科学館」の「リンゴの育種について」 を紹介します。新しいリンゴの品種が作られるまでを写真を使って説明しています。サイトを運営しているのは秋田県企画振興部学術国際局科学技術課です。
 http://www.pref.akita.jp/kagaku/2f/nousan/2/menu1/a.html




□ 今週の給食レシピ

○ トリ肉のレモンづけ

 兵庫県赤穂市給食センターの人気メニューのひとつだそうです。このメニューと一緒に、たきこみごはん、かにボールスープと、小学校ではミニトマト、中学校では白桃缶がだされました。
・材料(4人分)
 トリ肉 400g、レモン汁 6cc、塩 少々、こしょう 少々、でんぷん 適量、こいくちしょうゆ 17cc、砂糖 27g水 4cc、揚げ油
 作り方とできあがりの写真は下記のサイト
 http://www.city.ako.hyogo.jp/kyusyoku/20040510index.html

○ ある日の給食メニュー

 青いレモン、おいもごはん、サンマの塩焼き、いそべあえ、にゅう めん、ヨーグルトゼリー。レモンはサンマの塩焼きとヨーグルトゼ リーに使ったとのこと。
 http://www.dokidoki.ne.jp/home2/kanayama/menu14/1016.htm




□ 科学ニュース

 体内には、睡眠や覚醒、血圧や体温の変動、ホルモン分泌といった生理機能の24時間リズムを管理している体内時計があります。このリズムが乱れると、不眠症やうつ症状、時差ボケ、登校拒否症や痴呆症と関係する夜間徘徊などが知られています。

 体内時計は体内の昼夜のリズム(体内リズム・概日リズム)を作り出す仕組みで、これまでに16個の遺伝子が知られていました。そこで、理化学研究所のグループは、ラットの細胞を使って、試験管内で体内リズムを測定できる実験系を作成し、遺伝子の機能を調べました。その結果、朝に活性化する9つの遺伝子、昼に活性化する7つの遺伝子、夜に活性化する6つの遺伝子を突きとめました(1つの遺伝子に重複して活性部位があるため合計値は一致しません)。この結果をもとに、朝に活性化する遺伝子(塩基配列)を不活性化させると、すべての時計遺伝子の機能が弱くなりました。一方、夜に活性化する遺伝子(塩基配列)を不活性化すると夜に働く遺伝子のみが弱くなり、昼に活性化する遺伝子にはほとんど影響がなかったと報告しています。

 以上のことから、朝になると活性化する9つの遺伝子(塩基配列)が体内時計の心臓部を制御していると考えられます。この実験結果は、体内リズムの変調によってひきおこされる様々な疾患の治療や予防に大きく道を開くものと期待されます(Ueda, HR, et al., System-level identification of transcriptional circuits underlyingmammalian circadian clocks. Nature Genetics, advance online publication Letters)。




☆ 編集部より ☆

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