毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.85
■□■ 2015年4月17日(金)配信
みなさん、こんにちは!
今号の文献からも果物に含まれる糖分は心疾患に関係しないことが
明らかに。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:スイカ
・ くだもの広場:りんごの品種は何が多いですか。
・ 文献紹介:健康的な食事で40代からの心血管疾患のリスクが30%減
・ 花実好きの家庭果樹だより:ネクタリン
・ 文学の中の果物:宮本武蔵 - 火の巻(吉川英治)
・ くだものいちば
・ 豆知識:アセロラ
・ 編集部より
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■ 季節の便り
試驗所に西洋種の西瓜哉
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:スイカ
○ パーティーに スイカのフルーツポンチ
大人数のパーティーにオススメ!出した時に「おぉ!!」、ソーダ
を注いだら「おぉ!!」2度大歓声が上がります(笑)
材料(10〜15人分位)
スイカ 中1玉、キウイフルーツ 2〜3個、ブルーベリー 1パック、
さくらんぼ缶 1缶、桃缶 1缶、みかん缶 1缶、杏仁豆腐 1パック、
パイナップル 1パック、サイダー 1本
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2995186
○ スイカスムージー
スイカの健康スムージー
材料
スイカ 大玉スイカ1/8個、ナシ 1/4個、100%リンゴジュース 200cc
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2792548
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■ くだもの広場:りんごの品種は何が多いですか。
果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに
やって来ました。
ミカ:こんにちは。りんごはいろいろな品種がたくさん出回りますが、
どんな品種が多いですか。
博士:こんにちは。農林水産省の平成24年の果樹品種別生産動態調査
からりんごの全栽培面積38千haの品種シェアを大きい順にみると、
トップが52%の「ふじ」、2位が13%の「つがる」、3位が7.8%の
「王林」、4位が7.0%の「ジョナゴールド」、5位が2.4%の「シナノスイート」、
以下、「シナノゴールド」の1.7%から、「北斗」、「弘前ふじ」、
「陸奥」、「紅玉」、「昴林」、「秋映」の1.1%までが1%台で
続いているね。ちなみにこの次は「トキ」の0.9%だね。
ミカ:ふじが半分以上と圧倒的に多いのですね。近年、増えている品種は
何ですか。
博士:平成15年産と比べると、100ha以上増えた面積順に、683ha(279%)
増の「シナノスイート」、451ha(247%)増の「シナノゴールド」、
421ha(252%)増の「弘前ふじ」、346ha(新規)増の「トキ」、
292ha(235%)増の「秋映」、196ha(86%)増の「昴林」、
151ha(94%)増の「きおう」だね。
ミカ:比較的新しい品種が急速に増加していますね。減った品種は
何ですか。
博士:100ha以上減った品種は、減った面積順に、2903ha(13%)減の「ふじ」、
1222ha(29%)減の「王林」、1098ha(29%)減の「ジョナゴールド」、
968ha(16%)減の「つがる」、563ha(73%)減の「千秋」、
465ha(49%減)の「陸奥」、289ha(68%)減の「デリシャス系」、
171ha(52%)減の「さんさ」、169ha(28%)減の「紅玉」、
134ha(33%)減の「陽光」などだね。
ミカ:「ふじ」以外の古い品種が大きく減少していますね。
博士:りんごもかんきつと同様、古い品種から新しい品種に大きく
切り替わる時代にあるようだね。しかし、圧倒的な人気のある
「ふじ」は、面積が13%減少しても全体が減っているからシェア
は52%で変わらず、晩生の「ふじ」が出回る前の「早生」、「中生」
品種の入れ替わりが大きいことになっているね。
ミカ:消費者は新しい品種の味覚を味わえるから楽しみだけど、果樹
は永年作物なので生産者は本当に大変ですね。新しい品種に
植え替える際の判断が重要ですね。
博士:産地では「ふじ」のように息の長い品種が望まれているね。
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■ 文献紹介:健康的な食事で40代からの心血管疾患のリスクが30%減
イギリス、キングスカレッジロンドンの研究チームは、果物、野菜、
全粒穀類などが中心のイギリス食事ガイドラインにもとづいた
食生活を送る男女は、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを30%まで
下げられると「アメリカ臨床栄養学雑誌」のオンライン版に発表しま
した。
研究チームは、162人の健康でタバコを吸わない男女(40-70歳)
をランダムに2群に分け、介入群にはイギリスの食事ガイドライン
に則った食事、対照群には伝統的なイギリスの食事を割り当てて、
12週間の介入を実施しました。
イギリスの食事ガイドラインの内訳は、週1回の魚、たくさんの果物
と野菜、(精製穀物に代えて)全粒穀類、(高脂肪製品に代えて)
低脂肪製品、後から添加した糖分と塩分の摂取を控えるです。
参加者には一価不飽和脂肪酸の多い調理油を配給するとともに、
おやつには(ケーキとクッキーの代わりに)果物と野菜の摂取を指導
しました。指導は管理栄養師の面接と電子メール、電話で行いました。
どれくらいアドバイスが遵守されているかは、食事記録と血液尿
検査によって確認しました。健康的な食事でカリウムや食物繊維の
摂取量が増加しました。一方、ナトリウム、飽和脂肪酸、後から添加
した糖分摂取量の低下が認められました。また、炭水化物の総摂取量
は変わらず、果物からの糖の摂取量は増加しました。
12週間の介入試験後、介入群の平均体重は1.3kg低下しましたが
対照群の低下は0.6kgに留まり、両群の体重差は1.9kgとなりました。
BMIの差は0.7、腹囲の差は1.7cmでした。
また、血圧が有意に低下し、両群間の平均血圧の差は、昼間血圧
は最高/最低が各々4.2/2.5mmHg、夜間血圧は2.9/1.9mmHgでした。
さらに心拍数も平均で1分あたり1.8拍の差がみられました。
血清コレステロール値は8%低下しましたが、2型糖尿病のリスクの
予知因子となるインスリン感受性の血中指標には有意な差は認められ
ませんでした。
以上の結果を基に研究者は、「40歳以上の男女で、健康的な食事
ガイドラインに従って食事をすれば、心血管疾患のリスクを最大30%
減らすことができる」と結論づけました。
【文献】
Reidlinger, DP.: How effective are current dietary guidelines
for cardiovascular disease prevention in healthy middle-aged
and older men and women? A randomized controlled trial.
Am. J. Clin. Nutr., online Mar. 18, (2015)
[doi: 10.3945/?ajcn.114.097352]
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■ 花実好きの家庭果樹だより:ネクタリン
鉢から庭植えしたネクタリンの花が、先週初めに満開になりました。
満開の桃色の花は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K085phto1.html
自家結実性なので1本でも実をつけます。(花実好き)
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■ 文学の中の果物:宮本武蔵 - 火の巻(吉川英治)
昼飯をたべれば、
「はやく晩になれ」
と祈るのが、いっぱいな慾念だった。
それでも時節がら、
「戦争になるか」
「なれば何日(いつ)頃?」
などと、時局談は、いっぱし熾(さか)んだったが、その心理には、
「戦争になったって、こちとらは、これ以上、悪くなりようがねえ」
という気持があるからで、ほんとにこの時局を憂(うれ)いたり、
平和の岐点をじっと案じて、どの方へ曲がるのが国と民のためだろう
などと考えているのでは決してないのである。
「――西瓜(すいか)いらんか」
いつも昼休みに来る百姓娘が、西瓜の籠を抱えて触れて来た。
石の蔭で、銭(ぜに)の裏表を伏せて、博戯(ばくち)をしていた
人足の群れで、二つ売れた。
「こちらの衆は、西瓜どうや。西瓜買うてくれなはらんか」
と、群れから群れへ唄ってくると、
「べら棒め、銭がねえや」
「ただなら食ってやる」
そんな声ばかりだった。
すると、たった一人ぽち、青白い顔をして、石と石のあいだに
倚(よ)りかかって膝を抱えていた石曳きの若い労働者が、
「西瓜か」
と、力のない眼をあげた。
痩せて――眼がくぼんで――日に焦(や)けて、すっかり変って
しまったが、その石曳(いしひき)は、本位田又八(ほんいでんまたはち)
だった。
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■ くだものいちば
今回は、札幌市中央卸売市場に入荷している果物について紹介
します。入荷量が多いのは、イチゴ、リンゴ、甘ナツミカン、グレープ
フルーツ、バナナ、パイナップルなどです。
清見は愛媛産、キンカン、不知火(デコポン)は佐賀産です。ネーブル
オレンジ、甘ナツミカンは和歌山、鹿児島、宮崎産、ハッサクは
和歌山、熊本産です。レモン、バレンシアオレンジ、グレープフルーツ
はアメリカ産です。
リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森、北海道産です。
ビワは長崎産です。
イチゴ(とちおとめ、ほのか、など)は宮城、佐賀産などです。
メロン(アンデス、など)は熊本産です。
スイカは熊本産です。
バナナはフィリピン、台湾産です。
パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 豆知識:アセロラ
アセロラは、バルバドスチェリ−、ウェストインディアンチェリー
としても知られています。アセロラは、南部テキサス、メキシコ、
中央アメリカなどカリブ海、メキシコ湾岸地域が原生地です。
現在では、南アメリカ、アメリカ南部地域で栽培されています。
果実は太くて成長の早い枝に着果します。樹高は、2〜7.5mに
なります。果実は赤く、大きさはサクランボくらいです。サクランボ
と違うのは、縦に溝があり、種子が 3個入っていることです。
果肉にはビタミンCが豊富に含まれていて、未熟なアセロラには
特に多く含まれています。果肉は生食すると酸っぱすぎるので、
ほかの果物と混合してビタミンC含量の高いゼリー、ジャム、缶づめ、
ベビーフードなどに加工されて利用されています。
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■ 編集部より
NHK「うまいッ!」で紹介したスイカに含まれている栄養分の
多さに皆さんびっくりされていいました。サプリメントより果物に
ついても納得していただきました。視聴率も良かったようです。(tnk)
ここ10年間の「果実・その調整品」の輸入数量の推移をみると、
生鮮果実も果汁も緩やかな減少傾向です。果物の消費は、国内
果実の生産が減った分を輸入果実がカバーするような関係にない
厳しい状況です。(HK)
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