毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.45 ■□■ 2013年5月31日(金)配信
みなさん、こんにちは! 今週は初夏を告げるウメの特集です。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp ──────────────────────────────
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本日のメニュ−
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・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ウメ ・ くだもの広場:日本で健康寿命が一番の県はどこですか。 ・ 文献紹介:地中海式食事で脳のアンチエイジング ・ 花実好きの家庭果樹だより:さくらんぼ ・ 文学の中の果物:おにぎりの味(中谷宇吉郎) ・ くだものいちば ・ 読者からの便り:果物は肌のたるみの原因? ー その3 ・ 編集部より
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■ 季節の便り
梅を干す昼照草の小庭哉
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:ウメ
○ 豚肉とナスの梅焼き
お酒に!!ご飯も進みますよ!!
材料(2人分) 梅干し
4個、豚薄切り肉 100g、ナス 1個、ほうれん草 1株、レ モン汁 大さじ1杯、酒 大さじ2杯、サラダ油(炒め用)
大さじ1杯
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2218320
○ お弁当にも♪豚バラの梅しそ巻フライ
口の中で柔らかお肉がほどけ、梅と、しその香りがふわっと広が ります。
材料(2人分) 梅干し
5個、豚バラ肉 250g(10枚)、大葉 10枚、醤油 適量、 小麦粉 適量、卵 1/2個、パン粉
適量
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2221714
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■ くだもの広場:日本で健康寿命が一番の県はどこですか。 果物大好きのリン太君が、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。
リン:こんにちは。前回、日本人の健康寿命も世界一と聞いたので すが、日本で健康寿命が一番の県はどこですか。 博士:こんにちは。厚生労働省審議会の「健康日本21(第2次)」 の参考資料(注1)に、2012年の県別、男女別の健康寿命(注2) が掲載されているね。これを見ると、男性では、愛知県の71.74 歳をトップに、静岡、千葉、茨城、山梨と続いているね。また、 女性では静岡県の75.32歳をトップに群馬、愛知、沖縄、栃木 と続いているね。
リン:平均寿命(注3)のトップは、男女とも長野県と聞いたのです が、平均寿命と健康寿命の順位の関係はどうですか。 博士:平均寿命は、男性では、長野県の80.99歳をトップに、滋賀、 福井、神奈川、熊本の順だね。女性では、長野県の87.23歳を トップに熊本、大分、島根、広島の順だね。平均寿命トップ 10の県で、健康寿命もトップ10に入っているのは、男性では、 長野、福井、静岡の3県、女性では、島根、沖縄、石川の3 県だね。ちなみに、女性トップの長野県は17位だよ。
リン:平均寿命の長い県が、必ずしも健康寿命も長いわけではない んですね。 博士:そうなんだね。平均寿命が伸びても、健康寿命が伸びなけれ ば満足のいく生活を送ることができないし、医療費や介護費 等の増加にも繋がるから、「健康寿命」を伸ばすことが重要 だね。 リン:健康寿命の最も長い県と最も短い県の差は何歳あるんですか。 博士:男性で2.79歳、女性で2.95歳だよ。 リン:そんなにあるんですか。 博士:そうなんだ。だから、「健康日本21(2次)」では、この県格差 の縮小を目標にしているね。このため、生活習慣病を予防し、
健康寿命を延伸するため、「栄養・食生活」の目標の柱に
「野菜と果物の摂取量の増加」を掲げているんだよ。
(注1)厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生 活習慣病対策の費用効果に関する研究」(2010年) (注2)健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生 活できる期間 (注3)平均寿命:0歳児の平均余命
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■ 文献紹介:地中海式食事で脳のアンチエイジング
スペインのナバラ大学の研究チームは、果物や野菜など植物性食 品や魚介類を豊富に摂取しオリーブオイルを利用することに特徴の ある地中海式食事法は、低脂肪食事法よりも高齢者の脳機能低下を 防ぐ効果が高いと「神経学、神経外科学及び精神医学雑誌」のオン ライン版(2013年5月13日)に発表しました。地中海式食事法と脳 機能との関係について、長期間の研究は、これが初めてであると述 べています。
近年、健康に良いと注目されている地中海式食事法は、調理油と してバージンオリーブオイルを使用し、果物や野菜、ナッツ、豆類 を多く摂取するとともに、魚やシーフードは普通ないし多めに、乳 製品や赤身の肉は少なめに摂取する食事法のことです。
今回の調査目的は、食事が高齢者の脳機能に与える影響の解析で す。調査に参加したのは、55歳から80歳までの男女522人で、心血 管疾患に罹患していないが、そのリスクが高いと診断された人たち です。
被験者は、ランダムに3つの食事グループに分けられました。第1 のグループには、通常の地中海式食事に加えてオリーブオイルを多 く摂取した群、第2のグループには、通常の地中海式食事に加えて ミックスナッツを多く摂取した群、第3のグループには、心臓発作 や脳卒中を防ぐ目的で推奨されている低脂肪食事を摂取した群です。
調査開始から6年半後、参加者に対してメンタル検査と時計描画 試験という検査を行い、記憶力や言語能力などの高次脳機能および 記憶力や注意持続時間などについて評価しました。
全体で60人に軽度の認識障害がみられました。そのうち18人が地 中海式食事(オリーブオイル)群で、19人が地中海式食事(ミック スナッツ)群、23人が低脂肪食事群でした。
また、痴呆と診断された35人のうち、12人が地中海式食事 (オリーブオイル)群で、6人が地中海式食事(ミックスナッツ) 群、17人が低脂肪食事群でした。
いずれの脳の機能減退も、低脂肪食事群は、他の2グループよりも 有意に高い発症率であることが分かりました。
以上の結果から、食事パターンの改善により、高齢者の認知機能 を保護できる可能性があると述べています。ただ、今回の調査は比 較的小規模であるので、一般化についてはさらなる研究が必要であ ると述べています。今後の研究の進展が期待されます。
【文献】 Martinez-Lapiscina,
E.H. et al.: Mediterranean diet improves cognition: the PREDIMED-NAVARRA
randomised trial. Neurol Neurosurg Psychiatry. online May 13. (2013)
[doi:10.1136/jnnp-2012-304792]
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■ 花実好きの家庭果樹だより:さくらんぼ さくらんぼ(佐藤錦)の実が赤く色づき始めました。 さくらんぼの赤い実は、下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K045phto1.html
花はいっぱい咲いたのですが、結実は少なく貴重品です。(花実好き)
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■ 文学の中の果物:おにぎりの味(中谷宇吉郎)
お握りには、いろいろな思い出がある。 北陸の片田舎で育った私たちは、中学へ行くまで、洋服を着た小 学生というものは、誰(だれ)も見たことがなかった。紺絣(こんがすり) の筒っぽに、ちびた下駄。雨の降る日は、藺草(いぐさ)でつくったみ のぼうしをかぶって、学校へ通う。外套(がいとう)やレインコートは もちろんのこと、傘をもつことすら、小学生には非常な贅沢(ぜいた く)と考えられていた。
そういう土地であるから、お握りは、日常生活に、かなり直結し たものであった。遠足や運動会の時はもちろんのこと、お弁当にも、 ときどきお握りをもたされた。梅干のはいった大きいお握りで、と ろろ昆布でくるむか、紫蘇(しそ)の粉をふりかけるかしてあった。浅 草海苔(あさくさのり)をまくというような贅沢なことは、滅多にしな かった。
しかしそういうお握りの思い出は、あまり残っていない。それよ りも、今でも鮮(あざや)かに印象に残っているのは、ご飯を焚(た)いた 時のおこげのお握りである。
※初出:「暮しの手帖」1956(昭和31)年9月5日
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■ くだものいちば
今回は、大阪市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹 介します。入荷量の多い果物はリンゴ、スイカ、イチゴ、メロン、 甘ナツミカンなどです。ビワの出荷も始まっています。
甘ナツミカンは和歌山、鹿児島産などです。ウンシュウミカン(ハ ウスみかん)は和歌山、高知、徳島産などです。ハッサク、清見は 和歌山産です。
リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。
ビワは長崎、高知産です。 ウメは和歌山産です。 ブドウ(デラウエア)は島根、大阪産です。
スイカは熊本、長崎産などです。 イチゴ(ほのか、女峰、あまおう)は佐賀、香川、熊本、福岡産な どです。 メロン(アールス、アンデス、アムス、クインシー、タカミ)は静 岡、高知、宮崎、茨城、熊本、長崎、福岡産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 読者からの便り:果物は肌のたるみの原因? ー その3
あられちゃん(メルマガ名)から「くだもののとりすぎは、たる みやしわの原因になるのか?」との質問が寄せられました。
前号までに、たるみやしわの原因として
テレビ解説者が指摘し ている果物などに含まれている果糖とタンパク糖化との関係を紹介 しました。人を対象とした研究から1日当たり摂取量で果糖100gま ではタンパク糖化が改善されることが分かりました。
前回は、各食品に含まれている果糖の量を紹介しました。今回は ショ糖(砂糖)の半分を果糖として算出し、これに果糖含量を加え たデータを掲載します(文献)。このデータからもテレビ解説者の 果物に対する思い込みが推測されます。
表.各食品に含まれている果糖+ショ糖/2含量 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 食品種類 果糖+ショ糖/2含量 (g/100g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 菓子 錠菓
49.5 はちみつ 一般品 43.6 砂糖類 黒砂糖 39.0 でん粉糖類 異性化液糖
37.0 三島豆 34.3 甘納豆(えんどう) 29.9 ゆべし
26.8 ごかぼう 22.8 とうまんじゅう(まんじゅう) 22.1 マーマレード 高糖度
22.0 芋かりんとう 22.0 ミルクチョコレート 21.2 ワッフル ジャム入り
17.0 ウスターソース 13.1 ジャムパン 13.0 チリソース
10.4 バナナ 生 9.8 もも缶詰 果肉 9.6 りんご 生
8.9 中華風まんじゅう あんまん 8.9 きゅうりの漬物ピクルス スイート型 8.7 ベルモット(酒) 甘口タイプ
8.2 西洋かぼちゃ 果実、ゆで 7.7 ぶどう 生 7.7 うんしゅうみかん 缶詰 果肉
7.5 りんごストレートジュース 7.5 しいたけ 乾 7.0 スイートワイン(酒) 6.7 日本なし
生 6.4 甘がき、生 6.3 炭酸飲料類 果実色飲料 6.3 こむぎ
小麦はいが 6.2 粒入りマスタード(からし) 5.8 うんしゅうみかん 砂じょう
普通、生 5.8 コーラ(炭酸飲料類) 5.7 甘辛せんべい(米菓) 5.2 からし 練りマスタード
5.0 だし類 固形コンソメ 5.0 ヨーグルト ドリンクタイプ 4.5 にんにく ガーリックパウダー
4.4 もも 生 4.4 とうがらし 果実、乾
4.3 くし団子(しょうゆ) 4.3 かぼす 果汁、生 4.2 きくらげ類 きくらげ 乾
4.2 もも類 ネクタリン 生 4.2 調味ソース類 ミートソース 4.2 さつまいも 塊根、生
4.1 プルーン(すもも類) 生 4.0 らっきょう りん茎、生 4.0 いちご 生
3.9 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(つづく)
【文献】 渡邊智子、安井健、田中敬一、他.日本食品糖質推定成分表の作成. 食生活学会誌,
21. 314-320.(2011)
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編集部より
文献紹介で、地中海式食事法を取り上げました。わが国(健康日 本21)も含め果物・野菜を中心とした食事が全世界で推奨されて います。しかしながら、科学的証拠に基づかない果物に対する誤解 が広く浸透しているのは残念です。消費者の利益を旗印とした食生 活改善運動が大事だと考えています。(tnk)
健康寿命も日本が世界のトップのようです。「経済大国でありなが ら、豊かさを実感できない」とよく聞きますが、世界的には贅沢な 悩みかも知れません。でも、「不老長寿」はゴールのない願望です
ね。(HK)
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