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くだもの&健康ニュース Vol.82
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.82
■□■ 2015年2月27日(金)配信

みなさん、こんにちは!
今週の文献紹介は、「ノルウェーの食育政策−その2」です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:パイナップル
・ くだもの広場:果物をたくさん食べている県はどこですか。
・ 文献紹介:ノルウェーの食育政策−その2
・ 花実好きの家庭果樹だより:うめ(垂れ梅)
・ 文学の中の果物:沙漠の古都(国枝史郎)
・ くだものいちば
・ 豆知識:パイナップル
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  古園や桃も李も雪の花

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:パイナップル

○ 歓声あがる 簡単パイナップルピラフ

 わっとテーブルが華やぐパイナップルボートに乗せたパイナップル
ピラフです。炊飯器使用なので簡単パーティにもぴったり。

材料
 パイナップル 1個、米 2合、ハム 4枚前後(35-50g)、パプリカ 
小さめ1個(50-80g)、オリーブオイル 小さじ1杯、カレー粉 小さじ
1〜2杯、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2614605

○ コーンライス&フルーティー帆立のカレー

 コーンライスでいただく、帆立のカレー。隠し味はパイナップル。
フルーティーで子どもにも食べやすいカレーです。

材料(6人分)
 パイナップル缶スライス 3枚、帆立むき身 250g、じゃがいも
4個位、玉ねぎ 大1/2個、赤ワイン 100cc、など

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2308504

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■ くだもの広場:果物をたくさん食べている県はどこですか。
 
 果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに
やって来ました。

ミカ:こんにちは。いろいろな果物が売られていますが、果物を多く
   食べている県はどこですか。
博士:こんにちは。家計調査の品目別都道府県庁所在市及び政令指定
   都市ランキング(平成23年(2011年)〜25年(2013年)平均)
   をみると、生鮮果実の購入数量の多い上位5市は、1位から
   盛岡市、長野市、鳥取市、秋田市、富山市だね。

ミカ:これらの都市は、品目別では何が上位ですか。
博士:盛岡市はりんご、ぶどう、グレープフルーツ、メロン、いちご、
   長野市はりんご、ぶどう、もも、鳥取市はりんご、オレンジ、
   なし、かき、すいか、メロン、バナナ、秋田市はりんご、グレープフルーツ、
   ぶどう、すいか、メロン、富山市はオレンジ、なし、すいか、
   いちご、バナナでそれぞれ10位以内に入っているね。

ミカ:上位5都市の共通点はありますか。
博士:消費量が多い品目で全国平均を大きく上回っていることだね。
   りんごでは盛岡市、長野市、秋田市は全国平均の2〜3倍、なし
   では鳥取市は全国の3倍以上、富山市も約2倍、ぶどうでは長野市、
   盛岡市、秋田市は1.5倍、かきでは鳥取市は約2倍、ももでは
   長野市は約4倍、すいかでは鳥取市と富山市は約1.5倍も食べて
   いるんだね。

ミカ:たくさん食べている果物は産地に近いからたくさん食べている
   と言うことですね。
博士:近い産地の果物もあるけど、そうでない果物もあるね。
ミカ:みかんやりんごの産地の都市はどうですか。
博士:みかん産地の近くの都市では津市8位、静岡市9位、浜松市12位、
   和歌山市14位、松山市16位で、りんごの青森市は11位でそれぞれ
   上位だね。
ミカ:大産地の近くの都市が多いのは、小さい頃から地場の果物を
   食べた習慣が、他の果物も食べるようになったと言うことです
   ね。
博士:摂取量を増やすには果物を食べる習慣が大事ということだね。

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■ 文献紹介:ノルウェーの食育政策−その2

 2002年、ノルウェー政府は、「より健康なノルウェーのための処
方箋」(食育政策)を国会に提出するにあたり、ノルウェー国民の
食生活について調査を行いました。国民の栄養調査によると、多く
の国民が脂肪分の多い食品を摂取している一方で、野菜・果物・ベリー
の摂取が少ないことが明らかとなりました。中でも青年期における
糖分の摂取は極めて多いことが分かりました。

 ノルウェーの糖分摂取量の推奨量は、1 日のエネルギー摂取量の
10%ですが、2000 年における4 歳、9 歳、13 歳の児童の糖分摂取量
は15〜18%でした。特に、13 歳の児童の糖分摂取量の65%はソーダ水
やソフトドリンク、菓子類でした。

 ノルウェーにおけるソーダ水の消費は、1950 年代と比較すると
10 倍に伸びており、ソーダ水からの糖分摂取量は、平均で1 年間に
8kg でした。また、菓子類の消費も増加傾向にありました。

 このような実態を背景に、ノルウェー政府は、国民の食生活には
問題があるとしてアクションプランを策定しました。

 アクションプランでは、ノルウェー国民が健康的な食品を容易に
選択できるようにし、幼稚園、学校、介護福祉施設等での食生活を
より良くすることを狙いとしています。

 もう一つの狙いは、国民の食品、食生活問題、栄養についての知識
を強化するとともに、健康についての社会的な格差を是正して均等化
することです。

 国民の食生活を向上するための具体的な指針は以下の通りです。
1、果物・ベリー類、野菜、芋類の摂取量を増やす。2、全粒食品、パン
の摂取量を増やす。3、魚介類の摂取量を増やす。4、乳製品と肉類の
摂取量を減らす。5、塩分の摂取を控える。6、糖分の多いソーダ、
ソフトドリンク、菓子類、脂分の多い食品の摂取を減らす。などで
す。

 こうした政策を担うのは、政府関係組織、公的な各種団体、NPO等
民間組織であり、食品安全に関する科学評議会、野菜・果物・ベリー
類情報管理局、学校給食仲間協会などが活動の中心となって政策が
実施されています。

 ノルウェーの食育政策は成功を収めつつあり、果物の一人あたり
の年間消費量は、義務的な食品表示制度が始まった1975年が78.6kg、
食育の提案が行われた2002年が121.7kg、最新の2011年が137.9kgで、
全体的には順調に消費が伸びています。一方、わが国の果物消費量
は、1975年が61.9kg、2002年が56.4kg、2011年が51.1kgと減少傾向
にあります。食品栄養表示や食育についてのノルウェーの政策は参考
になる点が多いようです。

【文献】
内閣府委嘱調査:諸外国における食育推進政策に関する調査報告書
(平成19(2007)年3月)
http://www8.cao.go.jp/syokuiku/more/research/foreign/h19-1/

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■ 花実好きの家庭果樹だより:うめ(垂れ梅)
 
 垂れ梅の花が咲き始めました。
開花した垂れ梅の花は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K082phto1.html
 紅梅より1週間遅れの開花です。(花実好き) 

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■ 文学の中の果物:沙漠の古都(国枝史郎)

 私の見つけた果樹園には椰子(やし)や檳榔樹(びんろうじゅ)
やパインアップルやバナナの大木が枝も撓(たわ)わに半ば熟した
果実(このみ)をつけて地に垂れ下がっているのであって、その果
樹園の中央所に四方を石で畳み上げた人工の泉が湧き出ていた。苔
や木の葉に蔽われてはいたが、玉のような水は濁りもせず掌に掬
(すく)って飲んで見ると一種の香味と甘味とを備えて大変軟らか
な水である。

 果樹園と泉とを見つけてからは私は急に心強くなって生活にも不
安が伴わなくなった。菜食人種の私にとっては、魚肉や獣肉の食わ
れないということもさして苦痛とは思われない――このように私が
果樹園を発見したということを例の「眼に見えぬ恩人」はどこかで
見ていて知ったと見えて、もはや果物や清水の類を持って来ること
をしなくなった。

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■ くだものいちば

 今回は、金沢市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのは、ウンシュウミカン、イヨカン、ハッサク、
デコポン、リンゴ、バナナなどです。

ウンシュウミカンは長崎、徳島産などです。
イヨカンは愛媛産、ハッサクは和歌山産、デコポンは佐賀産です。
ネーブルオレンジはアメリカ産、レモン、グレープフルーツはアメリカ
産です。

リンゴ(ふじ、王林)は長野、青森産です。

カキ(富有)は福岡産です。

イチゴ(紅ほっぺ、ゆめのか、など)は愛知産などです。
メロン(アールス、など)は静岡産などです。

バナナはフィリピン、エクアドル産です。
パインアップルはフィリピン産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ 豆知識:パイナップル

 南アメリカ大陸の熱帯地域が起源のパイナップルは、先住民のトゥピ・
グァラニ族によって栽培化されたと考えられていますが、これには
いくつかの異論もあるようです。

 パイナップルの学名(Ananas comosus)にある「アナナス」は、
先住民のパイナップルをさす言葉がその起源とされています。

 パイナップルは、コロンブスなどスペイン人に発見された後、食料
として船に積み込まれ、おもに二つのルートから世界中に広がった
と考えられています。

 一つは、太平洋を挟んでフィリピンのマニラと行き来をしていた
スペインのガレオン船によるもので、フィリピンから中国へも伝え
られました。

 二つめは、ポルトガル船によってブラジルからアフリカへ伝えら
れ、アフリカからインドへと伝播しました。こうして、16世紀の終
わり頃までには、ほとんどの熱帯地域で栽培されるようになりまし
た。ハワイに導入されたパイナップルは、ハワイにおけるもっとも
重要な果物となりました。

 パイナップルはほとんどが缶づめか、ジュースに加工されています
が、生果としても食べられます。ビタミンA、ビタミンC、カリウム
などが豊富です。

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■ 編集部より

 1975年のノルウェーの果物消費量はわが国の1.3倍でしたが、その後
差が広がり、2011年には2.7倍も多く果物を摂取しています。
生活習慣病予防に対する医科学研究の成果をいち早く取り入れた
ノルウェーの農業政策は見習うべき点が多いと思いました。(tnk)

 家計調査で、平成26年の1人当たり生鮮果物の支出金額は前年に比べ
2.5%増加しましたが、購入数量は1.3%減少しました。これは平均価格
が3.9%上昇したことによると思われます。価格が高かったりんご、ぶどう、
バナナ、いちごなどは購入数量が減少し、価格が安かったみかん、なし、
かきなどは増加しています。国産が総じて減少したにもかかわらず、
輸入果物のバナナのほかグレープフルーツやオレンジも大きく減少して
おり果物離れが心配されます。(HK)


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     編集長 田中敬一 (tnk)


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