毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.62 ■□■ 2014年4月11日(金)配信
みなさん、こんにちは! 「健康食品」についての日本医師会の考え方を紹介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp ──────────────────────────────
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本日のメニュ−
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・ 季節の便り ・ くだものレシピ:スイカ ・ くだもの広場:日本の果物の消費量の順位は、バナナがトップ
と聞きましたが、どのくらいですか。 ・ 文献紹介:マルチビタミンサプリメントでも効果なし ・ 花実好きの家庭果樹だより:ネクタリン ・ 文学の中の果物:徒歩旅行を読む(正岡子規) ・ くだものいちば ・ 読者から:サプリなど健康食品に対して医師たちはどう考えて いますか? ・ 編集部より
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■ 季節の便り
君来ばと西瓜抱えて待つ夜かな
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:スイカ
○ スイカdeエスニック風辛味みそ厚揚げ焼き
スイカを煮詰めてピリッと辛い味噌たれにしてみました☆厚揚げ に塗り、たっぷりの野菜と食べるヘルシーメニューです!
材料(2人分) スイカ
1/6切れ、スイカの皮(白い部分) 適量、スイカのピ ューレ(煮詰めた果汁) 大さじ1杯(約30g)、厚揚げ 1枚、味噌 大さじ1杯、豆板醤
小さじ1/2杯、万能ねぎみじん切り 2〜3 本分、レタス 適量、貝割菜
適量、など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/389490
○ スイカの皮と野菜とハムの炒め物
スイカの皮の漬物を利用して〜
材料 スイカの皮の漬物
適量、野菜何でも(今回は白菜、細ネギ) 適 量、ハムやソーセージ 適量、塩、胡椒、炒め用の油
適量
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/1496284
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■ くだもの広場:日本の果物の消費量の順位は、バナナがトップ
と聞きましたが、どのくらいですか。
果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。
ミカ:こんにちは。日本の果物の消費量の順位は、バナナがトップ と聞きましたが、どのくらいですか。 博士:家計調査の購入数量でみると、平成16年にバナナがミカンを 抜いてずっとトップになっているね。平成25年は年間6.0kgで ミカンの4.4kg、リンゴの4.0kgの約1.5倍だね。 ミカ:どんどん増えているのですか。 博士:そうでもないんだね。平成21年にバナナダイエットブームで 大きく伸びて7.4kgを記録したんだけど、その後は6kg前後で 横ばいの状態だね。
ミカ:これまでの輸入量は右肩上がりなんですか。 博士:そうでもないんだね。輸入が自由化された昭和37年以降、急激 に増加し、昭和47年に106万トンになったんだけど、その後は 減少傾向で昭和58年には58万トンまで減少したんだ。その後、 回復傾向で推移して平成12年に108万トンになったけれど、バナナ ダイエットブームのあった平成21年の125万トンを除けば、平成
23年は106万トンで、長く横ばいが続いているね。 ミカ:40年間では増えたり減ったりしてんですね。どうしてですか。 博士:昭和時代の増加と減少は、輸入自由化による安値で消費者が 飛びついたんだけど、未成熟な青バナナの流通のため、小売 り段階で追熟不良で品質にムラのあるものもあって飽きられ たことが大きな原因と言われているね。
ミカ:品質に当たり外れがあるのは、リピーターの確保には致命傷 ですね。その後の増加はどんな理由ですか。 博士:そのとおりだね。このため、熟成した状態で小売業者に提供 する、追熟加工を担う「ドールバナナ」のフレッシュシステムが
導入されたんだ。均一に追熟加工された高品質な「ドールバナナ」 が全国の店頭に並ぶようになったことが消費を回復した大きな 理由と言われているね。それに、輸入業者を中心に、バナナの 健康効果を大学の医学部に研究依頼し、健康効果をマスコミに 発表させたことが大きいと言われているね。「あるある大事典」 というテレビ番組で取り上げられた影響も大きかったようだね。
ミカ:近年の横ばいはどうしてですか。 博士:平成21年の水準は、世界的にはアメリカに近く、イタリアや ギリシャ、フランスを超えているんだね。飽和状態に近づい たかも知れないね。それに高齢化で伸びる余地が少なくなっ ているかもね。 ミカ:消費量を増やすのはなかなか大変なんですね。
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■ 文献紹介:マルチビタミンサプリメントでも効果なし
医学誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン(内科学年 報)」(2013年12月発行)は、サプリメントについての社説を掲 載しました(文献)。タイトルは、「もう十分:ビタミンやミネラル のサプリメントに金を浪費するのはやめよう」です。
マルチビタミンサプリメントを投与した多くのランダム化比較試験 などについてシステマティック評価を行った結果、全死因における 死亡率、心血管疾患、ガンに対する効果はないと結論づけました。
また、65歳以上の男性医師などにマルチビタミンを毎日摂取して もらったランダム化比較試験でも認知機能の低下を防ぐことができ ないことが分かりました。ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンC、 ω-3脂肪酸を含むサプリメントの試験でも認知機能を改善できませ んでした。
さらに、生活習慣病の一次または二次予防におけるビタミンやミ ネラルのサプリメントも一貫して、否定的な結果あるいは害がある 可能性を指摘しています。
β-カロテン、ビタミンE、おそらく高容量のビタミンAサプリメント の摂取は、死亡率を増加させます。抗酸化サプリメント、葉酸、 ビタミンB群などのサプリメントも効果があるという証拠はないと 述べています。
しかし、アメリカでは何のメリットもなく、害の可能性のある証拠 が報告されているにもかかわらず、サプリメントの使用率は増加し ており、2010年には年間売上高が280億ドルにも達していると指摘 しています。同様の傾向は、イギリスや他のヨーロッパの国々でも 観察されています。
社説の筆者の一人であるジョンズ・ホプキンス大学のエドガー・ ミラー教授は、「健康の維持には、効果のないサプリメントより、 果物や野菜、ナッツ類などの食品を食べて運動すべきである」と述 べています。
一方、健康食品業界は、「健康的な食生活を送ることができない 人の栄養補助にサプリメントは必要である」と主張しています。 しかし、「悪い食生活をサプリメントで補うことはできない」と述べ ています。
社説は、サプリメントについて「もう十分」と締めくくっています。
【文献】 Guallar,
E. et al.: Enough Is Enough: Stop Wasting Money on Vitamin and Mineral
Supplements. Ann. Intern. Med., 159: 850-851. (2013) [doi:
10.7326/0003-4819-159-12-201312170-00011]
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■ 花実好きの家庭果樹だより:ネクタリン
ネクタリンの淡いピンクの花が満開です。 淡いピンクの花は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K062phto1.html
自家受粉して一株でも結実します。今年は2個位収穫出来ないか と期待しています。(花実好き)
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■ 文学の中の果物:徒歩旅行を読む(正岡子規)
去年この紀行が『二六新報』に出た時は炎天の候であって、余は 病牀にあって病気と暑さとの夾(はさ)み撃ちに遇うてただ煩悶を 極めて居る時であったが、毎日この紀行を読む事は楽しみの一つで あった。あるいは山を踰(こえ)谿(たに)がわに沿いあるいは吹 き通しの涼しき酒亭に御馳走を食べたなどと書いてあるのを見ると、 いくらか自分も暑さを忘れると同時にまたその羨(うらやま)しさ はいうまでもない。殊にこの紀行を見ると毎日西瓜何銭という記事 があるのを見てこの記者の西瓜好きなるに驚いたというよりもむし ろ西瓜好きなる余自身は三尺の垂涎(すいえん)を禁ずる事が出来 なかった。毎日西瓜の切売を食うような楽みは行脚的旅行の一大利 得である。
夏時の旅行は余もしばしばやった事があるが、旅行しながら毎日 文章を書いて新聞社に送るという事はよほど苦しい事である。一日 の炎天を草鞋の埃ほこりにまぶれながら歩いてようよう宿屋に着い た時はただ労(つか)れに労れて何も仕事などの出来る者ではない。 風呂に入って汗を流し座敷に帰って足を延べた時は生き返ったよう であるが、同時に草臥(くたびれ)が出てしもうて最早筆を採る勇 気はない。其処でその夜は寐てしもうて翌朝になって文章を書いて 新聞社に送って置く。そうして宿屋を出る時は最早九時にも十時に もなって居る事があって詰り朝の涼い間をかえって宿屋で費し暑い 盛りを歩かねばならぬような事になる。それは恐らく実験のない人 には気の附かぬ事である。
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■ くだものいちば
今回は、岐阜市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのはリンゴ、スイカ、イチゴなどです。
レモン、バレンシアオレンジ、グレープフルーツはアメリカ産です。
リンゴ(ふじ、王林)は青森産です。
イチゴ(とちおとめ、濃姫、など)は岐阜産などです。
メロン(アールス、アンデス)は静岡、熊本産です。
スイカは熊本産です。
バナナ、パイナップルはフィリピン産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 読者から:サプリなど健康食品に対して医師たちはどう考えて いますか?
緑が美しい季節となりました。メルマガの配信を楽しみにしてい る一人です。 β-カロテンサプリメントなどについてメルマガに記事がありまし たが、お医者さんはサプリメントなど健康食品に対してどう考えて いるのですか。もし分かれば教えてください。(東京:知りたが り)
【編集部より】 メールありがとうございました。いわゆる健康食品に対する考え 方は、医師によりまちまちです。そこで、医師たちの集まりである 日本医師会の見解を紹介します。
日本医師会の「国民生活安全対策委員会報告」(2014年3月:文 献)の中で、特定保健用食品(トクホ)について以下のように述べ ています。
トクホを摂取する前に、まず日常の食生活を見直すことが大切で あり、仮に摂取する場合でも積極的に勧めるものではないと述べて います。また、制度としても積極的に勧めているわけではないこと に注意を払う必要があると指摘しています。
宣伝については、血中の脂質が低下しただけで「痩せる」と思わ せるイメージ操作が行われていると注意を喚起しています。
さらに、トクホは医薬品のような再審査制度・再評価制度がなく、 無期限の販売承認となっていると問題点を指摘しています。我が国 には国民皆保険制度があり、低い自己負担で健康を維持できる制度 が整っているので、本来であれば「健康食品」の利用は必要なく、 エビデンスがある医療にお金を掛けるべきであると述べています。 (つづく)
【文献】 日本医師会国民生活安全対策委員会:国民生活安全対策委員会報告 書.2014年3月.pp1-32. (2014)
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20140312_51.pdf
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編集部より
サプリなどに対する日本医師会の考え方の基本は、本メルマガと 同じと思っています。今後、こうした観点から医農連携を探ってい きたいと考えています。(tnk)
3月28日のメルマガの「くだもの広場」で果肉の赤いリンゴを 紹介しましたが、4月3日の日経新聞でも果肉の赤いリンゴを囲み 記事掲載していました。一般消費者の関心も高まるといいですね。 (HK)
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