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くだもの&健康ニュース Vol.65
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.65
■□■ 2014年6月6日(金)配信

みなさん、こんにちは!
文献紹介で「毎日くだもの200グラム運動」の裏付けとなる研究を
紹介しています。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:アンズ
・ くだもの広場:欧米の料理人に日本料理に使うユズが注目され
         ていると聞きますがどうしてですか。
・ 文献紹介:果物と野菜を 1日7サービングで長生き
・ 花実好きの家庭果樹だより:ユスラウメ
・ 文学の中の果物:幼年時代(室生犀星)
・ くだものいちば
・ 読者から:WHOの勧告案の記事について−その2
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  杏あまさうな人はねむさうな

   − 室生犀星

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■ くだものレシピ:アンズ

○ 杏子と柚子の玄米おはぎ

 中にはアンズ、餡にはユズを。美味しい玄米ご飯のおはぎです。

材料(12個分)
 アンズ 6個、ユズ(乾燥) 大さじ1杯、玄米 2合、小豆 200g、
きび糖 180g、塩 適量

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2587566

○ 林檎と杏のフルーティーきんとん♪

 さつまいもとフルーツとユズ茶の甘み

材料(2人分)
 ドライアプリコット 10個程度、リンゴ 1個、さつまいも 3本程
度、ラム酒 少々、ユズ茶適量

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2609854

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■ くだもの広場:欧米の料理人に日本料理に使うユズが注目され
         ていると聞きますがどうしてですか。

 果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに
やって来ました。

ミカ:こんにちは。欧米の料理人に日本料理に使うユズが注目され
   ていると聞きますがどうしてですか。
博士:こんにちは。世界無形文化遺産に和食が登録されたように、
   日本食レストランは各国で人気なんだ。だから、和食の特徴
   である「だし」と同様に、独特の食材であるゴボウやユズが
   注目されているようだね。

ミカ:ユズは外国にはないのですか。
博士:ユズの原産地は中国で、海外での栽培地は、中国と韓国の
   一部の地域のようだね。でも、消費・生産とも日本が最大だね。
ミカ:日本では、ユズはどんな食べ方をしていますか。
博士:一番多いのは、果汁としての利用かな。酸味の成分のクエン
   酸は、醸造酢の主成分の酢酸に比べてまろやかな酸味を引き
   出すから淡泊な味の日本料理には最適なんだ。ちなみに「ポン酢」
   はオランダ語の「柑橘類の果汁」を意味する”Pons”との説も
   あるね。

ミカ:ほかにはどんなものがありますか。
博士:果皮を使用する柚子味噌や柚子胡椒もあるね。さらに、今で
   は、ユズを用いた和菓子の一種にもなっている「ゆべし」は、
   源平時代は菓子と言うより保存食・携帯食だったんだね。
   おもしろいことに東北地方の「ゆべし」は、柚子が入っていな
   い胡桃を入れた餅菓子なんだよ。
ミカ:「ゆべし」の名前がそれほど有名だったんですね。
博士:そうかも知れないね。ユズの使い方には、柚子湯のように食
   品以外にもあるね。江戸時代の頃からの習慣で冬の季語にも
   なっているんだよ。
ミカ:柚子だけでも1つの無形文化財ですね。

博士:フランスでは、高級フレンチの著名なシェフやパティシエが
   料理やデザートにゆずを使うようになり、ユズの使用が普及
   し始めているそうだよ。
ミカ:どんな使い方ですか。
博士:評判のクレープ屋がユズを使った商品を開発し話題になって
   いるし、ユズを使ったフランス料理レシピを紹介する本も出版
   されている。小売店でも、ユズの果汁、粉末、皮や、加工品
   (ドレッシング、ポン酢、コショウ、塩、酒、ブレンド茶)
   などが販売されているそうだよ。
ミカ:世界無形文化遺産の「フランスの美食術」を産んだ国でも、
   ゆずの良さが認められたということですね。

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■ 文献紹介:果物と野菜を 1日7サービングで長生き

 イギリス、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームは、
果物と野菜を1日7サービング以上食べる人は1サービング未満の
人と比べて死亡リスクが42%も低くなると医学雑誌に発表しました。

 研究では、65,226人の食生活研究「イングランド健康調査」を解
析した結果、果物や野菜を食べる人ほど年齢を問わず死亡するリス
クが低くなることが分かりました。1日に 7サービング以上食べる
とガンによる死亡リスクが25%、心臓病による死亡リスクも31%低
下しました。

 果物や野菜を1サービング未満しか食べていない人と比較すると、
1〜3サービングの人の死亡リスクが14%、3〜5サービングで29%、
5〜7サービングでは36%、7サービング以上では42%の低下が明ら
かとなりました。

 さらに、新鮮なサラダ1サービングごとに13%のリスク低下、新鮮な
果物1サービングでは4%の統計的に有為な低下も確認されています。

 わが国の食事バランスガイドでは、果物2つ(200g)、副菜(野
菜など)を5つ(350g)としており、本論文は、こうした食事摂取
法の有効性を支持しています。

【文献】
Oyebode, O. et al.:  Fruit and vegetable consumption and all -
cause, cancer and CVD mortality: analysis of Health Survey
for England data. J. Epid. Comm. Health,
[doi: 10.1136/jech-2013-203500]

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■ 花実好きの家庭果樹だより:ユスラウメ
 
 ユスラウメが葉っぱの陰で赤く熟していました。
さくらんぼのような赤い実は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K065phto1.html

 食べるのは少しで、ほとんど鑑賞用です。(花実好き) 

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■ 文学の中の果物:幼年時代(室生犀星)

 私どもの市街(まち)の裏町のどんな小さな家家の庭にも、果実
のならない木とてはなかった。青梅の頃になると卵色した円いやつ
が、梢一杯に撓(たわ)み零(こぼ)れるほど実ったり、美しい真
赤なぐみの玉が塀のそとへ枝垂れ出したのや、青いけれど甘みのあ
る林檎、杏、雪国特有のすもも、毛桃などが実った。

 私どもは殆んど公然とそれらの果実を石をもって叩き落したり、
塀に上って採ったりした。ちょうど七つ位の子供であった私どもは、
そうした優しい果実を掠奪してあるくためには、七、八人ずつ隊を
組んで裏町へでかけるのであった。それを「ガリマ」と言っていた。
「ガリマをしようじゃないか。」

 こう発言するものがあると、みな一隊になって果樹園町へでかけ
た。しかし、それは全然道路の方へ樹の枝がはみ出た分の果実に限
られていた。まるで南洋の土人のような、荒いしかし無邪気な掠奪
隊であった。

 だから果実の木をもつ家家の人は、子供らが道路の方へ出た分の
果実を採っていても、別に咎めも叱りもしなかった。かえって、人
のよい中年の母らしい人がにこにこ微笑(わら)って見ているのも
あったりした。
「ガリマ隊の来ないうちに。」と言って、果実を急に採り初める家
もあった。

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■ くだものいちば

 今回は、仙台市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのは、メロン、スイカ、バナナなどです。ビワ、
スモモ、サクランボ、ウメも堅調です。

ウンシュウミカンは愛知産です。
レモン、バレンシアオレンジ、グレープフルーツはアメリカ産です。

リンゴ(ふじ)は青森産です。

ビワは長崎産です。
スモモ(大石早生)は福岡産です。
サクランボ(佐藤錦)は山形産です。
ウメは山梨産です。

ブドウ(デラウエア、巨峰)は大阪、山梨産です。
イチゴ(とちおとめ、など)は宮城産などです。

メロン(アールス、アンデス、クインシー、など)は熊本、高知  、
茨城産です。
スイカは千葉、茨城産です。

バナナ、パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 読者から:WHOの勧告案の記事について−その2

 お世話になります。前号で、砂糖についてのWHO(世界保健機
構)の勧告案には生鮮食品は含まないことが分かりましたが、その
理由を詳しく教えてください。(大阪:果物屋)

【編集部より】
 メールありがとうございました。多くの方から様々なメールをい
ただきました。ありがとうございました。

 日経新聞(2014年5月11日)の記事には、「果物食べ過ぎ注意」、
「最近は糖度が上がっている。一定量の果糖などを直接摂取する
ことになる。飲料や菓子と同じく食べ過ぎに気をつけたい。」と
あります。

 しかし、WHOの勧告案で適用対象としている糖類は、主に炭酸
飲料など食品に添加されている糖類であり、生鮮果物に含まれる糖
類は適用されていません。にもかかわらず、記事中の図表に「食品
に含まれる糖類の量(例)」にリンゴとモモの生鮮果実のイラスト
が掲載されています。

 また、記事には「食事で炭水化物を取る場合は、腸でブドウ糖ま
で分解されて吸収される。これに対して、砂糖などが多い飲料や菓
子などを過剰に取ると消化の手間が省かれ短時間で吸収されやすい
ため、血糖値が急激に上がる。」とあります。

  血糖値の上がりやすさは、同量の糖質を含む食品ごとにグリセミック・
インデックスで測定され、ブドウ糖を100として指数で示されています。
デンプンが多いフランスパンは95と高いのに、リンゴは38と極めて
低いのです。従って、記事の記述は科学的に誤りです。

 最近の果物は、品種改良などから美味しくなっています。しかし、
美味しさは糖度の上昇と酸度の低下などとの兼ね合いであり、糖度
の上昇はわずかでも甘く感じます。例えば、糖度10度の果実はあま
り甘くありませんが、12度の果実は大変甘く感じます。糖度の2度は、
果物2つ(200g)摂取しても増加はたったの16kcalで、日本人の平均
エネルギー摂取量の1%にも満たないのです。

 読者の皆様からのメールをお待ちしています。

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■ 編集部より

 サクランボやビワなど初夏の果物が店頭に並んでいます。どの果
物も美味しく、これからが楽しみです。そんなときに、生鮮果物に
ついての誤解を招く誤報が出たのが残念です。(tnk)

 先日、世界三大果実と言われているマンゴーとマンゴスチン
をたらふく食べました。マンゴスチンは「果物の女王」とも言われ
ています。でも、最近の我が国の新品種の果物には負けるように感
じました。(HK)


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     編集長 田中敬一 (tnk)


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