毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.90
■□■ 2015年7月31日(金)配信
みなさん、こんにちは!
今号では、心疾患の患者が欧米では減っているのに日本では増えて
いるとの国立循環器病研究センター臨床研究部長の北風政史博士の
論文を紹介しています。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ナシ
・ 文献紹介:アジア、特に日本で心疾患の患者が増えている
・ 文学の中の果物:佐渡が島−波の上(長塚節)
・ くだものいちば
・ 編集部より
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■ 季節の便り
佛へと梨十ばかりもらひけり
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:ナシ
○ すいかと梨のジュース
夏にぴったり!さっぱりジュース
材料(4人分)
ナシ 1個、すいか正味 500g、レモン汁 大さじ1・1/2杯、はちみ
つ 大さじ1・1/2杯
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3308447
○ ほうれん草と梨の白和え
旬な野菜と果物で。
材料(2人分)
ナシ 1/4個、ほうれん草 100g、木綿豆腐 100g、練りゴマ 大さ
じ1/2杯、など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2890812
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■ 文献紹介:アジア、特に日本で心疾患の患者が増えている
大阪府吹田市にある国立循環器病研究センターの臨床研究部長の
北風政史博士は、心血管疾患予防のためのリスク要因である血圧や
高コレステロール血症、糖尿病などの有病率が、欧米では低下傾向
にあるが、アジアの中でも特に日本で増加していると、「アメリカ
心臓学会誌」に発表しました。
疫学研究のデータや日本政府の健康プログラムのデータを解析し
た結果、この10年以上の間、日本人では、心疾患のリスクが増加し
悪化傾向にあることが明らかになりました。日本と中国では、高血
圧の発症率が増加しており、発症率に変化のないアメリカとは大き
く異なっていました。
アメリカでは、冠動脈疾患に関連した死亡率は全体的に減少して
います。冠動脈疾患の死亡率の減少には、治療の改善や予防リスク
の減少が大きく寄与していることが明らかとなりました。
一方、日本での冠動脈疾患による死亡者数は増加しており、高齢
化と共に有病率も増加していました。
以上の結果を受けて北風博士は、日本だけでなく、アジアや世界
中の疫学研究等のデータを収集し、心血管疾患の患者の状態を把握
するとともに臨床試験のデータとを組み合わせた対策の必要性を述
べています。
【文献】
Kitakaze, M.: Trends in Characteristics of CVD in Asia and
Japan The Importance of Epidemiological Studies and Beyond.
J. Am. Coll. Cardiol., 66: 196-198. (2015)
[doi: 10.1016/j.jacc.2015.05.035]
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■ 文学の中の果物:佐渡が島−波の上(長塚節)
昨日は「ダシ」といふ嵐が越後の山から佐渡へ吹きつけたので、
此汽船は昨日のうちに新潟へ來て居て今朝解纜する筈なのであつた
が、今日の午ひる近くまで佐渡を離れることが出來なかつたといふ
ことである。余はまだ午にならぬ内から會社へ行つて待つて居たの
であるが退屈に堪へないので腰掛へ蓙を敷いてうと/\と眠つた。
起きた時には腰掛の端には菅の爪折笠を冠つた若い女が五つばかり
の子を膝へ抱いて休んで居た。女の足もとには天秤棒を横へた梨籃
が置いてあつて大きな梨が堆く積んである。女は余の起きたのを見
て、佳味い梨ざます、買うとくなはれといつた。余は一つ取つて籃
に刺してあつた庖丁でむいて見たら液汁の滴る甘い梨であつた。立
(ママ)ろに三つも噛つた。何といふ梨だと女に聞いたら、「巾着
はたき」と女がいつた。さうして佐渡の土産に十も買うとくなはれ
と復た女がいつた。余は手拭の外に包むものがないので其兩端へ括
れる丈括つた。小揚の人足のやうなのがぞろ/\と來た。一人が梨
を一つむいて佳味いといつたら他の者も佳味い/\といつて噛る。
堆かつた梨がめつきり減つた。梨の皮がそこらあたり一杯に散らば
つた。女は一つ/\に拾つて川へ棄てた。一人の婆さんがそこへ無
花果を持つて來た。小蓋のやうな箱へころ/\と入れてあつてまだ
堅相な無花果である。女の膝に抱かれて乳房に縋つて居た子は無花
果が欲しいといつてせがみ出した。余が三つ四つ買うてやつたら膝
の上で跳ね上りながら悦んだ。さうして「盆だでがんに茄子の皮の
雜炊だア、と小さな聲で怒鳴つた。女は盆踊の唄ざますといつて白
い齒を出して微笑した。乘客が追々に集まつて汽船が佐渡から着い
た時に梨賣が幾らも寄つて來てあたりは急に騷々しくなつた。女は
隅へ蹙められたやうに成つて居たが軈て毛孺子の黒い笠の紐を締め
直して、輕くなつた籃を擔いて去つてしまつた。女は終まで爪折笠
は一度もとらなかつたのである。
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■ くだものいちば
今回は、京都市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのはスイカ、メロン、モモ、ネクタリン、ブド
ウ、グレープフルーツなどです。
ウンシュウミカンは佐賀、大分、和歌山産です。
レモンはチリ、アメリカ産、バレンシアオレンジはアメリカ産、グ
レプフルーツは南アフリカ、アメリカ産です。
スダチは徳島産です。
ニホンナシ(幸水、など)は佐賀、熊本産などです。
リンゴ(ふじ、ジョナゴールド)は青森産です。
モモ(白鳳、など)は山梨、長野産などです。ネクタリンは長野産
です。
スモモは山梨、長野産です。
サクランボは北海道産です。
ブドウ(デラウェア、巨峰、アレキサンドリア、ピオーネ、など)
は山梨、奈良、鳥取、福岡、長野、岡山産です。
メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、京都、高知、山形、
北海道、青森、滋賀産などです。
スイカは鳥取、山形、石川、京都産です。
バナナ、パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 編集部より
「欧米では心疾患の患者が減っているのに、日本では増加してい
る」との北風博士の報告は考えさせられました。本メルマガで紹介
してきたノルウェー、イギリス、アメリカ等では、果物と野菜を中
心とした食育と生活習慣病予防の運動が結びついて、心血管疾患の
患者数が減るとともに果物の摂取量は大きく増加しました。
一方、かっては欧米と同程度であったわが国の果物の摂取量は停
滞しています。そのため、医の倫理を医師と共有しつつ連携し、従
来とは異なる運動の必要性を感じました。(tnk)
7月23日に開催された「くだものフォーラム」に出席してきました。
約200名の参加があり、果樹農業振興基本方針や果物摂取の健康効果
についての基調講演に続き、事例発表では、美味しい果物の生産や加工品
への様々な工夫に取り組んでいる生産者の方々や日本の果物を消費者に
届ける流通販売・加工関係の方々からの果物への熱い思いが発表されました。
今回のテーマである“くだものでつなぐ産地と消費者”のとおり、
生産、流通・加工、消費の「連携」を一層深めることの重要性を改めて
感じるフォーラムでした。(KM)
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