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くだもの&健康ニュース Vol.19
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□■□ くだもの&健康ニュース Vol.19
■□■ 2012年3月30日(金)配信

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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:パイナップル
・ くだもの広場:果物のカロリーは昔より高くなったんですか?
・ 文献紹介:プルーンは骨密度を改善
・ 文献紹介:カンキツ系果物は女性の脳卒中リスクを下げる可能性
・ 花実好きの家庭果樹だより:アンズ
・ 文学の中の果物:葛飾土産(永井荷風)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:パイナップルの原生地と伝播
・ 果物花便り:第39回筑波山梅まつり
・ 読者からのお便り:編集の方へ
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  梅が香にのっと日の出る山路かな
    − 松尾芭蕉

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■ くだものレシピ:パイナップル

○ 豚肉とパイナップルの炒め物

  豚肉と缶詰のパイナップルを使った、簡単炒め物です。子供も
 大好きです

材料
 パイナップルの缶詰 小一缶(輪切りで4つ)、豚肉(薄切り)
200グラム、醤油 小さじ1杯、塩コショウ 少々、酒 大さじ1杯

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/579071

○ パイナップルのエスニックチャーハン

パクチーとナンプラーが味の決めて

材料
 パイナップル 1/2個、海老 80g、ベーコン 3枚、パクチー 1本、
卵 1個、レーズン 大さじ2杯、ニンニク(薄切り) 1片、ナンプ
ラー 大さじ1杯、冷ご飯 300g、など

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/1631644

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■ くだもの広場:果物のカロリーは昔より高くなったんですか?

 血糖値を気にしている果物好きの爺さんが、心配そうに博士のとこ
ろにやって来ました。

爺さん:こんにちは。病院の先生から今の果物は昔より甘くなってい
   てカロリーが高いから気を付けて食べるようにと言われたんで
   すが、本当ですか。
博士:こんにちは。確かに果物は昔より甘くておいしくなっています
   が、カロリーはほとんど増えていないんですよ。

爺さん:どれくら増えていますか。
博士:日本食品標準成分表の四訂版(1982年)と五訂版(2000年、
   2010年版も同じ数値)の比較では、100g当たりで、うんしゅう
   みかんのカロリーは44kcalから46kcalに、りんごは50kcalが54kcal
   になっている程度だね。

爺さん:ほとんど増えていないんですね。でも、ここ20年ぐらいでもの
   すごく甘くておいしくなっているような気がしますが。
博士:そのとおりですが、甘さや美味しさは、酸味や、糖と酸の比率、
   歯ごたえ(肉質)などで決まるんですよ。
   だから、糖度が1度上がっても格段に甘く感じるのですが、100g
   当たりでは糖が1g増えるだけでカロリー換算では4kcal増える
   だけなんですよ。

爺さん:制限カロリーが1600kcalの場合、うんしゅみかん1個分の増
   加分4kcalはその400分の1だからほとんど問題にならないですね。
   病院の先生に教えてあげなきゃね。
博士:日本糖尿病学会が作成した患者のための食事摂取基準でも、
   みかんなら1日2個(200g)食べるように勧められていることもね。

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■ 文献紹介:プルーンは骨密度を改善

 アメリカ、フロリダ州立大学の研究チームは 、プルーンは閉経
後の女性の骨の健康を改善すると「イギリス栄養学雑誌」に発表し
ました。

 研究では、閉経後の女性を対象に12カ月以上にわたって調査が行
われました。55人の女性に一日100グラムのプルーン(約10個)を摂
取してもらい、100グラムの乾燥リンゴを摂取してもらった対照群
の女性45名と比較しました。そして、すべての参加者にカルシウム
とビタミンDのサプリメントを摂取してもらいました。

 その結果、プルーンの摂取群では、骨密度が有意に高い値を示し
ました。この理由として、研究者らはプルーンが骨の再吸収の促進
あるいは骨破壊を抑制したためと考えています。

 閉経後の最初の5年間で女性の骨密度は急速に低下していきます。
また、65歳を過ぎると男性も骨密度が低下します。そのため、プ
ルーンの摂取は効果的と研究者らは述べています。

【文献】
Hooshmanda, S. et al.: Comparative effects of dried plum and
dried apple on bone in postmenopausal women. British J. Nutr.,
106: 923-930. ( 2011)

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■ 文献紹介:カンキツ系果物は女性の脳卒中リスクを下げる可能性

 リンゴやナシの脳卒中予防効果が明らかになっていたので、カン
キツと脳卒中との関係解明が求められていました。そこで、アメリ
カ、ハーバード大学公衆衛生学部などの国際共同研究チームは、約
7万人の女性を14年間追跡調査した結果から、フラボノイド系食品
のうちカンキツ系の果物を摂取する習慣は脳卒中の予防に役立つ可
能性があると医学雑誌「脳卒中」に発表しました。

 研究では、アメリカの大規模追跡調査研究である「看護師研究」
のデータベースから集められた69,622人を対象に4年ごとに食事摂
取頻度調査を行いました。

 フラボノイドはアメリカ農務省のデータベースが使われました。
フラボノイドの主要な6種類の成分、?フラバノン、?アントシア
ニン、?フラバンー3-オール、?フラボノイドポリマーズ、?フラ
ボノール、?フラボンについて、食事からの摂取量を算出しました。

 それぞれのフラボノイド摂取量と脳卒中の発症との関係を調べた
ところ、?フラバノンで最も多い群は少ない群の脳卒中発症リスク
が0.8倍となりました。また、フラバノンの主な供給源であるカン
キツ系食品(オレンジ、グレープフルーツやその果汁ジュース)の摂
取量にもとづいて脳卒中の発症リスクを調べたところ、最も多い群
は最も少ない群の0.9倍でした。

 以上の結果から、研究者らは特定のフラバノンには発症リスクを
下げる傾向があることから、カンキツ系果物は脳卒中のリスクを下
げる可能性があると述べています。

【文献】
Cassidy, A. et al.: Dietary Flavonoids and Risk of Stroke in
Women. Stroke, Oonline Feb. 23, (2012) [doi: 10.1161/?STROKEAHA.111.637835]

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■ 花実好きの家庭果樹だより:アンズ

 春を告げるアンズの花が咲き出しました。
ピンクの花の写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K019phto1.html

 時々、メジロが蜜を吸いに来ます。(花実好き)

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■ 文学の中の果物:葛飾土産(永井荷風)

 談話がゆくりなく目に見る花よりも口にする団子の方に転じた。
東京の都人が食後に果物を食うことを覚え初めたのも、銀座の繁華
と時を同じくしている。これは洋食の料理から、おのずと日本食の
膳にも移って来たものであろう。それ故大正改元のころには、山谷
(さんや)の八百善(やおぜん)、吉原の兼子、下谷(したや)の
伊予紋、星ヶ岡の茶寮(さりょう)などいう会席茶屋では食後に果
物を出すようなことはなかったが、いつともなく古式を棄てるよう
になった。

 わたくしの若い時分、明治三十年頃にはわれわれはまだ林檎(り
んご)もバナナも桜の実も、口にしたことが稀であった。むかしか
ら東京の人が口にし馴れた果物は、西瓜(すいか)、真桑瓜(まく
わうり)、柿、桃、葡萄、梨、粟、枇杷(びわ)、蜜柑(みかん)
のたぐいに過ぎなかった。梨に二十世紀、桃に白桃水蜜桃ができ、
葡萄や覆盆子(いちご)に見事な改良種の現れたのは、いずれも大
正以後であろう。

 大正の時代は今日よりして当時を回顧すれば、日本の生活の最豊
富な時であった。一時の盛大はやがて風雲の気を醸(かも)し、遂
に今日の衰亡を招ぐに終った。われわれが再びバナナやパインアッ
プルを貪り食うことのできるのはいつの日であろう。この次の時代
をつくるわれわれの子孫といえども、果してよく前の世のわれわれ
のように廉価を以て山海の美味に飽くことができるだろうか。

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■ くだものいちば

 今回は新潟市中央卸売市場に入荷している果物について紹介しま
す。取扱量の多い果物はイチゴ、メロン、リンゴ、甘ナツミカン、
バナナなどです。

甘ナツミカンは静岡産など、イヨカンは愛媛産など、ウンシュウミ
カンは岐阜産などです。、
レモン、グレ−プフル−ツはアメリカ産です。

リンゴ(ふじ、王林)は青森産です。
キウイフル−ツ(ヘイワ−ド)は愛媛産などです。

イチゴ(とちおとめ、さちのか、など)は栃木、長崎、愛知産など
です。
メロン(アールス、など)は静岡産などです。

バナナ、パイナップルはフィリピン産です。

「くだものいちば」は下記の青果物市況情報を参考に作成していま
す。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:パイナップルの原生地と伝播

 パイナップルは、パイナップル科アナナス属の多年生草本です。
原生地はブラジル中・南部からアルゼンチン北部およびパラグアイ
といわれています。

 パイナップルは、コロンブスの第二次探検隊により、1493年に西
インド諸島のグアドループ島で発見されました。当時は、すでに中
米、西インド諸島に伝わっていたとされています。16世紀初頭には
しばしばヨーロッパへ果実や植物体が運ばれ、17世紀から18世紀に
かけて当時流行していた温室栽培により栽培されたパイナップルが、
貴族の間でもてはやされたそうです。

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■ 果物花便り:第39回筑波山梅まつり

 第39回筑波山梅まつりは3月31日まで延長されました。
 筑波山梅林は、筑波山中腹(標高約250m)にあり、眼下には山
麓の田園風景や学園都市の街並み、遠くには富士山や都心の高層ビ
ル群まで見渡すことができます。

 園内には、白梅・紅梅・緑がく梅など約1000本もの梅と筑波石の
巨岩が散在し、紅白に染まる梅と筑波石のコントラストが素晴らし
い風景を醸し出します。

 梅まつりにいけなかった方はビデオでお楽しみください。ホーム
ページにあります。

第39回筑波山梅まつりのホームページは下記です。
http://www.umematsuri.jp/

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■ 読者からのお便り:編集の方へ

 今号(メルマガ第18号)に載ったノースウェスタン大の20年に
も渡るコホート研究(ずっと継続したかどうか分かりませんが)に
よって、結果にちょっと残念に思いました。5つの正しい生活習慣
を20年間も守って来たのに、リスクが少なかった部類に入ったひ
とが60%しかいないなんて不思議です。もっと80%位にはなる
かと思っていました。

 ここらあたりの理由について、研究発表者らの感想は書かれてい
なかったでしょうか?ちなみに私はアルコールは純米以上のクラス
を2合に抑えている件は違反ですが。高血圧も塩分の調節努力でほ
ぼ130から150位に治まっています。薬も飲んでいません。
(メルマガネーム:砂町隆)

【編集部より】
 メールありがとうございました。
 紹介論文(「若いうちから健康的な生活習慣の人は40歳すぎても
健康」)のリスク低減効果が小さいのではないかとのご指摘です。
その通りですが、5つの生活習慣を守ったら何もしなければ心臓病
に罹患する人が6割も助かると考えるとどうでしょうか。
 お便りをお待ちしています。

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■ 編集部より

 永井荷風の「葛飾土産」から当時の果物事情がよく分かりました。
今は、バナナも手軽に食べることができます。当時から見ると驚く
ような出来事かもしれません。果物は結構日持ちもするので食卓に
飾り、歴史に思いをはせながら目からも楽しんでください。(tnk)

 うんしゅうみかんに代わって不知火(デコポン)が安く出回っている
ので、皮がむきやすいみかん好きにはみかんのシーズンが続いて
いるようです。(KH)

くだもの&健康ニュース ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  敬白

     編集長 田中敬一 (tnk)


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