毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□　くだもの＆健康ニュース　Vol.８３
■□■　２０１５年３月１３日（金）配信

みなさん、こんにちは！
今号では、果物の消費拡大に寄与したアメリカの食育政策の歴史を
取り上げました。
─────────────────────────────
毎日くだもの200グラム以上食べましょう！
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
──────────────────────────────

<<< 本日のメニュ− >>>

・　季節の便り
・　くだものレシピ：グレープフルーツ
・　くだもの広場：みかんやりんごを多く食べている県はどこですか。
・　文献紹介：アメリカの食育政策の歴史と成果−その１
・　花実好きの家庭果樹だより：うめ
・　文学の中の果物：独楽園（薄田泣菫）
・　くだものいちば
・　豆知識：グレープフルーツ
・　編集部より

──────────────────────────────

■　季節の便り

　　春風や野にも山にも梅の花

　　　−　正岡子規

──────────────────────────────

■　くだものレシピ：グレープフルーツ

○　夏涼風　サラダ仕立

　つきぢ田村出身、和の匠が考案したご高齢者向けに作成した、見た
目涼しげ、食べてサッパリのサラダです。

材料（4人前）
　グレープフルーツ 1/4ヶ、オレンジ 1/4ヶ、トマト ２ヶ、バジル 適量、
カッペリーニ 100g、オリーブオイル 少量、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2283400

○　ジューシー、グレープフルーツの豚肉ロール

　おいしく、楽しく、シンプルに。簡単グレープフルーツ＆豚肉の
ジューシーロールを作りました。

材料
　グレープフルーツ 1/4個、豚肉バラ肉薄切り 100g、赤ワイン又は
赤バルサミコ酢、オリーブオイル、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2752722

──────────────────────────────

■　くだもの広場：みかんやりんごを多く食べている県はどこですか。

　果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに
やって来ました。

ミカ：こんにちは。みかんやりんごを多く食べている県はどこですか。
博士：こんにちは。家計調査の品目別都道府県庁所在市及び政令指定
　　　都市ランキング（平成23年（2011年）〜25年（2013年）平均）をみると、
      みかんの購入数量の多い上位5市は、１位から静岡市、浜松市、
      和歌山市、松山市、津市だね。

ミカ：これらの都市の所在県内には大きなみかん産地がありますね。
博士：ホントだね。これらの都市の所在県でみかん収穫量のトップ１０
　　　に入っていないのは津市だけだけどそれでも11位だね。

ミカ：りんごはどうですか。
博士：購入数量の上位5市は、1位から青森市、盛岡市、長野市、秋田市、
　　　福島市で、これらの所在県はすべて収穫量トップ１０に入って
      いるね。
ミカ：なしはどうですか。
博士：購入数量の上位5市は、1位から鳥取市、新潟市、山形市、仙台市、
　　　富山市で、これらの都市の所在県で、収穫量トップ１０に入って
　　　いるのは鳥取市と新潟市のは2市だね。
ミカ：ぶどうはどうですか。
博士：購入数量の上位5市は、1位から甲府市、岡山市、長野市、盛岡市、
　　　秋田市で、これらの都市の所在県で、収穫量トップ１０に入って
　　　いないのは秋田市だけだね。

ミカ：かきはどうですか。
博士：購入数量の上位5市は、1位から岐阜市、奈良市、鳥取市、高松市、
　　　千葉市で、これらの所在県で収穫量トップ１０に入っているのは
　　　岐阜市と奈良市の2市だね。、　　　
ミカ：ももはどうですか。
博士：購入数量の上位5市は、1位から福島市、長野市、和歌山市、甲府市、
　　　岡山市で、これらの所在県全てが収穫量トップ１０に入っているね。

ミカ：なしとかきは産地県以外もあったけど、やはり産地県が多く食べて
      いると言えますね。
博士：果物の消費を増やすのは、地場や国内生産の増加が重要という
　　　ことだろうね。

──────────────────────────────

■　文献紹介：アメリカの食育政策の歴史と成果−その１

　アメリカの食育政策の柱は、生活習慣病の予防です。その代表的
な疾病であるガンの発生数は  1992年までは上昇していましたが、
その後減少に転じました。10万人あたりのガンの発生数は、1992年
がピークで510.6人でしたが、2010年には461.6人に減少しました
（文献１）。また、死亡者数では、1991年の215.1人をピークに減少に
転じ、2010年には171.8人となりました。一方、生活習慣病予防に
おける食生活改善のメルクマールである果物のアメリカにおける
年間消費量は、食育が始められた頃の1970年は88.5kgでしたが、
2010年には102.7kg に増加しています（FAO 統計より）。一方、日本
では、1970年が53.9kgで、2010年には49kgへと減少してしまいました。

　アメリカの食育の歴史は、1969年の病気と食生活に関する調査から
始まりました。この調査結果は、1977年に「アメリカの食事目標
（Dietary Goals for the United States）として報告されました（文献２）。
通称、マクガバン報告は、マクガバンレポートと呼ばれています。

　報告書では、死因のうち、事故死などを除く、心臓病、ガン、脳血管、
肝臓疾患、糖尿病、動脈硬化症などは食生活が主因であるとしました。

　それまで、栄養の問題は、栄養不足だけが問題でしたが、そうでは
ないことを科学的に明らかにしました。この食生活の目標は下記の
通りです。

（1）炭水化物の比率を（全カロリーの）55-60％に増やす、（2）現在40％
の脂質を30％に減らす、(3)飽和脂肪酸を10％に減らす、(4)多価不飽和
脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10％にする、(5)コレステロールを1日300mg
に減らす、(6)砂糖を15％に減らす、(7)塩分を3gに減らす、です。

　この目標実現のために、全粒穀物、果物、野菜、鶏肉、魚、低脂肪乳
の摂取を増やし、肉類、バター、卵、脂肪、砂糖、塩分を減らすこと
が必要であると報告しています。

　1978年、アメリカ心臓病協会は「アメリカの食事目標」を支持する
声明を公表しました。また、1982年アメリカ国立ガン研究所は、食事と
ガンに関する研究から「食生活、栄養とガン（Diet, nutrition, and 
cancer）」を発表しました（文献３）。その中で、総脂肪はガンとの
関連性が高いと考えられるとし、脂肪の比率を30％にする目標を示し
ました。そして、禁煙とともに、ガン予防には果物と野菜の摂取が
必要とする勧告を出しました。（つづく）

【文献】
1) Cancer Statistics of National Cancer Institute
   http://seer.cancer.gov/statfacts/html/ld/all.html
2) Dietary Goals for the United States(1977)
   http://zerodisease.com/archive/Dietary_Goals_For_The_United_States.pdf
3) Diet, nutrition, and cancer(1982)
   http://www.nap.edu/openbook.php?record_id=371

──────────────────────────────

■　花実好きの家庭果樹だより：うめ
　
　紅梅と垂れ梅が咲きそろいました。
咲きそろったうめの花は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K083phto1.html
　いよいよ春本番です。（花実好き）　

──────────────────────────────

■　文学の中の果物：独楽園（薄田泣菫）

　冬の果樹園で、同じ柑橘の仲間に、図体の偉大なうちむらさき。
汁の滴るやうなくねんぼ。香気の蒸すやうな仏手柑など、いろいろある
なかに、なぜあのちつぽけな金柑がなくてはならなかつたのだらう。

　それは外でもない。久しい間人生と運命との間に戦ひ馴らされて
来た、天空海濶の大きな気象をもつたものにも、どうかすると、老年
になつてまでも、幼い少年のころの無邪気な感情の傾き、小さな好き
嫌ひといつたやうなものをすつかりは離れきれないのがあるやうに、
自然はあの大きなうちむらさきや、怪奇な仏手柑では、どうしても
表現し得られない、けちで、稚拙な生命と、その幻想とを持つてゐる。
それが結実し、黄熟したのが、あの金柑の小坊主なのだ。

　一生童心の金柑よ。

　生れ落ちるときから老人じみた「佗」の持主であるあの柚子に比べて、
これはまた生涯童心の持続けで、ねつから成長といふものがない。
どちらもの一生を通じて、柚子にうら若さがないのと同じやうに、
金柑にはまた老熟といふものがない。

　成長と変化とのない生涯の寂しさ。
　それゆゑにこそ、金柑は泣いてゐるのだ。

──────────────────────────────

■　くだものいちば

　今回は、宇都宮市中央卸売市場に入荷している果物について紹介
します。入荷量が多いのは、ウンシュウミカン、イヨカン、ハッサク、
デコポン、リンゴ、イチゴ、バナナなどです。

ウンシュウミカンは静岡、愛知産、甘ナツミカンは熊本、鹿児島産、
イヨカンは愛媛産、ハッサクは広島産、デコポンは熊本、佐賀、和歌山産
です。

リンゴ（ふじ、王林）は青森産です。
キウイフルーツは愛媛産です。

イチゴ（とちおとめ）は栃木産です。
メロン（アールス、アンデスなど）は静岡、熊本産などです。

バナナ、パイナップルはフィリピン産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

──────────────────────────────

■　豆知識：グレープフルーツ

　グレープフルーツの名前の由来は、果実がブドウのように房状に
結果するためです。カンキツ類のなかでは果実が大きくて酸味のあ
る部類に入ります。

　グレープフルーツは，ブンタンとスイートオレンジの雑種と考えられて
おり、アメリカで誕生したとされています。

　東南アジア原産のブンタン（別名：ザボン、ポメロ）は、インド洋を
渡って中近東に伝わり、その後、ヨーロッパを経由して西インド諸島
に運ばれました。18世紀頃に、ブンタンとオレンジとが自然に交配して
現在のグレープフルーツが誕生したと考えられています。
グレープフルーツにはビタミンCやカリウムが多く含まれています。

──────────────────────────────

■ 編集部より

　弥生３月梅の花が咲き、寒い日もありますが春の訪れを感じる今日
この頃です。各国の食育政策を調査していると、どの国も果物の
重要性を指摘し、実際に果物の消費も伸びています。それなのに日本
では．．．．．（tnk）

　食品が持つ健康への効果を消費者庁に届け出れば事業者の責任で
表示できる新しい食品表示制度「機能性表示食品」のガイドライン案が
３月２日に、同庁から発表されました。サプリメントや加工食品だけで
なく生鮮食品にも活用できる制度で、みかん産地の熱心なＪＡでは、
みかんの含有成分「β−クリプトキサンチン」が骨の健康を保つと
いった表示に向けて準備が進められています。（ＨＫ）