毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.76 ■□■ 2014年11月21日(金)配信
みなさん、こんにちは! 今週の健康豆知識では、脳に関する神話を取り上げました。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp ──────────────────────────────
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本日のメニュ−
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・ 季節の便り ・ くだものレシピ:カボス、スダチ ・ くだもの広場:柿には甘柿と渋柿がありますがどうしてですか。 ・ 文献紹介:地中海式食生活で腎臓病予防 ・ 花実好きの家庭果樹だより:ビワ ・ 文学の中の果物:明治時代の湯屋(岡本綺堂) ・ くだものいちば ・ 健康豆知識:「私たちは脳の10%だけしか使っていない」は神話 ・ 編集部より
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■ 季節の便り
乾鮭北より柚味噌南より到る
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:カボス、スダチ
○ マグロのカボスあんかけ
爽やかなあんかけです
材料(2人分) カボスの果汁
1個分、マグロあら 1パック、小松菜 2〜3株、 人参1/2本、など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2879391
○ 爽やかすだちバナナ
薄くスライスしたすだちとバナナの、甘くて爽やかな組み合わせ。 朝のフルーツなどにいかがでしょうか。
材料(1〜2人分) すだち
1個、バナナ 1〜2本、砂糖または蜂蜜(お好みで) 少々
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2858132
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■ くだもの広場:柿には甘柿と渋柿がありますがどうしてですか。
果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。
ミカ:こんにちは。柿には甘柿と渋柿がありますがどうしてですか。 博士:こんにちは。成熟して樹上で甘くなるのが甘柿、成熟しても 軟化して熟柿になるまで渋いのが渋柿と区分しているね。柿 の渋味はタンニンで、果実の中のタンニン細胞が口の中で壊 され、その中の可溶性タンニンが流れ出て舌を刺激するから なんだね。
甘柿では、タンニン細胞の発育が早い段階で止まった「富有」 などの完全甘柿と種子から出たアルデヒドがタンニン細胞を 凝固させ渋味がなくなる「西村早生」などの不完全甘柿がある よ。 ミカ:ゴマが出来るほど甘いといわれるのは何故ですか。 博士:良いことに気がついたね。不完全甘柿では、種子の周りにタンニン 細胞が凝固した褐色の斑点の「ゴマ」が出来るんだね。だから 「ゴマ」が多いほど渋が残っていないことになるんだね。
ミカ:渋柿にも種子がありますが、渋は抜けないんですか。 博士:「平核無」や「甲州百目」などの不完全渋柿は種子からアルデヒド を出すけど、その量が少なかったり、種子が出来にくい品種だ ね。種子の周りのわずかな部分にだけ褐班が生じるよ。「西条」 などの完全渋柿は種子からアルデヒドが出ない品種なんだね。
ミカ:渋柿はどんな方法で甘くするのですか。 博士:昔から行われている方法は「湯抜き法」といって40度前後の お湯に18時間程度漬け込む方法だね。近年行われている、「アルコール法」 は焼酎をヘタを中心に十分吹きかけ、ポリエチレン袋につめて 密閉し、室温で約1週間放置する方法、「炭酸ガス法」は果実重 の100分の1程度のドライアイスを新聞紙に包み、柿と一緒にポリエチレン 袋に詰めて5日前後室温で放置する方法だね。「湯抜き法」は 簡単だけど食味や品質面では「アルコール法」や「炭酸ガス法」 が優れていると言われているね。 ミカ:これらの方法で甘くなるのはどうしてですか。 博士:アルコールはアルデヒドになる反応を促進するし、炭酸ガスや お湯の中では柿自体の呼吸が抑えられて果実の中にアルデヒド が生じるんだ。40度くらいがアルデヒドが生じやすい温度の
ようだね。ちなみに、干し柿は干している間にタンニンが酸化
して不溶化し渋くなくなるんだね。
ミカ:渋くなくなるのは、タンニンを溶け出ないようにしているんで すね。 博士:そうだね。柿はビタミンCがみかんの2倍だし、骨粗しょう症 予防など健康機能性が注目されているβ−クリプトキサンチン も多いからいっぱい食べると良いね。 ミカ:「柿の季節は医者いらず」ということわざも理にかなっている
んですね。
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■ 文献紹介:地中海式食生活で腎臓病予防
地中海式食生活をしている人は、慢性腎疾患の発症リスクが有意 に少ないと、アメリカ、コロンビア大学の研究チームが「アメリカ腎臓 学会臨床雑誌」に発表しました。
すでに、地中海式食生活は、心血管疾患、アルツハイマー病、糖尿病、 ガンなどの予防に効果的であると指摘されています。また、不健康 な食生活が腎疾患を増やすことも分かりましたが、腎機能の低下と 地中海式食生活との関係は不明でした。
地中海式食生活とは、果物、野菜、魚介類、豆類、心臓によい脂肪 の摂取量が多く、赤肉、加工肉、菓子類が少ない食生活のことです。
研究では、被験者900人を対象に約7年間追跡調査を行いました。 また、各自の食生活を地中海式食事スコア(9ポイント評価システム) で評価しました。
その結果、地中海式食事スコアが1ポイント高まるごとに、慢性腎 疾患の発症リスクが17%低下しました。地中海式食生活の程度が きわめて高い人(5ポイント以上)は、慢性腎疾患の発症リスクが 50%も低いことが分かりました。また、急速な腎機能の低下のリスク も42%低下していました。
この研究結果をうけて雑誌編集委員は、「地中海式食生活への変更 は簡単な目標のようにも見えるが、実際に達成するのは意外に難しい のです。腎機能の維持に魔法の薬も奇跡の食事もないことは、はっきり 自覚しなければなりません。必要なのは適切な食生活と定期的な運動 の実施です。そして、ケーキは特別なとき以外には食べないこと、 それだけなのです。」と述べています。
【文献】 Khatri,
M. et al.: The Association between a Mediterranean- Style Diet and Kidney
Function in the Northern Manhattan Study Cohort. Clin. J. Am. Soc0 Nephrol.,
9: 1868-1875. (2014) [doi:
10.2215/CJN.01080114.]
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■ 花実好きの家庭果樹だより:ビワ 冬に向かって咲く花のビワが咲き出しました。 ビワの白い花は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K076phto1.html 果実を大きくするための摘蕾を遅ればせながらを急いで行います。(花実好き)
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■ 文学の中の果物:明治時代の湯屋(岡本綺堂)
毎年十月の候になると、流し場の壁や羽目に「例年の通り留桶新 調仕候」というビラが掛けられる。これは三助(東京では普通に番 頭という)に背中を洗わせる客に限って使用させる小判形の桶を新 調するという意味で、単に新調するというのではなく、その桶を新 調するに付、幾分の寄附をしてくれと云うのである。留桶を平生使 用している客は、それに対して五十銭、一円、或は二三円を寄附す るのが習で、湯屋の方では「金何十銭、何某様」と書いた紙を一々 貼り出すことになっているから、客は自分の面目上、忌でも相当の 寄附をしなければならない。悪い習慣だと批難する人もあるが、留 桶を新調するのは番頭の負担で、湯屋の主人は一切関係しない事に なっているのであるから、番頭も寄附金を募らなければ遣切れない という理窟にもなる。花柳界に近い場所や、下町の盛り場にある湯 屋では、浴客にみな相応の見栄があるから、こういう時には案外の 寄附金が集まって、番頭は留桶新調の実費以外に相当の収入があっ たという。
留桶新調のほかに、留桶を毎日使用している客は、盆暮の二季に 幾らかの祝儀を番頭に遣るのが習であった。そんなわけで、辛抱人 の番頭は金を溜めることが出来た。まだ其のほかに貰い湯というも のがあった。正月と盆の十六日は番頭の貰い湯と称して、焚物の実 費だけを主人に支払い、入浴料はすべて自分の所得となるので、当 日は番頭自身が番台に坐りやはり白木の三宝を控えて、例の「おひ ねり」の湯銭を受取るのであった。この日も浴客は普通以上の湯銭 を包んで行き番頭も一々丁寧に礼を云った。
菖蒲湯、ゆず湯、盆と正月の貰い湯、留桶新調、それらのほかに 正月の三ヶ日間は番台に例の三宝を置いて、おひねりを受取る。こ れは湯屋の所得である。こういう風に数えて来ると、なんの彼のと 名をつけて、普通の入浴料以外のものを随分徴収されたようである が、一年三百六十五日の長いあいだに、そのくらいの事は仕方がな いと覚悟して、別に苦情をいう者もなかった。今日に比べると、そ の当時の浴客は番台と親しみが深いようであった。番台には今日と 同様、湯屋の亭主か女房か又は娘が坐っていたのであるが、顔なじ みの客が来れば何とか挨拶して話しかける、客の方でも何か話して いるのが多かった。世の中が閑であったせいもあろうが、そんなわ けで双方の親しみが深いので、前にいう菖蒲湯その他のおひねりも 快く支払われたのであろう。
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■ くだものいちば
今回は、沖縄県中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのは、ウンシュウミカン、バナナ、パイナップ ルなどです。
ウンシュウミカンは熊本産などです。 バレンシアオレンジはオーストラリア産です。グレープフルーツは 南アフリカ産で、レモンも入荷しています。
メロン(アールス、など)は熊本産で、ブドウも取り扱われています。
バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 健康豆知識:「私たちは脳の10%だけしか使っていない」は神話
「私たちは、脳の10%だけしか使っていない」は神経科学の飛躍 的な進歩にもかかわらず、100年以上にわたって信じられています。
この神話の起源を調査した研究者によると、最初アルバート・アイン シュタインによって唱えられたとされていますが、その事実はない ことが分かりました。
一方、この神話は1907年頃から自己開発や能力開発を宣伝している 人たちにより利用されるようになり広まりました。
脳損傷、脳イメージング、機能、微細構造解析、および代謝研究から の証拠は、自分の脳の全領域を使用していることを示しています。 脳損傷患者の研究では、脳のほぼすべての領域が精神活動や行動 などに関与していることが分かりました。また、脳イメージングの研究 では、非アクティブな領域はないことも分かりました。脳の機能は、 きわめて高度で、各領域に異なる機能が割り当てられています。 そのため、「私たちは脳の10%だけしか使っていない」は神話です。
【文献】 Vreeman,
RC,. et al.: Medical myths. BMJ, 335: 1288-9. (2007) [PMID:
18156231]
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編集部より
リンゴの話題を取り上げたNHK総合「あさイチ」の反響は大きく、 特に「予防と治療の違い」に関心が集まりました。番組でも紹介し ましたがリンゴとニンジン+αジュースをお勧めします。リンゴ1個 とニンジン半分に、新しい食材を加えて楽しんでます。(tnk)
庭の富有柿が豊作で、「柿の季節は医者いらず」の実証実験と思って、 毎日、頑張って食べ続けています。今のところ、風邪もひかずよい 体調を保っています。(HK)
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