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第92回 アメリカでガンによる死亡者数が減少

  



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□□■ 果物&健康NEWS Vol.92 ■□□
   ■   2006年3月3日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は「アメリカでガンによる死亡者数が減少」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



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 ◇ アメリカでガンによる死亡者数が減少
 ◇ 今週のレシピ:桃花酒
 ◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第31回)
 ◇ 品種紹介:モモ「あかつき」
 ◇ 果物の歌:春よ来い
 ◇ 花便り:湯島天満宮と越生梅林
 ◇ 編集部より



□ アメリカでガンによる死亡者数が減少

 アメリカにおいてガンは心臓疾患の次に多い死亡原因です。アメリカガン学会(American Cancer Society)が公表している今年のレポート(Cancer Facts & Figures 2006:文献1)によると、2003年の死亡者数が1930年の統計を取り始めて以来、初めてわずかですが減少したと報告しています。死亡率については1991年以降低下していましたが、死亡者数は高齢化および人口増加により2003年まで増加を続けていました。

 2002年のガンによる死亡者数は557,271人でしたが2003年には556,902人と369人減少しました。このことについてアメリカガン学会疫学とサーベイランス部会副会長Micheael Thun博士は、「ガンによる死亡者数の減少は画期的な事件である」と述べています。さらに続けて「研究は進展しているが、これからも非常に長い道のりである。」と言っています。

 今回低下がみられた背景は、ライフスタイルの改善、早期発見、治療方法の進歩など、いくつかの要因が複合的に作用しているとしています。1995-2001年のガン患者の5年生存率は65%で、それ以前(1974-1976年)の50%と比較して生存期間が延長しました。ガンの死因の1位である肺ガンは、男性では発症率、死亡率ともに低下が続いていますが、女性では発症率は横ばい、死亡率は上昇しています。乳ガンの死亡率は1990年以来低下しています(年平均2.3%減)。結腸ガンの死亡率は20年以上にわたって減少しています(年平均1.8%減)。小児ガンによる死亡率は1975年から48%低下しており、5年生存率も1970年以前の50%未満から現在は80%まで伸びています。

 同レポートで、ガンによる死亡原因の約三分の一はライフスタイル(栄養、運動、肥満)と関係している述べています。そのため、ガンのリスクを下げるため栄養の改善と運動が大切であるとしています。アメリカガン学会は、科学的根拠に基づき栄養を改善するためには植物起源の食品の摂取を推奨しています(文献2)。具体的には以下の通りです。

 1)毎日、果物と野菜を5サービングかそれ以上摂取すること。
 2)加工した穀類や砂糖に代えて全粒穀類を摂取すること。
 3)赤肉、特に高脂肪肉や加工した肉の摂取を控えること。
 4)健康的な体重を保つように食品を選ぶこと。

 以上のことを行えば、ガン予防だけでなく心臓病や糖尿病など生活習慣病予防にも効果的であるとレポートは述べています。

 アメリカではガン予防のために果物と野菜の摂取を推奨する「5 A DAY」運動が行われており、最初に、10万人当たりのガンの死亡率が減少し、次いで罹患率が下がりました。しかし、アメリカでもガンによる死亡者数の実数はなかなか減りませんでしたが、わずかですが今回、実数も減少しました。

 我が国でも、アメリカの「5 A DAY」運動にならって「毎日くだもの200グラム運動」等が行われています。まだ果物の消費を伸ばし、ガンの死亡率を下げるところまで至っていませんが、希望を与えてくれる結果です。

【文献】
1) American Cancer Society: Cancer Facts & Figures 2006. pp1-54. American Cancer Society, Atlanta, USA. (2006)

2) Byers, T., et al. & ACS 2001 Nutrition and Physical Activity Guidelines Advisory Committee: American Cancer Society guidelines on nutrition and physical activity for cancer prevention: Reducing the risk of cancer with healthy food choices and physical activity. CA Cancer J. Clin. 52: 92-119. (2002)




□ 今週のレシピ:桃花酒

 桃の花とお酒の意外な組み合わせですが、奈良時代には3月3日の桃の節句に、桃の花をお酒に浸した桃花酒を飲む風習があったそうです。桃花酒を飲むと300 歳もの長命が得られるとの言い伝えがあるそうです。

桃花酒の蘊蓄(うんちく)は下記のサイトで読むことができます。
http://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/
article.php?articleid=474





□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
第31回 剪定の実際 − モモ:若木の剪定の注意点


1〜3年目の剪定
 若木(幼木期)を剪定し、望の樹形にする過程で、特に注意しておきたい点は、幹から主枝を出す角度(分岐角度という)です。分岐角度(発生角とも言う)が狭いと枝や果実の重みあるいは物理的な衝撃で主枝が裂けやすく、また広過ぎると枝葉や果実の重みで枝が開きすぎて後々困ります。そのためには支柱などを添えて、ある程度正確に誘引する必要があります。

 主枝では基の方から発生したものが強く、上になるに従って弱くなるので、上位の主枝には枝(側枝)を多めに付け勢いを持たせます。また、3本の主枝の勢いを5年生位から揃うように、初めの頃は特に上位の主枝を元気にするように枝(側枝)を多めとします。

 亜主枝は主枝より必ず弱い枝になるようにします。主枝候補が2〜3年経過した頃から亜主枝候補になる枝を選びます。

3〜5年目の剪定
 3年目以降も主枝先端は充実した外芽で切り返し、樹の拡大を図ります。この樹齢では沢山の結果枝が得られ果実が成り始めますが、果樹農家などでは結実よりも骨組み作りを優先させる剪定を行います。ただ庭先では果実が成るのを楽しみながら樹を育てましよう。 亜主枝は主枝より1〜2年遅れて選定し、5年目までに1主枝当たり2〜3本にします。但し、小作りの樹では1主枝当たり1〜2本とし、樹の大きさに合わせます。

 主枝・亜主枝は、骨格形成と成長を優先させます。側枝には1年枝と2年生以上のものもあるので、主枝・亜主枝のじゃまにならないよう、間引きなどを行い形を整えます。

まとめ
 若木は、1〜3年目位までは主枝、亜主枝を作り、3〜5年目では果実を楽しみながら樹の形を整える整枝・剪定を行うようにします。




□ 品種紹介:モモ「あかつき」

 1952年に「白桃(はくとう)」と「白鳳(はくほう)」を交配してできた品種です。果汁が多く、果肉は溶質ですがしまり、日持ち性は良好です。糖度は12〜14%、酸味は少なく、品質は現在の主要品種の中でもトップクラスです。

「あかつき」の花や果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-akatsuki.html





□ 果物の歌:春よ来い

 相馬御風作詞、弘田龍太郎作曲の「春よ来い」の2番で「ももの木の つぼみもみんな ふくらんで」と歌われています。作詞の相馬御風は新潟県糸魚川の生まれです。この歌を聞くと北国の人々が春の来るのを待ち焦がれている気持ちが伝わってきます。蛇足ですが、相馬御風は早稲田大学の校歌「都の西北」も作詞しています。

 歌詞と演奏は下記のサイトです。クリックすると演奏が始まりますので、演奏がじゃまな人は消音してからクリックしてください。
http://www.interq.or.jp/japan/k3j/children's%20song/
spring%20song/haruyokoi.htm





□ 花便り:湯島天満宮と越生梅林

○ 湯島天満宮(湯島天神)
 東京都文京区湯島にある湯島天満宮(湯島天神)は、学問の神様菅原道真を祭る梅の名所です。梅まつりは2月8日〜3月8日(入園無料)です。約300本(9割が白梅「白加賀」)ある梅の木の樹齢は70年〜80年です。今年は開花が遅く3月上旬が見頃とのことです。

梅祭りのトップページは下記です。
http://www.yushimatenjin.or.jp/pc/ume/
園内の梅の地図は下記にあります。
http://www.yushimatenjin.or.jp/pc/ume/f_baien.htm

○ 越生梅林
 埼玉県越生(おごせ)町の越生梅林の梅まつりは2月18日(土) 〜3月26日(日)までです(2/27現在の開花状況:つぼみ、見頃は3月25日頃)。越生梅林は、関東三大梅林に数えられ、約2ヘクタールの園内には、「白加賀」、「越生野梅」、「紅梅」など約 1000本の梅の木が植えられています。梅まつりには毎年大勢の観梅客で賑わいます。入園料は200円です。

問い合わせ先:越生町観光協会電話049-292-3121内線142
http://www.town.ogose.saitama.jp/bairin/bairin.htm
園内で行われた催し物と梅の花の写真
http://www.town.ogose.saitama.jp/bairin/butai02.jpg




☆ 編集部より ☆

 トリノ冬季オリンピック・女子フィギュアスケートで荒川静香選手が金メダルを取りました。「トゥーランドット」の調べに乗った演技には感動しました。笑顔もとても良かった。でも、ここまで来る過程にはバッシングや悩みもあったといいます。果物&健康NEWSが3年目に入りました。ご愛読に感謝申し上げます。「果物を食べて健康に」のメルマガの目標が荒川選手のようにいつか叶う日が来ると信じて続けていきます。(tnk)

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