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くだもの&健康ニュース Vol.22
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.22
■□■ 2012年5月11日(金)配信

みなさん、こんにちは!
今週はウメ、梅干しの特集です。お楽しみください。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ウメ
・ くだもの広場:昨年収穫したりんごが、どうしていつまでも新
         鮮なまま食べることできるのですか。
・ 文献紹介:アメリカの食事摂取法「マイプレート」
・ 文献紹介:果物、野菜、魚などが中心の食事はパーキンソン病
       のリスクを下げる
・ 花実好きの家庭果樹だより:アンズ
・ 文学の中の果物:茶粥の記(矢田津世子)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:梅干し
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  梅を干す昼照草(ひでりそう)の小庭哉
     − 正岡子規

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■ くだものレシピ:ウメ

○ 冷たい梅のスムージー

 梅とフルーツの美味しいコラボレーション、ひんやり冷たくて美味しい。

材料 ( 2人分 )
 南高梅ジュース(水で4倍希釈したもの)、牛乳 60ml、南高梅ジ
ャム 大さじ1/2杯、バナナ 5切れ、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/1493856

○ 梅酒の梅deパウンドケーキ

1年近く漬け込んだ梅を美味しく復活!

材料
 梅酒の梅 5個、薄力粉 カップ11/4杯、無塩バター 塊の2?、卵
2個、砂糖 大さじ5杯、など。・

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/1787220

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■ くだもの広場:昨年収穫したりんごが、どうしていつまでも新
         鮮なまま食べることできるのですか。

 りんご好きのりん太君が何か聞きたそうに博士のところにやって
来ました。

りん太:こんにちは。去年収穫したりんごが、今の時期になっても
   ボケずに新鮮なまま食べることができるのはどうしてですか。
博士:こんにちは。りんごは普通に置いておくとすぐボケてしまう
   ね。でも、貯蔵技術を工夫したCA貯蔵で新鮮さを保つことが
   できるようになったんだよ。

りん太:どうして新鮮さを保てるんですか。
博士:りんごなどの果物は、収穫後も呼吸していて、この呼吸のた
   め貯蔵成分の糖などを消費し、品質が低下するんだ。だから、
   品質の低下を防ぐには、呼吸を抑えるんだよ。

りん太:どんな方法で呼吸を抑えるんですか。
博士:方法の一つは低温保存(0〜3℃)だ。二つめは、空気の組成
を低酸素(2〜7%)と高二酸化炭素(2〜8%)にするんだよ。
この2つの方法を利用した貯蔵法をCA貯蔵(Controlled Atmosphere Storage)
   というんだ。

りん太:なるほど、果実は収穫した後でも生きているんですね。
   だから、眠ったような状態にして呼吸による消耗を防ぐんで
   すね。
博士:そのとおりだね。

りん太:CA貯蔵は、ほかの果物でも利用しているんですか。
博士:みかんでは異臭の発生もあって使われていないね。生き物相
   手だから温度や空気組成のコントロールがなかなか難しいよ
   うだね。でも、みかんは冷風貯蔵で4月初めまで出荷されて
   いるんだよ。

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■ 文献紹介:アメリカの食事摂取法「マイプレート」

 アメリカ農務省(USDA)は、健康的な食生活を促進するために、
アメリカ人の食事ガイドラインに従ったマイプレート(MyPlate)
を推奨しています。マイプレートは、肥満や生活習慣病を予防・改
善するために、どのような食事をすれば良いのかを分かりやすく視
覚的に示したものです。

●4色のプレート(皿)で栄養バランスを表現

 「マイ・プレート」は、アメリカで1992年に発表された「食品ピ
ラミッド」を発展させたものです。食品ピラミッドでは、アメリカ
人の食事摂取基準を示すものとして、食品を量や重要度に応じ三角
に配置し表示していました。摂取量がもっとも少ないピラミッドの
最上段に脂肪、もっとも多い最下段は穀物となっていました。

 マイプレートは、まるい「プレート(皿)」の絵を表示し、1枚
の皿を4つに色分けしたデザインになっています。含まれている栄
養素ごとに食品を4つのグループに分け、皿に盛った食品を示すこ
とで、バランスの良い食事が視覚的に理解できるようにしてありま
す。

 プレート(皿)の半分を果物と野菜が、残る半分を穀物と蛋白質
が占め、乳製品をあらわす飲み物のマークもプレート(皿)の脇に
添えられています。食事ガイドラインでは果物、野菜、全粒粉、蛋
白質、乳製品の食品群をバランス良くとることを奨励しています。


様々なマイ・プレートが下記に掲載されています。
http://www.google.co.jp/search?q=my+plate&hl=ja&prmd=imvnsa&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=Sp6oT7_OBJGfmQWcrc3hBA&ved=0CIYBELAE&biw=1024&bih=653


○エネルギーバランスを保つ

 適正な体重を維持するために、1日に必要な食事のエネルギー量
を知っておくことが必要です。そうして、エネルギー摂取量とエネ
ルギー消費量のバランスが乱れないようにします。

○食事を楽しく かつ適正な量を

 ゆっくりと時間をかけて食事をします。早く食べたり、別のこと
をしながら食事をすると食べすぎにつながります。自分に必要な食
事の量を知っておき、食前、食中、食後にチェックします。

○プレート(皿)に料理を盛り付けすぎない

 食べすぎを防ぐために、プレート(皿)やボウル、コップは小さ
めのサイズのものを使い、食事の前に料理の盛り付けを工夫します。
外食するときも、小さめのサイズを選び、ふだんの食事の量を思い
出します。

○十分にとりたい食品

 果物や野菜、牛乳や乳製品を十分にとります。これらの食品には、
カリウム、カルシウム、ビタミンD、食物繊維が豊富に含まれてい
ます。

○プレート(皿)の半分に果物や野菜を

 プレート(皿)には赤や黄色/オレンジ、緑色、青/紫色などの
野菜や果物を添えます。

○低脂肪・無脂肪の牛乳や乳製品に変える

 低脂肪・無脂肪乳であれば、カルシウムなどの必須栄養素の量は
同じでも、カロリーや飽和脂肪酸は少なくなります。

○穀類の半分は全粒粉に

 精製された小麦粉など穀類をとる代りに、全粒粉や精白されてい
ない玄米を増やします。

○減らしたい食品

 飽和脂肪酸、添加した糖分、塩分が多く含まれる食品を減らしま
す。これらは、ソーセージやベーコン、ホットドッグ、ハンバーグ
といった加工肉類、ケーキやクッキー、アイスクリーム、キャンディー
などのお菓子、甘い清涼飲料、スナック類やピザなどの加工食品に
多く含まれています。たまにとるのはいいけれど、毎日とるのは良
くありません。

○塩分を減らす

 スープ、パン、冷凍食品などの加工食品は、栄養表示を見て塩分
(ナトリウム)量の少ないものを選びます。アメリカで販売されて
いる缶詰食品には「低ナトリウム」や「減ナトリウム」、「無塩」
といった表示があります。

○糖分を加えた清涼飲料を水に代える

 水か糖分を加えていない飲料を選び、摂取エネルギー量をコント
ロールします。アメリカで販売されている炭酸飲料や清涼飲料、ス
ポーツドリンクの多くは糖分を加えてあるので、飲み過ぎないよう
注意が必要です。


 毎日の食事をより健康的に変えていくために、シンプルで分かり
やすいガイドラインが必要です。1日の仕事を終え帰宅したときに、
ほとんどの人は家事や育児で忙しく、栄養学者と同じように食事の
準備するのは難しいが、子供たちのプレート(皿)を見る余裕はあ
るのではないか。

 どのように食品を組合わせて選べば良いのか、多くの人にとって
分かりにくい。そのため、マイプレートは、プレート(皿)の半分
に果物と野菜をのせ、脂肪分の少ない蛋白質性食品と穀物、低脂肪
の乳製品を適切な量だけ盛りつけます。こうした健康的な食生活を
続けるために必要な知識をシンプルに示したのがマイプレートです。
単に情報を与えるだけでなく、毎日の生活で実用的に活用できるも
のを目指したと農務省の作成者は述べています。

【文献】
マイプレートのホームページUSDA's MyPlate(アメリカ農務省)
http://www.choosemyplate.gov/

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■ 文献紹介:果物、野菜、魚などが中心の食事はパーキンソン病
       のリスクを下げる

 東京大学の研究チームは、日本人を対象とした症例対照研究から、
果物、野菜、魚の摂取量の多い食事パターンの人は、パーキンソン
病のリスクが低いと「ヨーロッパ神経内科学雑誌」に発表しました。

 パーキンソン病は、神経系が徐々に変性していく病気で、筋肉が
使われていないときに起こるふるえ(安静時振戦)や、随意運動が
遅くなること、筋肉の緊張度が高まること(筋硬直)によって特徴
づけられる進行性の疾患です。最終的には日常生活に介護が必要に
なり動けなくなります。また、約半数の患者に認知症が現れます。

 研究では、249人のパーキンソン病の患者と、368人の神経変性疾
患ではない健康な人々の食習慣を比較しました。

 過去1カ月間の食事に関するアンケートの情報に基づいて1日当た
りの摂取熱量で調整された33食品グループの摂取状況から食事パ
ターンを分析しました。その結果、「健康食」「西洋食」「軽い
食事」の3つのパターンが特定されました。「健康食」は、果物、
野菜、魚をはじめ豆類、キノコ、海藻を多く摂取することが特徴で
す。

 食事以外のパーキンソン病の発症に影響する要因で調整後、「健
康食」の傾向が高い人ほど、パーキンソン病のリスクが低くなるこ
とが分かりました。

 「健康食」傾向の強さに従って4群に分け比較したところ、最も
高いグループは、最低グループと比べて、パーキンソン病のリスク
が46パーセント低くなりました。一方、他の2つの食事パターンは
パーキンソン病のリスクと関連しませんでした。

 日本人を対象とした研究結果から、果物や野菜、魚の摂取が多い
「健康的」な食事パターンは、パーキンソン病のリスクを下げると
研究者らは考えています。

【文献】
Okubo, H. et al.: Dietary patterns and risk of Parkinson's
disease: a case-control study in Japan. Eur. J. Neurol., 19:
681-688. (2012) [doi: 10.1111/j.1468-1331.2011.03600.x]

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■ 花実好きの家庭果樹だより:アンズ

 アンズの実がすくすくと大きくなってきました。
青い実の写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K022phto1.html

 成熟前の落果も多いので、無事に収穫できることを祈っています。
(花実好き)

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■ 文学の中の果物:茶粥の記(矢田津世子)

 清子の茶粥は善福寺の老和尚からの直伝である。極上等の緑茶で
仕立てる。はじめっから茶汁でコトコト煮るよりは、土鍋の粥が煮
あがるちょっと前に小袋の茶を入れたほうが匂いも味もずんと上で
ある。この茶袋の入れかげんがまことに難かしい。お粥の煮える音
でそのかげんをはかるので姑はお粥炊きの名人だと感心する。それ
でなおのこと打込んで、いろんなお粥を工夫しては喜ばれる。紫蘇
粥、青豆粥、海苔粥、梅干粥……この梅干のお粥のことは良人が
「味覚春秋」の新年号にも書いたほどである。グツグツ煮えはじめ
た頃合いを見はからって土鍋の真ん中へ梅干を落して、あとはとろ
火で気長に煮あげる。粥は梅干の酸味を吸い出し梅干は程よい味に
ふっくらと肉づいて、なんともいいようなく旨い。サラッとした口
あたりが殊によい、梅干は古いほどよかった。良人の役所の小使が
宝のようにしていたという明治二十六年漬の梅干を拝むように頼ん
で分けてもらったのが今でも大事に納ってある。いつだったか近所
に火事があったとき、良人がこの梅干の小壺を抱えてうろうろして
いた恰好があとあとまで笑い種(ぐさ)になった。

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■ くだものいちば

 今回は大阪市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹介
します。取扱量の多い果物はリンゴ、イチゴ、メロン、スイカ、カ
ンキツ「清見」などです。

リンゴ(ジョナゴ−ルド、ふじ、王林)は青森産です。

カンキツ「清見」は和歌山産など、甘ナツミカンは熊本、和歌山産
など。ハッサクくち和歌山産などです。
温州みかん(ハウスみかん)は高知、和歌山産などです。

ビワは鹿児島産です。ブドウ(デラウェアなど)は山梨、島根産な
どです。

イチゴ(ほのか、あまおう、しずく)は佐賀、福岡、熊本、長崎産
などです。

スイカは熊本産です。メロン(アールス、アンデス、アムス、クイ
ンシーなど)は静岡、高知、熊本産などです。

「くだものいちば」は下記の青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:梅干し

 わが国のウメ栽培は、8世紀頃にかけて広がり、神社仏閣や庭園
等の観賞用として発達しました。梅干しに関する最も古い言い伝え
として、平安時代中期に、村上天皇(在位946〜967)が梅干しと昆
布茶で病を治したという話があります。

 ウメ果実が文献に現れるのは鎌倉時代以降で、梅干しをシソで赤
く染める技術はこの頃にできたと推定されています。鎌倉時代から
室町時代にかけてウメ栽培が次第に普及し、梅干しや、梅干しを作
る際に取れる梅酢は貴重な酸味調味料として利用されました。そし
て、食用として広く注目されるようになったのは江戸時代中期とい
われています。

 食用とする品種(実梅)は江戸時代に入ると増加し,「白加賀」、
「紅加賀」、「豊後」、「養老」等の品種名が文献に出てきます。

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■ 編集部より

 果物とほうれん草などのフレッシュジュースはグリーンスムー
ジー、食べられる花かごはフルーツアレンジメント、果物の彫刻は
フルーツカービングなど、新しい果物の見せ方、食べ方が提案され、
消費者に受け入れられています。こうした流れを消すことなく、大
きく育てることが大切と思っています。(tnk)

 アメリカのような大陸でしか発生しないと思っていた、小生にと
って想定外の大竜巻をテレビで見て、自然の驚異を改めて実感しま
した。(KH)

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 ご協力に感謝いたします。  敬白

     編集長 田中敬一 (tnk)


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