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くだもの&健康ニュース Vol.74
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.74
■□■ 2014年10月24日(金)配信

みなさん、こんにちは!
今週は、ミカンのあれこれです。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ミカン
・ くだもの広場:最近、店頭で見かけるみかんの品種の特徴は何ですか。
・ 文献紹介:果物と野菜の摂取量が多いと心も健康に!
・ 花実好きの家庭果樹だより:甲州百目
・ 文学の中の果物:蜜柑(佐左木俊郎)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:カンキツのヨーロッパへの伝播
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  豚汁の後口渇く蜜柑かな

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:ミカン

○ トマトとみかんのサラダトースト

 両者を合わせて甘酸っぱいトーストに

材料(1人分)
 ウンシュウミカン 小房4つ程度、ミディトマト 1個、食パン 1枚、
ピザ用チーズ 適量、マヨネーズ 適量、エキストラバージンオリー
ブオイル 小さじ1/2杯、など

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2840777

○ みかんで作る豚角煮

 皮ごと切っていれたみかんの色と香りが鮮やか。さっぱりした柑
橘系を入れることで豚肉の脂っこさが和らいで食べやすいです。

材料
 ミカン 3〜4個(中)、豚バラかたまり肉 300gくらい、生姜ひと
かけ、青ネギ適量、など

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2071445

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■ くだもの広場:最近、店頭で見かけるみかんの品種の特徴は何ですか。

 果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに
やって来ました。

ミカ:こんにちは。最近、店頭で見かけるうんしゅうみかんの品種
   の特徴は何ですか。

博士:こんにちは。うんしゅうみかんは、「極早生」種が10月いっぱい
   で終了し、11月からは「早生」が始まるね。
ミカ:今頃のみかんはまだ甘さが薄いですね。
博士:そうなんだ。みかんの糖度は「極早生」、11月からの「早生」、
   12月からの「中生」、12月半ばからの「普通」の順に上がって、
   甘くなっていくんだよ。早く出回るみかんは生育期間が短い
   から仕方ないんだね。

ミカ:甘いみかんを食べようと思ったら、待つしかないですね。
博士:でも、それぞれの時期の味わいがあるから、味の変化を楽し
   むのもいいよ。
ミカ:それぞれの時期の人気品種はなんですか。
博士:日本農業新聞の「売れ筋ランキング」の高位には、「極早生」
   では「ゆら早生」、「早生」では「宮川早生」「興津早生」などだね。
   「中生」では「させぼ温州」「石地」、「普通」では「青島温州」
   があるね。

ミカ:どのように違いますか。
博士:「ゆら早生」は、「宮川早生」の枝変わりで出回りは10月後半、
   糖度が12度程度あって「極早生」の中では甘いのが特徴だね。
   「興津早生」も「宮川早生」の実生で出回りは10月中旬以降、
   糖・酸とも多く、果汁成分は濃厚。「宮川早生」は出回りは
   10月下旬以降で古くからの「早生」の代表品種。「させぼ温州」
   は「宮川早生」の枝変わりで、出回りは11月下旬以降、濃い
   果皮とじょうのう膜の柔らかさ、高糖度が特徴だね。「石地」は
   11月下旬からの出回りで、浮皮せず果汁の糖度が高く食味が
   良い。「青島温州」は12月中旬以降の出回りの大玉で、果皮
   のしまりが良く、果汁は糖・酸ともに多く、濃厚で食味の良いの
   が特徴だね。

ミカ:みかんにもいろいろな品種があるんですね。
博士:順々に出回るから、店頭で見かけたときに買いそびれないよう
   にして、旬の品種を味わうといいね。
ミカ:それぞれの味のちがいを楽しむことにします。

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■ 文献紹介:果物と野菜の摂取量が多いと心も健康に!
  
 イギリス、ウォリック大学医学部の研究チームは、果物や野菜の
摂取は、身体の健康効果だけでなくメンタルヘルスにも良いと、医
学雑誌「BMJオープン」に発表しました。

 本研究は、16才以上のイギリス人14,000人(女性44%・男性56%)
を対象に、心身の健康調査などの情報を解析したイギリス健康調査
の一部です。

 メンタル面は、精神健康福祉スケール(WEMWBS)と呼ばれる評価
法を用いました。参加者の上位15%は精神的健康度が高く、下位15
%は精神的健康が低く、16-84%が中程度と分類されました。

 本研究によると、精神的健康が高い参加者の33.5%は果物と野菜
を1日に5サービング以上食べていましたが、1サービング未満しか
食べていなかったのは6.8%でした。精神的健康度が高い人の31.4
%は、3〜4サービングを食べ、28.4%が1〜-2サービングでした。

 以上の結果から、果物と野菜の摂取量が多い人ほど、精神的幸福
度が高いことが分かりました。

 「不安定な精神状態は、身体的疾患や不健康なライフスタイル、
社会的不平などの素因です。そのため、人々が幸福感を維持するた
めの要因の解析は、非常に重要です。本研究から、果物や野菜の摂
取が精神の安定面に寄与しているとのエビデンスは、メンタルヘル
ス向上のためのヒントとなる」と研究者は述べています。

【文献】
Stranges, S. et  al.: Major health-related behaviours and
mental well-being in the general population: the Health Survey
for England. BMJ Open 2014;4:e005878 doi:10.1136/bmjopen-2014-005878
http://bmjopen.bmj.com/content/4/9/e005878.abstract?sid=b582ac0b-c4f3-4932-b6a1-bd121bc7797b

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■ 花実好きの家庭果樹だより:甲州百目
 
 寒くなって甲州百目の色づきが増してきました。
赤く色づいた甲州百目の実は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K074phto1.html
 大玉の干し柿にして味わいます。(花実好き) 

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■ 文学の中の果物:蜜柑(佐左木俊郎)

 お婆さんは、低い嗄(しゃが)れた声で、障子にうつる影に呼び
かけた。
 善三は、青い篠竹(しのだけ)を三本切って来て、何か拵(こし
ら)えようとしているのであった。昨日の午後、お婆さんから蜜柑
を買って来るように言い付かって、五銭白銅を二枚持って出て行っ
たきり、そのままお婆さんのところへ寄り付かなかったのであった
が、もうそのことも忘れているらしかった。

「昨日な頼んだ蜜柑はやあ? 善三。」
「蜜柑、どこにも、無(ね)がった。」
「蜜柑が無がったあ? ほして、銭はやあ?」
「蜜柑が無がったがら、俺、飴玉(あめっこ)買った。」
「咽喉(のど)渇いて仕様ねえがら、蜜柑買わせっさやったのに、
飴玉など買って……ほして、その飴玉はやあ? 汝(にし)あ、一
人で食ってしまったのがあ?」

 お婆さんは、粥鍋(かゆなべ)の方へ行こうとする三毛の足を引
っ張りながら、ぶつぶつとこぼした。
「一人で食(か)ねえちゃ。貞ど菊さもやったちゃ。」
「この野郎は、ほうに、仕様のねえ野郎だ。」

 その言葉の中には、幾分の愛情が籠(こめ)られていた。
「ほだって、蜜柑が無ねえもの……」
 善三は、一生懸命に竹を削りながら、ずるずるっと洟はなをすす
りあげた。
「ほんじゃ、水持って来て呑ませろ。蜜柑買って来ねえ代わり
に。」

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■ くだものいちば

 今回は、札幌市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのは、リンゴ、カキ、ミカン、ナシ、メロン、
バナナなどです。

ウンシュウミカンは和歌山、長崎、熊本産などです。
レモン、バレンシアオレンジはアメリカ産です。グレープフルーツ
は南アフリカ産です。

リンゴ(つがる、など)は北海道産などです。
ニホンナシ(新高、など)は新潟、大分産など、セイヨウナシは山
形、福島産です。
カキ(平核無、刀根早生)は和歌山、福島、新潟産などです。

ブドウ(巨峰、など)は福島、山梨、北海道産などです。
プルーンは北海道産です。

イチゴはアメリカ産です。
メロンは北海道産です。

バナナはフィリピン、エクアドル産です。
パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:カンキツのヨーロッパへの伝播

 カンキツ類のほとんどが亜熱帯や熱帯地域のアジアが原生地です。
ヨーロッパへはそこから伝播しました。こうしたカンキツの伝播の
歴史にはロマンを感じる人も多いようです。

 アリストテレスの弟子でギリシャの哲学者テオフラストス(紀元
前371年?287年)の著書からヨーロッパに最初に伝わったカンキツ
はシトロンで紀元前310年頃のことであったと考えられています。

 また、保存されている歴史的な文献を調査した結果、1400年頃ま
でヨーロッパでは他のカンキツ類は知られていなかったとされてい
ました。

 ところが、イタリア、ナポリの南東約23km、ベスビオ山の南麓に
位置する古代都市ポンペイのモザイク状のタイルを慎重に解析した
結果、庭園にオレンジの木が植えられていたことが分かりました。
79年のベスビオ山の噴火でポンペイの街が破壊されたときまでには
オレンジが栽培されていたと示唆されました。

 その後、古代ローマ時代の大邸宅で見つかった床に敷かれたモザ
イク状のタイルからも、レモンとライムの木が発見されました。

 こうしたことから、この頃のイタリアではいくつかのカンキツ類
が栽培されており、果実も収穫されていたと考えられています。そ
してその後、何世紀もかけて様々なカンキツがヨーロッパへ伝播し
てきました。

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■ 編集部より

 ラジオ大阪で果物の健康効果について解説していますが、番組終
了前になぞかけをしています。今月は柿です。ご試聴いただければ
幸いです。
 なぞかけ整いました!
 正岡子規の「柿食えば」と掛けて、ヘミングウエイの「誰がため
に」とときます。
 そのこころは 鐘が鳴っています。
 次回またメルマガでお目にかかりましょう。ごきげんよう。(tnk)

  これまで「温暖化対策」に日本では20兆円、世界では100兆円以上
が費やされたそうですが、大気中のCO2観測濃度のグラフは緩やかで
単調な直線を描いており、人為的放出CO2の急増期や削減対策による
減少を反映していないとのこと。大気中のCO2濃度はこの50年間に2割
程度増加しましたが、大気中に2500分の1を占める程度です。しかも、
CO2濃度の減少が見られない中で、気温は2001年以降低下傾向にある
そうです。(HK)


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     編集長 田中敬一 (tnk)


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