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くだもの&健康ニュース Vol.25
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□■□ くだもの&健康ニュース Vol.25
■□■ 2012年6月22日(金)配信

みなさん、こんにちは!
今週はアンズの特集です。

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http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:アンズ
・ くだもの広場:果物は1日に200g以上食べても良いですか
・ 文献紹介:健康に関するラロンドレポート
   −カナダ人の健康に関する新しい視点−
・ 文献紹介:アメリカ厚生省:ヘルシーピープル
・ 花実好きの家庭果樹だより:アンズ
・ 文学の中の果物:植物知識(牧野富太郎)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:アンズ
・ お便り
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  ゆふ立にふりまじりたる杏哉
     − 正岡子規

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■ くだものレシピ:アンズ

○ 杏なます

 柿なますの干し柿の代わりに干しアンズを使います。

材料(3〜4人分)
 干しアンズ 5個、大根 小1/3本(約150g)、にんじん 中1/3本、
リンゴ酢 大さじ1杯、白ワインビネガー 大さじ1杯、など

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/1664516

○ 杏のほんのりチーズパイ

 サクサクのパイ生地が、ほんのりチーズによくあいます。

材料(5個分)
 干しアンズ 5個、アンズジャム 小さじ2杯、アーモンドパウダー
80g、皮むきピスタチオ 2個、クリームチーズ、パイ生地、など

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/1713607

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■ くだもの広場:果物は1日に200g以上食べても良いですか

 果物大好きのミカさんが何か聞きたそうに博士のところにやって
来ました。

ミカ:こんにちは。「食事バランスガイド」では果物を1日2つ、
   200g食べるように勧めていますが、200g以上食べても良い
   んですか。
博士:こんにちは。お腹をこわさないなら問題ないよ。アメリカで
1、2位を争う有名なメイヨ病院では、肥満症治療の食事療
法で生鮮果実の摂取量を無制限にしているんだよ。

ミカ:本当ですか。果物好きにはたまらないですね。
博士:本当だよ。でも、炭水化物や脂肪、タンパク質は制限してい
   るよ。これらの多い高カロリーの食品の代わりに、低カロリー
   の果物を食べるように仕向けているんだね。それに、果物に
   はビタミン、ミネラル、食物繊維も多いからね。でも、摂取
   量を無制限にしているのは生鮮果実と冷凍果実で、ドライフ
   ルーツや果実飲料などは無制限ではないんだよ。

ミカ:この前、教えてもらった、アメリカの新しい食生活指針の
   「マイプレート」と同じですね。食事の半分を果物と野菜で
   摂って、高カロリー食品を減らすように勧めているからね。
博士:そのとおりだね。アメリカの成人の3分の2以上が太り過ぎ、
   あるいは肥満なので、国民全体の食生活指針が肥満症治療の
   食事療法のようになってきたんだね。

ミカ:果物はお腹がすぐに満腹になるから、そんなに食べられない
   しね。日本でも、果物を200g食べる習慣が定着すると、メタボ
   の人が減るかも知れないですね。
博士:そのとおりだね。

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■ 文献紹介:健康に関するラロンドレポート
   −カナダ人の健康に関する新しい視点−

 ラロンドレポートは、世界で初めて公衆衛生政策を、それまでの
疾病治療から健康増進運動へと活動の重点を移したことで知られて
います。

 第2次大戦後、臨床医学はめざましい技術革新を遂げ、病気の治
療に貢献してきました。しかし、医療費の増大による負担の問題や、
集団全体に対する治療の意義へ疑問が生じ、医療のあり方が問われ
ることになりました。このような背景のもとに、ラロンドレポート
が作成されました。

 将来の医療政策の新しい方向性についての諮問を受け、1974年4月
1日に「カナダ人の健康にたいする新たな視点」」と題した報告が
カナダ下院で発表されました。のちに、この文書をまとめたラロンド
保健大臣の名を冠してラロンドレポートと呼ばれるようになり、広
く知られるようになりました。

 報告書は、病気の発生を生物学的に宿主要因とウィルスや化学物
質などの病原要因という単一の要因として捉えるのではなく、長期
にわたる多数の要因(生活習慣、社会環境、医療システム)も関与
すると世界で初めて指摘しました。
そのため、国民の健康を守るには医療システムだけに予算を配分す
るのではなく、生活習慣や社会環境の改善などにも投資が必要であ
ると論じました。

 また、この報告書では、健康の維持向上には狭義のヘルスケアの
範囲を超えた取組みが必要であると指摘し、健康の維持や疾病予防
活動は、保健医療関係者のみならず多くの人々を巻き込んで活動す
る必要があるとする新たな視点も提示しました。

 このラロンドレポートは、WHO(世界保健機関)や各国の健康施策
に影響を与えました。わが国の健康日本21の基礎概念もラロンドレ
ポートに基づいています。

【文献】
ラロンドレポートの原文(PDFファイル)は下記のサイトにあります。
http://www.hc-sc.gc.ca/hcs-sss/alt_formats/hpb-dgps/pdf/pubs/1974-lalonde/lalonde-eng.pdf

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■ 文献紹介:アメリカ厚生省:ヘルシーピープル

 
 アメリカ厚生省は1979年、ラロンド報告の基本概念に基づいて、
ヘルシーピープル(Healthy People)と名付けられた新たな国民的
健康政策を発表しました。この新政策の特徴は疫学や健康への危険
因子を重視し、生活習慣の改善による健康の実現に重点を置いてい
ます。

 ヘルシーピープルでは、「なぜ私たちは病気になるのか」につい
て疫学調査などの研究結果を解析し、その疾病についての要因とそ
の寄与度を明らかにしました。

 その結果、疾病の発生には不適切な生活習慣が関与しており、そ
の寄与度は50%で、社会環境や遺伝因子がそれぞれ20%、医療シス
テムは10%と評価されました(表)。



表.疾病の発生に関与する4つの因子
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 不適合医療システム因子 10%
2 不健康な生活習慣因子    50%
3 社会環境因子     20%
4 遺伝因子         20%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(アメリカ・ヘルシーピープル、1979)


 ヘルシーピープルでは、科学的に立証された数値目標を人生の年
代別で設定し、国民運動としてその目標を達成するという手法も導
入しました。

【文献】
アメリカ厚生省:ヘルシーピープルの報告書は下記のサイトにあります。
Healthy People: The Surgeon General's Report on Health Promotion
and Disease Prevention. (1979)
http://profiles.nlm.nih.gov/NN/B/B/G/K/

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■ 花実好きの家庭果樹だより:アンズ

 アンズが黄色く熟してきました。
 アンズの熟した実の写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K025phto1.html

 大分落果して少なくなっていますが、毎年、ジャムにして味わっ
ています。撮影の翌日の台風でほとんど落ちてしいました。(花実好き)

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■ 文学の中の果物:植物知識(牧野富太郎)

 果実

 世間ふつうには果実というといわゆるクダモノであって、リンゴ、
カキ、ミカンなどの食用になる実を呼んでいるのであるが、しかし
植物学上で果実と称するものは、花の後にできる実をすべて果実と
いい、通俗とは大いにその呼び方が異なっている。そしてそれはあ
えて食用になると、ならないとにかかわらず、すべてをそういって
いる。ゆえにシソ、エゴマの実のようなものでも果実であり、また
右のリンゴ、カキなどのようなものでもむろん果実である。

 花の中の子房(しぼう)が花後(かご)に成熟して実になったも
のは、果実そのものの本体で、すなわち正果実である。

 ウメ、モモ、ケシ、ダイコン、エンドウ、ソラマメ、トウモロコ
シ、イネ、ムギ、ソバ、クリ、クヌギ、ならびにチャの実などがそ
れである。

 また、果実には他の器官が子房と合体し、共同で一の果実をなし
ているものもある。すなわちリンゴ、ナシ、キュウリ、カボチャ、
メロンなどがそれである。

 また、他の器官が主部となって果実をなしているものもあって、
そんな場合は、これを擬果(ぎか)とも偽果(ぎか)とも称(と
な)える。すなわちオランダイチゴ、ヘビイチゴ、イチジク、ノイ
バラの実などがそれである。

 果実の食用となる部分は、果実の種類によってかならずしも一様
ではない。モモ、アンズなどは植物学上でいうところの中果皮(ち
ゅうかひ)の部を食用とし、リンゴ、ナシなどは実を合成せる花托
部(かたくぶ)を食(しょく)しており、ミカンは果内(かない)
の毛を食し、バナナは果皮を食し、イチジクは変形せる花軸部(か
じくぶ)を食用に供している。

 いろいろの果実、すなわち実を研究してみるとなかなかおもしろ
いもので、ふつう世人(せじん)が思っているよりほか、意外な事
実を発見するものである。

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■ くだものいちば

 今回は水戸市公設地方卸売市場に入荷している果物について紹介
します。取扱量の多い果物はメロン、スイカ、ウメなどです。

ウメ(南高)は茨城、和歌山産などです。
モモ(白鳳、日川白鳳など)は山梨、長崎産などです。
スモモは山梨産などです。

ウンシュウミカン(ハウスみかん)は愛媛、長崎産などです。
リンゴ(ふじ、王林)は青森産です。

サクランボ(佐藤錦)は山形産です。
ビワ(田中)は愛媛産などです。
ブドウ(デラウェア、など)は山梨産などです。

メロン(アールス、アンデス、クインシー、タカミ、など)は茨城、
高知産などです。

スイカは茨城、群馬産などです。

「くだものいちば」は下記の青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:アンズ

 アンズは、バラ科サクラ属の落葉樹で、原生地には諸説あります
が、中国の山東省、山西省、河北省の山岳地帯から中国東北地方の
南部とする説が有力です。

アンズは原生地から、BC2〜BC1世紀に中央アジアに伝播し、1世紀
頃にアルメニア地方からギリシア、次いでローマへ、ローマから
ヨーロッパ各地に広がり、各地で改良されて欧州系品種群が形成さ
れました。現在の世界一の産地であるアメリカには、スペインから
18世紀に伝わりました。

 中国では、BC3〜BC2世紀には栽培が始まり、5〜6世紀には赤杏、
黄杏、李杏、文杏等の品種があったとされています。最初のうちは
果肉よりは核の中の仁(杏仁)を解熱、咳止め等の薬用として利用
していたと考えられています。

 わが国には、かなり古い時代に中国より薬用として伝来したと考
えられており、わが国最古の本草書「本章和名」(918年)にも記
載されています。

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■ お便り

 お便りお待ちしています。
 投稿用メールアドレスは下記です。
mainitikudamono@gmail.com

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■ 編集部より

 ラロンドレポートは、疾病対策に対する従来の考え方大きく変更
しました。「疾病の発生は単一の原因」説だけでは十分ではないこ
とを指摘するとともに生活習慣の改善の重要性を明らかにしました。
このことは、「単一の成分で疾病が予防できる」も考え直す必要が
あることを示しています。食生活の改善方向も明らかになり果物の
重要性が評価されています。(tnk)

 さくらんぼが出回りだしました。鉢植えのさくらんぼは雨で傷ん
で収穫までには至らなかったので、栽培の難しさを痛感しています。
 季節はずれの台風被害にお見舞い申し上げます。(HK)

くだもの&健康ニュース ご愛読に感謝申し上げます。

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 ご協力に感謝いたします。  敬白

     編集長 田中敬一 (tnk)


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