毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.47 ■□■ 2013年6月28日(金)配信
みなさん、こんにちは! 今週は青い宝石、ブルーベリーの特集です。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp ──────────────────────────────
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本日のメニュ−
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・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ブルーベリー ・ くだもの広場:果物の値段はホントに高いのですか。 ・ 文献紹介:果物摂取は長期調査でも体重を減らす効果を確認 ・ 花実好きの家庭果樹だより:ぶどう ・ 文学の中の果物:まなづるとダァリヤ(宮沢賢治) ・ くだものいちば ・ 読者からの便り:果物は肌のたるみの原因? ー まとめ ・ 編集部より
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■ 季節の便り
梅雨晴や上野の鳶はいつも鳴く
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:ブルーベリー
○ ブルーベリータルト
フレッシュなブルーベリーが手に入ったらぜひ、軽めのクリーム を合わせた、爽やかなタルトです。
材料
(23センチの角型もしくは18センチの丸型) ブルーベリー 150グラム、生クリーム 50cc、バター 50グラム、アーモンドパウダー
20グラム、卵黄、砂糖、牛乳、 ラム酒、など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2067708
○ 混ぜるだけ:ブルーベリーバター
生のブルーベリーのフレッシュさを活かした甘いホイップバター です。ハンドミキサーで4つの材料を混ぜるだけなので簡単です。
材料
(12人分) 生のブルーベリー30g、無塩バター70g、粉砂糖20g、塩ひとつまみ
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2262923
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■ くだもの広場:果物の値段はホントに高いのですか。 果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。
ミカ:こんにちは。果物を食べない理由に、値段が高いからとよく 聞くのですが、ホントに高いのですか。 博士:こんにちは。中央果実協会が昨年実施したアンケート調査(注) をみると、「果物を毎日は摂らない理由」では、「日持ちせ ず買い置きができないから」の41.5%に次いで、「他の食品 に比べて値段が高いから」が2番目で、37.2%だったね。
ミカ:同じ青果物の野菜を比べると価格にどの程度の差があるので すか。 博士:平成24年の「家計調査」で、100g当たりの購入平均価格をみ ると、生鮮果物は41.2円、生鮮野菜は37.2円だったね。 ミカ:少しは高いんですね。 博士:そうだね、でも、低価格で果物の中で消費量の最も多いバナナ より価格の安い、重量物のダイコン、ハクサイ、キャベツ、 タマネギが平均価格を下げているけどね。
この4品を除いた生鮮野菜の平均価格は47.6円で、バナナを 除いた生鮮果実の平均価格は47.5円で、ほとんど同じくらい だね。
ミカ:野菜で、生で食べることの多いトマトが、果物と食べ方が似 ていると思いますが、食べる量や価格はどうですか。 博士:さすがミカさんだね。目の付けどころがいいね。トマトの年 間購入数量は11.4kgで、みかんの12.2kgより少ないけど、り んごの10.7kgより多いんだね。それでいて、トマトの平均価 格は62.9円で、りんごの42.9円、みかんの36.7円よりも高い んだよ。ほかに、メロン、なし、かき、すいか、オレンジ、 グレープフルーツもトマトより安いね。 ミカ:トマトより高い果物は何ですか。 博士:いちご、ぶどう、キウイフルーツ、ももだね。ちなみに、トマト より高い主な野菜は、さやまめ、たけのこ、レンコン、ピーマン、 ほうれんそうだよ。
ミカ:果物は必ずしも値段が高いわけではないですね。でも、平成 23年の国民健康・栄養調査をみると、野菜は、国の1日当た り摂取目標350gの76%の267gは食べているのに、どうして、 果物は目標200gの半分程度の106gなんですか。 博士:日本の食生活では、野菜は必需品として定着しているけど、 果物は嗜好品的な扱いなんだね。毎日食べなくてもよい食べ 物と見られているから、高ければ食べない食品になっている んだろうね。だから、果物を毎日食べることの必要性を野菜 以上に周知していくことが必要だね。
ミカ:どうしたらいいですか。 博士:アンケート調査では、果物の摂取意向増進に効果があるアピ ール方法として、「生活習慣病の予防効果」や「美肌に良い」 をあげる人が多かったね。
(注)「果物の消費に関するアンケート調査」は下記のサイトにあ ります。
http://www.kudamono200.or.jp/JFF/kokunai/24shohi_ankeito.pdf
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■ 文献紹介:果物摂取は長期調査でも体重を減らす効果を確認
アメリカ、ハーバード大学医学部の研究チームは、体重コント ロールには、食事の内容が大きく関連していると、「ニューイング ランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しています。
長期的な体重の増加は,食生活など生活習慣に左右されるかどう かについて長期的な長鎖が行われました。
試験開始時、慢性疾患がなく肥満ではない男女120,877
人を対象 に疫学研究が行われました。追跡期間は12年〜21年間にわたって生 活習慣因子の変化と体重変化との関係を解析しました。
4
年ごとに評価したところ、被験者の体重増は平均で3.35ポンド でした。 1 日の摂取量に基づく4
年間の体重変化との関係を解析 した結果、ポテトチップスは1.69ポンド、ジャガイモは1.28ポンド、 砂糖入り飲料1.00ポンド、未加工の赤肉は0.95ポンド、加工肉は 0.93ポンド増加し、体重増と強い相関が認められました(P≦0.005)。
一方、果物は−0.49ポンド,野菜は−0.22ポンド、全粒穀物は− 0.37ポンド、ナッツは−0.57ポンド,ヨーグルトは−0.82ポンド減 で、摂取量と体重増の間には逆相関が認められました(P≦0.005).
そのほか,飲酒(1日1杯あたり
0.41ポンド、喫煙(新規禁煙者 は5.17ポンド、過去喫煙者は 0.14ポンド増でした。テレビ視聴(1 日 1 時間あたり
0.31ポンド増で、こうした生活習慣因子も独立 して体重変化と相関していました(P<0.001)。
以上の結果から、研究者らは、食事因子と生活習慣因子は長期的 な体重増加に独立して関連しており、総合的な作用は大きく、肥満 予防戦略を策定する際に考慮する必要があると述べています。
果物は、糖分が多いので太ると思われていますが、長期間の調査 でも体重減少に効果的であることがわかりました。
【文献】 Mozaffarian,
D. et al.: Changes in diet and lifestyle and long- term weight gain in women
and men. New England Journal of Medicine, 364: 2392-404.
(2011)
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■ 花実好きの家庭果樹だより:ぶどう 緑のカーテンのぶどうの実が、大分膨らんできました。 ぶどうの実は、下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K047phto1.html
少しづつ大きくなっていくのを見て楽しんでいます。(花実好き)
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■ 文学の中の果物:まなづるとダァリヤ(宮沢賢治)
くだものの畑の丘のいただきに、ひまはりぐらゐせいの高い、黄 色なダァリヤの花が二本と、まだたけ高く、赤い大きな花をつけた 一本のダァリヤの花がありました。
この赤いダァリヤは花の女王にならうと思ってゐました。
風が南からあばれて来て、木にも花にも大きな雨のつぶをたたき つけ、丘の小さな栗の木からさへ、青いいがや小枝をむしってけた たましく笑って行く中で、この立派な三木のダァリヤの花は、しづ かにからだをゆすりながら、かへっていつもよりかゞやいて見えて 居をりました。
それから今度は北風又三郎が、今年はじめて笛のやうに青ぞらを 叫んで過ぎた時、丘のふもとのやまならしの木はせはしくひらめき、 くだもの畑の梨の実は落ちましたが、此このたけ高い三本のダァリ ヤは、ほんのわづか、きらびやかなわらひを揚げただけでした。
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■ くだものいちば
今回は、新潟市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量の多い果物はウメ、スイカ、メロン、バナナなどです。
スイカ(祭ばやし、姫甘泉、など)は、新潟産です。 メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、茨城産などです。 イチゴ(越後姫、など)は新潟産です。
リンゴ(ふじ、など)は青森産です。 ビワ(茂木、など)和歌山産です。 ブドウ(デラウェア)は山梨産です。
スモモ(大石早生、など)は山梨産です。 サクランボ(佐藤錦)は山形産です。 ウメは和歌山、福井産です。
ウンシュウミカン(ハウスみかん)は愛知産です。レモン、バレン シアオレンジはアメリカ産です。グレ−プフルーツは南アフリカ産 です。
バナナはフィリピン、台湾産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 読者からの便り:果物は肌のたるみの原因? ー まとめ
あられちゃん(メルマガ名)から「くだもののとりすぎは、たる みやしわの原因になるのか?」との質問が寄せられました。
前号までに、果物や他の食品に含まれている果糖、ショ糖などの 含量を紹介してきました。一方、たるみやしわの原因とされるタン パク糖化について検証した研究から、果糖の摂取量が100gまでは、 タンパク糖化が抑制されることを明らかにしてきました。
データに基づいて、テレビ解説者の述べている「果物の食べ過 ぎ」は、神話であることを明らかにしてきました。
今後も、果物にまつわる神話について科学的に明らかにしていき たいと考えています。皆様のご投稿をお待ちしています。
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編集部より
今号で紹介している文献は、ニューイングランド・ジャーナル・ オブ・メディシンからの引用です。この雑誌は、水戸黄門の印籠の ようなものです。その雑誌の中で果物は減量に効果的であることを 明らかにしています。読者からの便りのデータとをあわせると、果 物に対する神話は、大きな誤解であることが分かります。(tnk)
今年度からスタートした、国の国民健康づくり運動の「健康日本 21(第2次)」では、果物摂取は生活習慣病との関連で科学的根拠 が多いとして、その摂取量の増加を目標に掲げています。食生活の 必需品としての位置付けが弱い果物を見直す、これ以上のタイミング はないと思います。(HK)
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