毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.63 ■□■ 2014年4月25日(金)配信
みなさん、こんにちは! 「やせ」も不健康です。その根拠を紹介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp ──────────────────────────────
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本日のメニュ−
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・ 季節の便り ・ くだものレシピ:パイナップル ・ くだもの広場:世界のバナナの生産や消費はどうですか。 ・ 文献紹介:「やせ」の方が肥満より死亡リスクが高い ・ 花実好きの家庭果樹だより:サクランボ ・ 文学の中の果物:季節の変るごとに(片山廣子) ・ くだものいちば ・ 読者から:サプリなど健康食品に対して医師たちはどう考えて いますか? −その2 ・ 編集部より
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■ 季節の便り
ああ心地よき夜やと言い、皿よりパインアップルの太き一片を 取りて口に入れつ、われを顧みて、なんじその杯を干してわれに与 えずや。
− 国木田独歩「おとずれ」より
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■ くだものレシピ:パイナップル
○ 酢豚風鶏といろいろ野菜のパインボート
オイスターソースで簡単!彩り野菜で見た目も
材料(4人分) ピーチパイン(ミニサイズ)
3個、鶏のもも肉 200グラム、玉ね ぎ 1個、ピーマン(グリーン) 2個、パプリカ 二分の一個、人参 1本、なす
1本
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2583356
○ ブランデー漬けの生パインでソース作り
流行のフルーツブランデー、漬け込んだフルーツは魚の臭み消し にと色々と使えます。ぜひ常備して下さいね。
材料(5人分) ブランデー漬けパイン
適量
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2202729
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■ くだもの広場:世界のバナナの生産や消費はどうですか。
果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。
ミカ:こんにちは。この間は、日本のバナナの消費のことを聞いたの
ですが、世界のバナナの生産や消費はどうですか。 博士:FAO(国連食糧農業機関)の2011年の統計をみると、生産量で はインドがトップで3000万トン近くあるね。次に中国が約1000万
トン、フィリピンが900万トン、エクアドルが750万トン、ブラジル
が700万トン、インドネシアが600万トンと続いているよ。世界 全体では1億700万トンで、10年前に比べ5割以上増加してい
るね。
ミカ:1人当たりの消費量はどうですか。 博士:2009年の統計になるが、1人1年間の消費量は、主な国では、
生産量の多いエクアドルが72kg、フィリピンが55kg、ブラジルが 29kg、インドネシアが24kg、インドが17.5kgと多く、生産のほとん
どない国で多いのは、デンマークの16.4kg、スウェーデンの13.8kg、
イギリスの13.6kg、ドイツの10.3kg、アメリカの9.3kgだね。
これに続く日本は、バナナブームの年だったこともあって8.2kg
と、イタリアの7.8kg、ギリシャの5.3kg、フランスの4.3kgを
上回っているよ。
ミカ:世界の地域別の増減傾向はどうですか。 博士:世界平均では11.4kgで10年間で27%増加しているね。この中
でもアジアは11.4kgで43%増、アフリカは10.4kgで37%増と大き く増加し、欧州は8.1kgで4%の増加だけど、アメリカは9.3kg で29%減少しているね。日本は先にも言ったようにバナナブーム の年だったこともあって26%の増加になっているね。中国は 6.3kgだけど85%の増加、韓国は5.4kgで46%の増加だよ。
ミカ:開発途上国の増加が大きいようですね。 博士:開発途上国では経済成長により賃金水準が上がって、バナナ の購入が増加したようだけど、先進国があまり増加していな いね。すでに十分に食べられているし、高齢化による摂取量 の減少が影響しているのかも知れないね。
ミカ:日本でもバナナは嗜好品と言うより、主食代わりにしている 若い人も多くなっていると聞きますね。
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■ 文献紹介:「やせ」の方が肥満より死亡リスクが高い
カナダ、聖ミカエル病院とリ・カ・シン知識研究所の研究チーム は、成人でも胎児でも、「やせ」は肥満よりも死亡リスクが高いと、 「疫学とコミュニティヘルス雑誌」に発表しました。
カナダ、オンタリオ州の住民を対象に5年以上、BMIと死亡との 関連を新しい統計手法で解析しました。
今回の研究では、低体重の原因である喫煙や飲酒や肺疾患や末期 ガンの人などを除外して解析を行いました。
その結果、BMI値が18.5以下の「低体重(やせ)」の成人は、BMI 値が18.5-24.9の「普通体重」の成人に比べ、死亡リスクが1.8倍も 高いことが分かりました。
一方、BMI値が30-34.9の肥満の人では死亡リスクが1.2倍で、BMI 値が35以上の重度肥満の人は1.3倍でした。
以上の結果から、研究者らは、「BMIは体脂肪だけでなく、筋肉量 も反映しているので、医療や公衆衛生などでBMIを引き続き使用す る場合は、丈夫で健康な人はある程度の体脂肪と、十分な骨と筋肉 が必要であることを認識する必要がある」と述べています。
また、肥満のまん延を抑制したいのであれば、成人や胎児におけ る「やせ」の流行を抑制する義務が社会にはあり、そのためにも的 確な指標を使用することが必要ではないかと指摘しています。
【文献】 Cao,
S. et al.: J-shapedness: an often missed, often miscalculated relation: the
example of weight and mortality. J. Epid. Com. Health, online Mar. 28.
(2014) [doi:
10.1136/jech-2013-203439]
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■ 花実好きの家庭果樹だより:サクランボ 鉢植えのサクランボ(佐藤錦とナポレオン)が満開です。 サクランボの薄いピンクがかった白い花は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K063phto1.html
サクランボの結実には異なる品種の花粉が必要なので、毎朝せっせ と人工授粉をしています。(花実好き)
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■ 文学の中の果物:季節の変るごとに(片山廣子)
次に招かれたのは春、スープは日本流の茶碗むし、白魚が一ぱい 入つてゐた。ビフテキパイには初ものの生椎茸が混つてゐた。お魚 はなく、揚ものは慈姑(くわい)のおろしたのを玉子と交ぜて黄い ろくあげた物。竹の子や蓮根をうま煮の色に煮たもの。サラダすこ し。うす紅のアイスクリーム、ちまき屋のまんぢゆうを蒸したのと コーヒ。みごとな色の料理で、ソーザイランチ以上と見えた。つぎ は七月頃、パイは出さず冷肉だつたと思ふ。ほそいんげんの黒ごま 和へ。小えび、アスパラ。特別の御馳走はフルーツサラダで、バナナ、 パインアップル、桃やネーブル、ほし葡萄と胡桃も交り豪しやなも ので、食後は長崎カステラとおせん茶であつた。
夫人が帰国する時、ある奥さんと私と、送別のために小さいお茶 料理に夫人を招待した。小座敷にむつましく坐つて、鯛のさしみ、 大きな鮎の塩やき、栗のふくませなぞを夫人はよろこんでくれた。 そしてきんこと小かぶのみそ汁をほめた。きんこはどんな物かと訊 かれて、私よりも英語の話せる奥さんが、きんこは、海にゐる時は 黒く柔かい生物でナマコと呼ばれる。ナマコを乾したものがきんこ であると、しどろもどろに説明したが、その黒く柔かい物がB夫人 にはとても分らないだらうと思つた。それから「おそばはお好きで すか」と訊くと、「ふうん!」と夫人は考へる眼つきをして「味は よろしい。長さがわれわれを困らせる」と言つた。
先日私は配給の短メンを食べてゐて、おそばの長さがわれわれを 困らせると言つたB夫人を思ひ出した。短メンのみじかさはわれわ れを寂しくする。さう思つて私は月日のうごきを考へてゐた。
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■ くだものいちば
今回は、新潟市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのはイチゴ、甘ナツミカン、バナナなどです。
甘ナツミカンは熊本産、ハッサクは和歌山産です。 レモン、グレープフルーツはアメリカ産です。
リンゴ(ふじ)は青森産です。
イチゴ(越後姫、など)は新潟産です。 メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、熊本産です。
バナナはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ──────────────────────────────
■ 読者から:サプリなど健康食品に対して医師たちはどう考えて いますか? −その2
早速メルマガ上でのご返事ありがとうございました。前号の記事 を読んで医師たちの考え方が分かったように感じるとともに、今ま で抱いていた印象と違っていました。報告書も全部読んでみようか と思っています。ありがとうございました。(東京:知りたがり)
【編集部より】 メールありがとうございました。医師の中にも様々な意見があり ますが、日本医師会の報告書の見解が一般的と考えています。
日本医師会は、「あなたは、『健康食品』やサプリメントを摂り すぎてはいませんか?」のパンフレットの中で、三度の食事をきち んとバランスよく食べるということが大事と述べています。
そのうえで、「健康食品」には、成分を濃縮していたり、医薬品 の成分を含んでいるものも多くあります。効果を期待して摂り過ぎ たりすると危険性も高まると、注意を喚起しています。
また、「食品だから安心」、「天然成分だから安全」は誤解で、 天然成分由来の健康食品でも、アレルギー症状や医薬品との相互作 用を起こすものがあるとして、病人、子ども、妊産婦、高齢者、ア レルギー体質のある方などは、特に要注意が必要と、述べています。
健康食品やサプリメントが、実際に、ふつうの食品よりも、「健 康によい」、「健康に効果がある」、「健康の保持増進に役立つ」 かどうか、科学的根拠があるかどうかは、必ずしも十分ではありま せん。また、健康食品やサプリメントは、薬の代わりではありませ んと語っています。
また、「健康食品」の表示等に関して、経済優先の考えに基づい ており、一番重要な国民の健康への視点をおろそかにしているので はないかとも述べています。
食事バランスガイドなどのように、果物を含むバランスのとれた 食事が最も健康に役立つことを伝えていくことが大切です。
【文献】 日本医師会国民生活安全対策委員会:国民生活安全対策委員会報告 書.2014年3月.pp1-32.
(2014)
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20140312_51.pdf 日本医師会:「健康食品」・サプリメントについて.2014.4.3
http://www.med.or.jp/people/info/knkshoku/000709.html
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■
編集部より
健康と「やせ」との関わりが明らかとなってきました。果物はビ タミンCやミネラルが豊富なので、健康的でバランスの良い体作り に役立ちます。(tnk)
日本人間ドック学会が、健康保険組合連合会と共同で、検査基準 値の有用性について、150万人の検査データを分析した結果を4月7 日に公表しました。BMIやコレステロールの基準値は大幅な緩和が 可能のようで、肩身の狭い思いをしなくてよい小太りの中年には朗報 です。(HK)
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