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くだもの&健康ニュース Vol.91
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.91
■□■ 2015年8月14日(金)配信

みなさん、こんにちは!
今号では、果物摂取とうつ病との関係について紹介しています。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ブドウ
・ 文献紹介:精製した炭水化物食品はうつ病のリスクを高める
・ 文学の中の果物:八月の星座(吉田絃二郎)
・ 電気さく施設における安全確保のお願い
・ 地球温暖化に関する2つの発表
・ くだものいちば
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  小説を好むあるじや葡萄棚

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:ブドウ

○ 果汁100%ぶどうアイス!

 何個からでも作れて、すごく簡単でいいとおもいます!

材料(10個分)
 ブトウ 10個

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3229467

○ ぶどう大福

 ブドウ味の餅で、ブドウを包みました。

材料(3個)
 ブドウ 3粒、ブドウジュース 60g、白玉粉 30g、砂糖 10g、白あん 適量

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3234821

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■ 文献紹介:精製した炭水化物食品はうつ病のリスクを高める
  
 アメリカ、コロンビア大学の研究チームは、食物繊維の少ない精
製した炭水化物食品の摂取量が多い食事は、閉経後の女性において、
うつ病(用語解説1)の新規発症リスクなどが高まると、「アメリ
カ臨床栄養学雑誌」に発表しました。

 研究では、アメリカ国立衛生研究所の「健康イニシアティブ」に
参加した閉経後の女性70,000人以上を対象に、食事のグリセミッ
ク・インデックス(用語解説2)及び炭水化物のタイプと、うつ病
との関連を解析しました。

 血糖値の上昇程度は、摂取した炭水化物のタイプと関係がありま
す。食物繊維が少なく精製度の高い炭水化物食品は、グリセミック
インデックス(GI)値が高くなります。そのため、白パン、白米や加
糖飲料などは、血糖値を下げるためのインスリンを多く必要としま
す。

 GI値とうつ病との関連を解析した結果、GI 値の高い食品を摂取
していたグループでは、うつ病の悪化リスクが高まることが分かり
ました。

 さらに、GI値の高い添加糖類、精製度の高い穀類では、閉経後の
女性においてうつ病の新規発症リスクも増加することが分かりまし
た。

 一方、食物繊維の豊富な果物や野菜(ジュースを除く)、精製度が
低く食物繊維の多い全粒穀物の摂取量が多いグループでは、うつ病
のリスクが低いことが分かりました。

 研究者らは、さらに研究が必要としつつも、うつ病の治療や予防
に、果物や野菜、全粒穀類を中心とした食生活への改善が有効では
ないかと示唆しています。

【用語解説】
1)うつ病
 うつ病とは、体の機能に支障を来すほどの強い悲しみを感じてい
る状態のことです。
2)グリセミック・インデックス(GI)
 血糖上昇反応度の指標です。糖質を50g含む食品を摂取した後の
血糖値の上昇を、基準となる食品(ブドウ糖50g)を摂取した後の血
糖値の上昇と比較し、パーセントで表した数字です。GIが高い食品
ほど血糖が急激に上昇し、インシュリンの分泌が必要となります。

【文献】
Gangwisch, J.E. et al.: High glycemic index diet as a risk 
factor for depression: analyses from the Women's Health Initiative. 
Am. J. Clin. Nutr., 102: 454-463. (2015) 
[doi: 10.3945/?ajcn.114.103846]

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■ 文学の中の果物:八月の星座(吉田絃二郎)

 白い雲が岫を出る。白い国道が青田の中を一直線に南に走る。八
月の太陽は耕作地を焦きつくすまでに燃えてゐる。幌馬車が倦怠い
埃を立てゝ走る。父は葡萄畑に立つては幾度か馬車の喇叭に耳をそ
ばだてる。東京の学校から帰る長男、県の中学から帰る次男と……
田園の父にとつて八月は楽しい待望の季節である。

 わたしは故郷の父が、わたしの帰省を待ちあぐんで母や妹たちに
隠れては、日に幾度となく停車場に出かけて行つたといふ話を思ひ
出す。

 夏の白雲がわく時、葦の間の行々子(よしきり)が鳴く時わたし
の故郷の父の墓を思ふ。母の墓を懐ふ。

 八月の故郷は一家団欒の世界である。普段は学校に囚へられてゐ
る子供たちも解放されて故郷の旧巣に還つて来る。親と子と兄弟が
十年前二十年前のなつかしい家庭の空気をとりもどす。

 父も老いた、母も老いた。だが子供たちのすく/\と伸びた健か
な赤裸々な肉体を見出す時、父も母も新婚時代にもました明るい光
明を見出す。子供等は海に飛び込み、川原に這ひ、葡萄畑にうたふ。
人生至楽の季節である。

 たゞ一鉢の朝顔が縁側に置かれてある。

 父も寄り、母も寄り、子供等も集ひ来つて一輪の朝顔を眺むる。
学校のない子供たちは時間から解放され、宿題から解放され、けさ
はじめて子供本然の素直さを取りもどして一鉢の朝顔を観ることが
できるのだ。

 南山の小径には木槿も咲いてゐる。菊はまだ早いが、芒の穂はす
でに静秋の気をほのめかす。父の後からは牧場の仔馬を想はせるほ
どにぞろ/\と子供たちが走る。子供たちは今こそ教室の窒息しさ
うな空気からも、懶い課程からも解放されて、幸福な胸いつぱいに
八月の朝の空気を呼吸しようとしてゐるのだ。

 父よ、母よ、玉蜀黍の葉はかゞやく。八月の子供たちの自由な、
解放された魂のよろこびのやうに。

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■ 電気さく施設における安全確保のお願い

 今般、鳥獣被害防止のために施設された電気さくに起因する死傷
事案が発生しました。
 読者の皆様のなかで果樹園を経営され、鳥獣害防止のための電気
さくを施設されている場合には、感電防止等のための安全対策を徹底
されるようお願いいたします。

詳しくは農林水産省HPをご覧ください。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/anzen_kakuho_20150721.html 

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■ 地球温暖化に関する2つの発表

 「26年地球温暖化影響調査レポート」と「気象変動適応計画」が公表。
 
 農林水産省では、平成19年以降、地球温暖化による農林水産業への影響
を毎年調査しており、26年度の調査レポートが7月29日に公表されるとともに、
温暖化に備えた各種対策を計画的に進めるための農林水産分野に関する「気候
変動適応計画」が8月6日に策定・公表されました。

 果樹では、高温による着色不良・着色遅延、日焼け果等が発生しており、
将来栽培適地が移動するとの予測も踏まえて、品目・品種転換なども計画的に
進める必要があります。

 26年の調査レポートでは、果樹の生産面への影響は、ぶどう、りんご等で
着色不良・着色遅延等が引き続き見られたが、近年に比べ報告は少なかった
とされています。

 また、気象変動適応計画では、温暖化への対応策として、りんご、ぶどう
等では優良着色品種等への転換のための改植、りんごでは標高の高い地域
での果樹園の整備の推進、2019年を目途に高温条件に適応する育種素材を開発
(みかん、りんご、なし)するとされています。

26年地球温暖化影響調査レポート
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/ondanka/index.html#h26_ondanka

気象変動適応計画
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/150806.html

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■ くだものいちば

 今回は、岐阜市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのはリンゴ、スイカ、ブドウ、モモ、メロン、
ナシなどです。つがる(リンゴ)の出荷が始まりました。

ウンシュウミカンは愛知、高知産などです。
レモン、バレンシアオレンジはアメリカ産、グレープフルーツは南
アフリカ産です。

リンゴ(つがる、など)は長野産です。

ニホンナシ(幸水、など)は岐阜、愛知産などです。
モモ(あかつき、白鳳、など)は長野、岐阜産などです。

ブドウ(デラウェア、巨峰、など)は山形、山梨、長野産などです。

スイカは長野、秋田、山形産などです。
メロン(アールス、タカミ、など)は静岡、愛知、岐阜、青森産な
どです。

バナナ、パイナップルはフィリピン産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ 編集部より

 農耕や牧畜が始まる前までの狩猟採取時代、私たちの脳の働きを
支えていたのは果物の炭水化物でした。脳の働きと関係するうつ病
やアルツハイマー病など精神疾患の改善に果物の摂取が有効との
データの蓄積に、「然もありなん」と思っています。(tnk)

 暑い日が続きますが、桃に続いて、ぶどう、梨など夏果実の本格的な
出回り期を迎えており、いずれの果物も美味しいですね。ついつい
買い物籠に入れてしまいます。
 ところで、8月7日に農林水産省から「26年度食料需給表」が発表に
なりました。果物の1人1日あたり消費量(純食料)は、国内生産量は
増加したものの、輸入量が減少し、全体では昨年度を下回る95.5gと
なりました。自給率は昨年を3ポイント上回る43%にアップしました。
 詳しくは次号で取り上げたいと思います。(KM)


くだもの&健康ニュース ご愛読に感謝申し上げます。

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     編集長 田中敬一 (tnk)


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