毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.14 ■□■ 2012年1月20日(金)配信
あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 読者の皆様からのメールをお待ちしております。
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本日のメニュ−
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・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ミカン ・ くだもの広場:日本人は果物を食べていない? ・ 文献紹介:糖類は抗生物質の強力な助っ人
・ 文献紹介:エネルギー摂取におけるタンパク質の役割 ・ 花実好きの家庭果樹だより:万両 ・ 文学の中の果物:相撲(寺田寅彦) ・ くだものいちば ・ 編集部より
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■ 季節の便り
蜜柑の香染みたる指を洗はずに − 山口誓子
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■ くだものレシピ:ミカン
○ サワーシトラスサラダ
ビタミンバランスの良いサラダは、色合いも鮮やかで食欲をそ そります。
材料(2人分) ミカン(缶詰)固形量 100g、リンゴ 1/2個、タマネギ(みじん ぎり) 1/8個、ミントの葉 少々、など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamono200.or.jp/recipe/cooking/salad_03.html
○ フルーツティー
甘みと酸味がベストバランスな紅茶。お好きなくだもので試し てみてください。
材料(2人分) 紅茶(ティーパック)
2個、ミカン 1個、リンゴ 1/4個、ブド ウ 3〜4粒、キウイフルーツ
1/2個、など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamono200.or.jp/recipe/cooking/drink_05.html
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■ くだもの広場:日本人は果物を食べていない?
くだもの大好きのモモちゃんが、なにか聞きたそうな顔で博士のと ころへやって来ました。
モモ:こんにちは。世界で一番くだものを食べている国はどこですか。 もちろん日本ですよね。 博士:こんにちは。残念ながら日本じゃないんだ。日本は世界の先進 国の中では一番少ないんだよ。
モモ:えー、ホントですか。どこの国が多いんですか。 博士:ヨーロッパの国々なんだ。ギリシャがトップで日本の3倍くら い食べているんだよ。ほかのヨーロッパの国も日本の2倍以上 食べているんだ。
モモ:ヨーロッパの国はどうしてそんなに多いんですか。 博士:日本では野菜をくだものの3倍くらい食べているけど、ヨーロ ッパでは野菜よりもくだものを多く食べている国が多いんだよ。 日本ではくだものはおやつに食べるけど、ヨーロッパではくだ ものがサラダや炒め物、パイになったりして、野菜と同じ食事 になっているんだね。
モモ:くだもの好きのあたしにはうらやましいかぎりですね。 博士:日本も国民平均だから少ないけど、モモちゃんならギリシャ並 みの水準かもね。朝のコップ一杯の100%果汁とりんご半分、 おやつのみかん一個程度だから。欧米のように料理の食材にい ろいろ使われればもっと食べるんだけどね。
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■ 文献紹介:糖類は抗生物質の強力な助っ人
アメリカ、ボストン大学の研究チームは、抗生物質に糖を添加す ると感染症の治療効果が飛躍的に向上すると、科学雑誌「ネーチ ャー」に報告しました。
研究では、抗生物質にブドウ糖、果糖や糖アルコールなどの糖類 を添加し、その併用効果を調べました。その結果、多様な感染症 (たとえば、ブドウ球菌、連鎖球菌、結核、尿路感染症など)の治 療効果が劇的に向上することが分かりました。
新薬の開発には長い時間と高いコストがかかりますが、この発見 は既存の抗生物質の効果を高めるので安価に治癒を行えるだけでな く、医療費の削減にもつながると考えられています。
研究者らは今後、世界中で毎日4700人の患者が死亡するとされて いる結核の治療薬への糖類添加効果についてさらに研究を続けると 語っています。
【文献】 Allison,
K.R. et al.: Metabolite-enabled eradication of bacterial persisters by
aminoglycosides. Nature, 473: 216?220. (2011) [doi:
10.1038/nature10069]
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■ 文献紹介:エネルギー摂取におけるタンパク質の役割
オーストラリア、シドニー大学などの国際研究チームは、肥満予 防には適切な量のタンパク質を摂取することが有用であると「科学 公共図書館報:ワン」に報告しました。
研究では、健康でやせている男性6人と女性16人を対象に、タン パク質含有量の異なる食事(1日3食)がエネルギー摂取量に与える 影響について調査を行いました。その結果、15%のタンパク質をと った被験者に比べて、10%のタンパク質を含む食事をとった被験者 は4日間で12%多くのエネルギーを摂取し、その増加したエネル ギー摂取量の70%は、間食によるものであることが分かりました。
一方、タンパク質含有量が25%の食事をした被験者と15%の食事 の被験者では、摂取したエネルギー量に違いは見られませんでした。
人はタンパク質への強い欲求を有しているため、脂質や炭水化物 に対するタンパク質の割合が少ない食事では、その食欲によって過 剰なエネルギー摂取が促進され、体重増加リスクが高まると、研究 者らは考えています。そのため、肥満予防には食事から適切な量の タンパク質の摂取量が必要であると結論づけています。
【文献】 Gosby,
A.K. et al.: Testing Protein Leverage in Lean Humans: A Randomised
Controlled Experimental Study. PLoS ONE, 6: e25929. (2011)
[doi:10.1371/journal.pone.0025929]
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■ 花実好きの家庭果樹だより:万両
ほかに食べものがなくなった冬の野鳥の食糧ですが、美味しくない ようでナンテンやセンリョウの実より後に食べられます。
万両の赤い実の写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K014phto1.html
食べられると我が家の金運が消えるようで寂しいのですが、いいこ ともあるのではと諦念しています。(花実好き)
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■ 文学の中の果物:相撲(寺田寅彦)
大学生時代に回向院(えこういん)の相撲を一二度見に行ったよ うであるがその記憶はもうほとんど消えかかっている。ただ、常陸 山、梅ヶ谷、大砲、朝潮、逆鉾(さかほこ)とこの五力士のそれぞ れの濃厚な独自な個性の対立がいかにも当時の大相撲を多彩なもの にしていたことだけは間違いない事実であった。それぞれの特色あ る音色をもった楽器の交響楽を思わせるものがあった。皮膚の色ま でがこの五人それぞれはっきりした特色をもっていたような気がす るのである。これとは直接関係のないことであるが、大学などでも 明治時代の教授たちには、それぞれに著しくちがったしかもそれぞ れに濃厚な特色をもった人が肩を比べていたような気がするが、近 ごろではどちらかと言えばだんだん同じような色彩の人ばかりがそ ろえられるといったような傾向がありはしないかという気がする。 これは自分だけのひが目かもしれないが、しかしそうなるべき理由 はあると思われる。昔は各藩の流れをくんで多様な地方的色彩を帯 びた秀才が選ばれて互いに対立し競争しまた助け合っていた。しか し後にはそうではなくて先任者が順々に後任者を推薦し選定するよ うになった。従って自然に人員の個性がただ一色に近づいて来ると いう傾向が生じたのではないかという気がする。どちらがいいか悪 いかは別問題であるが、昔の人選法も考えようによってはかえって 合理的であるかもしれない。学風の新鮮を保ち沈滞を防ぐためには やはりなるべく毛色のちがった人材を集めるほうがかえっていいか もしれないのである。同じことは他のあらゆる集団についても言わ れるであろう。
それはとにかく、ある時東海道の汽車に乗ったら偶然梅ヶ谷と向 かい合いの座席を占めた。からだの割合にかわいい手が目についた。 みかんをむいて一袋ずつ口へ運び器用に袋の背筋をかみ破ってはき れいに汁を吸うて残りを捨てていた。すっかり感心して、それ以来 みかんの食い方だけはこの梅ヶ谷のまねをすることにきめてしまっ た。
ラジオの放送を聞きながらこんな取り止めもないことを考えてい たのであった。
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■ くだものいちば
今回は京都市中央卸売市場に入荷している果物について紹介しま す。取扱量の多い果物はミカン、リンゴ、イチゴ、パイナップル、 バナナなどです。
ウンシュウミカン(早生温州、普通温州)は和歌山産です。ネーブ ルオレンジは和歌山、アメリカ産、いよかん(宮内)は愛媛産、は っさくは和歌山産、せとかは宮崎産です。 レモン、グレ−プフル−ツはアメリカ産、ユズは徳島、高知産です。
リンゴ(ジョナゴ−ルド、ふじ、王林)は青森産です。
イチゴ(あまおう、など)は福岡産などです。
バナナ、パイナップルはフィリピン産です。
カキ(富有)は福岡産です。 キウイフル−ツ(ヘイワ−ド)は福岡、大分、ニュージーランド産 です。
メロン(アールスなど)は静岡、高知産などです。 スイカは高知産などです。
「今週の果物」は下記の青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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編集部より
科学雑誌「ネーチャー」に報告された糖の添加で治療効果が向上 の論文に注目しています。今後の研究の進展が期待されます。また、 肥満予防にはタンパク質、脂質、炭水化物の割合が重要であること も裏付けられました。寺田寅彦のエッセーも興味深く読みました。(tnk)
福島産の蜂屋柿の皮を剥いて吊しておいた干し柿を正月に食べて みました。まだ、半乾燥だったのですが、甘さが濃縮され美味しか ったです。砂糖のない時代の貴重な甘味だったろうと想いを巡らし た次第です。(HK)
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