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第93回 キッズQ:どうして果物を食べる必要があるの?

  



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□□■ 果物&健康NEWS Vol.93 ■□□
   ■   2006年3月10日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
特集は「キッズQ:どうして果物を食べる必要があるの?」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



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 ◇ キッズQ:どうして果物を食べる必要があるの?
 ◇ 今週のレシピ:リンゴ
 ◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする(第32回)
 ◇ 品種紹介:リンゴ「こうたろう」
 ◇ 果物の歌:年下の男の子
 ◇ 花便り:箕郷梅林
 ◇ 3月15日はオリーブの日
 ◇ 編集部より



□ キッズQ:どうして果物を食べなくてはいけないの?

 果物は美味しいからだけではなく身体に必須の食品なので沢山食べてほしいと思います。どの位の量を食べればいいかというと、おおざっぱな言い方になりますが、ほとんどの人は今の量を倍にする必要があります。果物は、野菜と同様に毎日食べる必要のある健康によい食事の基礎となる食品であると科学的研究から立証されています。

 野菜の摂取量が不足していることについては多くの人が知っていまが、果物の摂取量不足についてはあまり知られていません。食事バランスガイドの必要量から見ると果物の充足率は野菜よりも低いのです。例えば、国民栄養調査(平成15年度)によると、野菜と果物の摂取量が少ない20-29才の人は、野菜を1日当たり249.3g、果物を73.7gしか食べていません。野菜の1日当たりの必要量を350g-420gとすると充足率は59.4-71.2%、果物の必要量を200gとすると充足率は36.9%です。

【果物は健康のために戦います】
 果物には人に不可欠の栄養素であるビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれているだけではなく、ポリフェノールなど様々なファイトケミカル(植物由来の機能性成分:次週で詳しく説明)も豊富です。このため果物を毎日たっぷり食べると疾病のリスクを下げることが期待できます。例えば、アメリカでは果物と野菜を中心とした食生活に改善する「5 A DAY」運動が行われて大きな成果を上げ、ガンの死亡者総数、死亡率、発症率のすべてが減少しました。

【果物とガン予防】
 果物や野菜は、多くのガンに対して発症リスクを下げることが明かになり、こうした効果を持つ食品は他にないことも分かりました。そのため、「5 A DAY」運動が始まりました。ただ、何故、果物の摂取でガンのリスクが下がるのかについては、まだ特定されていません。とはいえ、多くの医学的研究から果物を摂取しているとガン発症のリスクが低くなることが分かっています。

【果物と心臓病予防】
 心臓病予防のためには、果物や野菜が豊富で、飽和脂肪とコレステロールが少なく、低脂肪牛乳と全粒穀類の多い食事が有効です。こうした食事は、血圧とコレステロール値を下げることができるだけでなく心臓病発症のリスクを下げることが期待できます。

【果物と高血圧予防】
 高血圧予防のためのには、飽和脂肪、コレステロール、総脂肪を減らし、果物と野菜を多く摂取し、低脂肪牛乳に換えた食事にすると血圧を下げることができます。人に対する医学研究(Dietary Approaches to Stop Hypertension eating plan: DASH)では、こうした食事に換えると1カ月以内に血圧が下がりました。

【果物と2型糖尿病予防】
 肥満は2型糖尿病の強い危険因子です。従って、適切な運動とともに、肥満防止のために果物と野菜を中心としたバランスの良い食事を食べることが重要です。

 その他、脳卒中、目の病気である白内障、繊維質の少ない食事や水分の摂取不足で起きる憩室症(けいしつしょう:風船状の袋が大腸などに多数できる疾病)、肺疾患、骨粗しょう症などでも果物摂取の有効性について科学的に次々と実証されています。

 以上の理由から、毎日くだもの200グラム以上食べる必要があります。


 次回の特集は「キッズQ:どんな果物をどう食べたらいいの?」です。




□ 今週のレシピ:リンゴ

○ 豚リンゴ
 リンゴと豚肉の甘いお惣菜です。お稽古事のパーティーなどのメニューに良いとのことです。

材料
 リンゴ(あれば「紅玉」)2個、豚肉(ロース薄切り) 12枚位、トマト水煮缶 1缶、白ワイン(料理酒でも可)、たまねぎ 1個、塩 適量、こしょう 適量、砂糖(適宜)、コンソメ(チキンスープの素) 1個

作り方と出来上がりの写真は下記のサイトで見ることができます。
http://cookpad.com/yuntaro/recipe/88903/




□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
第32回 モモの整枝・剪定の実際


 第19回から続けてきました整枝・剪定も今回が最終回です。前回、若木の剪定についてお話ししましたので、今回は成木の整枝・剪定法の実際です。

【成木の剪定】
 成木の剪定は冬に行います。植え付け後、6年も経過しますと主枝や亜主枝もできあがり大体目標とする樹形になります。成木になると樹が落ち着き、良い果実の成る中果枝や短果枝が多く付きます。この頃の結果枝には、花芽が多く葉芽が少ない枝も多くなります。そのため、枝を切り返す場合は、葉芽を確認し、少ない場合は切り返さずそのまま残して長果枝だけ切り返しをします。

 成木の剪定法は、間引き剪定と切り返し剪定を適度に組み合わせ、果実の沢山成る期間(盛果期)をできるだけ長く保つような樹勢を維持します。側枝の若返りを図るには、側枝が小さくなるように、切り返し剪定をおこないます。それを1本の側枝で見れば、側枝に付いている数本の枝のうちで、できるだけ基部に近い枝を残して更新します。樹齢が進むと主枝・亜主枝が日焼けを生じやすくなるので、弱い側枝などを配置し直射日光を避ける様にし、場合によっては石灰乳などを塗って日焼け防止に努めます。

 土壌には有機物の補給や結実量に合った施肥などを行い樹勢強化を図ります。

【夏期(剪定)新梢管理】
 冬季の剪定だけで樹形の維持は困難です。生育期間中に行う芽かき、摘心、捻枝、誘引及び収穫前の一部枝抜き、収穫後の側枝の切り返し、新梢の間引きなど新梢管理を総合的におこなう必要があります。

 主枝・亜主枝の上側、大枝の切り口などから発生する新梢で徒長枝となりそうな太目のものは早めにかき取るか、5〜6月に捻枝を行って生育を抑えておきます。主枝・亜主枝の延長枝は十分に成長させるために延長枝と競う新梢は除去するか捻枝を行って成長を抑えます。

 新梢が樹冠内部に密生し過ぎると日照や風通しが悪くなるので、著しく妨げになるような発育枝などは誘引あるいは間引きなどを行います。そして、翌年の結果枝となる新梢の充実を図るため、側枝の切り返しや過繁茂の新梢の間引きを行います。

 果樹栽培では年間を通じての管理が大切です。その中でも剪定は大切なものですが、剪定のためには結果習性を良く理解することが重要です。結果習性に合った管理が出来るようにしたいものです。

 果樹の整枝・剪定についてお話ししてきましたが、お分かりいただけたでしょうか。ご質問があればkudamono_kenkou@nm.maff.go.jpまでお寄せ下さい。また、本欄で取り上げてもらいたい樹種や技術についても受け付けていますので、何なりと連絡下さい。




□ 品種紹介:リンゴ「こうたろう」

 2001年10月18日に品種登録された新品種「こうたろう」は、「ふじ」に「はつあき」を交雑して育成した中生系統です。果皮は濃赤色で着色・外観が優れています。果実には芳香があり、甘く、食味も良好です。果実はやや小さ目ですが豊産性です。

「こうたろう」の育成経過、果実の写真は下記のサイトで見られます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/ikuseihinsyu/
data/hinsyu/cu-kotaro.html





□ 果物の歌:年下の男の子

 千家和也作詞、穂口雄右作曲の「年下の男の子」は1970年代を代表する女性アイドルグループ・キャンディーズが昭和50年(1975)に歌った曲です。歌いだしは「真赤なリンゴをほおばる」です。グループ三人のうち田中好子さんと伊藤蘭さんは、今は女優としてNHK朝のドラマ「ちゅらさん」、「こころ」などで活躍しています。平成18年豪雪と命名された厳しかった冬も終わり、「雪が溶けて川になって ・・・もうすぐ春ですね」(「春一番」)。

歌詞は下記のサイトにあります。
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=36269




□ 花便り:箕郷梅林

 東日本随一の規模を誇る箕郷(みさと)梅林は、榛名山南麓、関東平野を一望する標高140から390メートルの丘陵に広がっています。面積300ヘクタールに10万本の梅の木が植えられています。ウメの花は3月3日の時点ではつぼみなのでこれからでも十分に楽しめます。
交通アクセスは、JR高崎線高崎駅からバス30分徒歩30分です。

問い合わせ先:高崎市箕郷支所地域振興課、電話番号:027-371-5111
http://www.city.takasaki.gunma.jp/shisho/
misato/kanko/ume/index.htm





□ 3月15日はオリーブの日

 1950(昭和25)年3月15日、昭和天皇が小豆島でオリーブの種をお手撒きになったこの日をオリーブの日としています。小豆島オリーブ公園で3月10〜15日にオリーブウィークの記念行事が行われます。

小豆島のオリーブの木は下記のサイトで見られます。
http://www.shodoshima.or.jp/event/olivenohi.htm
道の駅小豆島オリーブ公園のホームページは下記です。
http://www.olive-pk.jp/




☆ 編集部より ☆

 関東地方では3月6日に春の訪れを告げる春一番が吹きました。果樹研究所では、最初にウメの花が咲いて、次にモモ、ナシ、リンゴ、クリの花が咲きます。(tnk)

 毎月8日は、「果物の日」です。全国柑橘宣伝協議会と落葉果実宣伝協議会が子供の果物離れを防ぐため、おやつに果物をということで「おやつ(8つ)」の語呂あわせで、1998年に制定しました。
 果物を毎日食べる習慣がない方はまず、毎月8日の「果物の日」には必ず果物を食べるようにしてみてはいかがですか?(sk)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
 無断転載は、引用を含めて、お断りします。
 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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