毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.92
■□■ 2015年8月28日(金)配信
みなさん、こんにちは!
今号では、朝食抜きなど食事回数を減らすことの問題点を解明した
論文を紹介しています。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:リンゴ
・ くだもの広場 果物の消費量はどのように調査しているの?
・ 文献紹介:食事をスキップすると腹部脂肪が増える
・ 文学の中の果物:詩壇への願ひ(中原中也)
・ くだものいちば
・ 編集部より
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■ 季節の便り
あやまつて林檎落しぬ海の上
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:リンゴ
○ りんごの肉巻き
お肉をさっぱりと食べたくて作ってみました。
材料(10個分)
リンゴ 半個、薄切り豚肉 10枚、大葉 5枚、オリーブ油 適量、
オイスターソース 小さじ1杯、など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3328528
○ 焼きりんご。バーベキューにはこれ。
バーベキューのおやつには最適です。下ごしらえしてコンロに放
り込むだけ。簡単です!
材料(4人分)
リンゴ 1個、バター 10g、砂糖 小さじ1杯、シナモン 少々
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3359646
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■ くだもの広場 果物の消費量はどのように調査しているの?
果物好きの姉弟のミカさんとリン太君。今日は、リン太君の夏休み
の宿題のために姉弟で博士のところにやって来ました。
リン太君、ミカさん:博士!果物のことで質問に来たのですが・・・。
おじさん:博士は外国に行っており当分帰って来ないので、おじさん
が相談に乗るよ。
リン:「毎日くだもの200グラム!」運動でも、日本の1人当たり
消費量が国際的にもとても少ないことは知っているけど、日本の
果物消費量はどのように調査してるの?
おじさん:ちょうどよかった。8月7日に農林水産省から
「26年度食料需給表」が発表になったので、これをもとに説明するね。
ミカ:「食料需給表」って、毎年、自給率を発表しているものね。
おじさん:さすがミカさん!
今日は少し詳しく説明するので、よく聞いてね。
日本の農林水産省が発表している食料需給表では、まず、国内で
消費に仕向けられる果物の総量を計算するんだ。このためには、
日本国内で生産される果物の生産量に、海外からの輸入量を加え、
海外への輸出量を差し引いて国内での消費に仕向けられる総量を算出
するんだ。一人当たり消費量は、これを人口で割れば1人1年当たり
の消費量が計算されるってわけだ。
リン:輸入されるジュースや缶詰なんかも含まれるの?
おじさん:そう、生の果物だけでなく、果物の加工品も含まれるね。
加工品の場合は、果汁や缶詰、乾燥果実など様々あるので、そのままの
重さではなくて、加工品の輸入量は生果に換算して算出しているんだ。
リン:じゃあ、国産の果物で作られた加工品は換算しなくてもいいの?
おじさん:国産の果物で作った加工品は、原料となる果物自体が
国内生産量に含まれているよね。だから、特に考えなくてもいいんだ。
ミカ:生産量や輸入量から計算されるということは、”消費量”
というより、”供給量”ってことね。
おじさん:そうだよ。正式には、”国内消費仕向量”って言うんだ。
ただ、産地で生産されたものが輸送・貯蔵され、家庭の台所に届く
までには腐ったりするので、こうして失われる分は差し引く必要が
あるよね。家庭の台所に届く段階のものを”粗食料”っていうんだ。
さらに、私たちが果物を食べる時には、皮をむいたり、芯を残し
たりするよね。この分を差し引いた可食部分に換算したものが
”供給純食料”って言うんだ。
リン:ところで、26年度の食料需給表の果物の消費量はどうなったの?
おじさん:そうそう、前置きが長くなったけど、26年度の果実の
1人1年あたり供給純食料は、昨年より5%減少して95.5グラムと
なっている。国内での生産量は2%増えたんだけど、輸入量が12%
も減ったのが原因だね。
ミカさんがさっき言ってた自給率なんだけど、国内消費仕向量に
占める国内生産量の割合(%)で計算することになるんだ。
26年度は43%となっており、昨年の40%に比べて3ポイントアップ
しているね。
リン:食料需給表のほかに、果物の消費量を調査したものは無いの?
おじさん:食料需給表のように”供給量”から計算したものではなくて、
実際に食べた食事内容を調査したものもあるんだ。
その話は、少し休憩してからにしょう。
休憩時には果物! コーヒーブレイクじゃなくフルーツブレイク!
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■ 文献紹介:食事をスキップすると腹部脂肪が増える
大規模な疫学研究などから、食事の回数を減らすと、かえって体
重が増えることが明らかとなっていましたが、そのメカニズムと疾
病リスクについてアメリカ、オハイオ州立大学の研究チームがマウ
スを用いた研究で解明し、「栄養生化学雑誌」に発表しました。
最初の実験では、試験群のマウスには1日分の食事を1回で摂らせ、
残りの時間は絶食させました。その結果、肝臓でインスリン抵抗性
が発現することが分かりました。インスリン抵抗性の発現は糖尿病
発症の前兆と考えられています。
次に、最初の3日間食事を通常の半分に制限して減量した後、少
しずつ量を増やし6日目には対照群と同じカロリーに戻しました。
その結果、試験群のマウスの体重は対照群とほぼ同じでしたが、カ
ロリーを制限した試験群のマウスの腹部脂肪は、対照群のマウスよ
りも増えていました。体脂肪が増加するとインスリン抵抗性のリス
クが高まるため、2型糖尿病や心臓病の発症リスクが増加します。
カロリーを制限されたマウスは、あるだけのエサを食べ続ける習
慣がついたため、対照群と同じカロリーに戻しても、それを止めま
せんでした。そのことが、腹部脂肪が増えた原因ではないかと研究
者らは考えています。
また、今回の研究結果は、少量の食事を分散して摂取することが
減量には良いという知見を支持しています。また、研究者らは、
摂取カロリーを減らすために食事を飛ばすことは絶対にすべきでは
ないと述べています。その理由として、インスリンと血糖値の変動
が大きくなるため、脂肪の蓄積をもたらすと指摘しています。
【文献】
Kara, L. et al.: Short-term food restriction followed by
controlled refeeding promotes gorging behavior, enhances fat
deposition, and diminishes insulin sensitivity in mice.
J. Nutr. Biochem., 26: 721-728. (2015)
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■ 文学の中の果物:詩壇への願ひ(中原中也)
今私は「私の推賞する詩人」といふ課題を貰つたのだが、今誰を
といつて格別推賞したくはない。そこで私は此の後詩が点睛を得る
ためには、どんなことが必要であらうかといふことを、考へてみる
ことにしたいと思ふ。今の詩に何が欠けてゐるといつて、感情より
も欠けてゐるものがあらうとは思へない。
扨その原因を、暗中模索の揚句、社会問題に持つて行つて、其処
で解決を得られると思ふ人も相当あるけれども、私にはさうは思は
れぬ。勿論其処にもその原因の説明に役立つ材料はあるかも知れぬ
が、根本原因はそんな所にはない。芸術不振の原因を社会の事情に
在りとする見方は、常に十分なものではない。
例へば日々報道される様々な事件が、昔人間の数の少なかつた時
よりも、人の感動を鈍らせ易いものだといふことが云へるとしても、
而も芸術とはさういふ事情の問題ではなくして、さういふ事情の中
にあつても猶感動する人がゐたら、その人が感動した感動に基因し
て表現するに到る所のものである。要は、芸術家その者の感動の深
浅が問題であつて、「事情」はあくまでも与件にしか過ぎぬ。諸君
がもし一個の林檎に如何にも惚れ惚れとしたら、それを描きたくな
るであらう。その時その林檎と、果実商組合とは何の関係もない。
要は、その林檎に如何にもほれぼれとしたら諸君は芸術家だといふ
ことだ。
林檎なぞに感動してはをれぬといふ人があるかも知れぬが、お望
みとならパンにでもルンペンにでも感動するがいい。感動したらそ
の感動がやがて芸術であり、何もその感動の誘因となつたパンが芸
術でもなければルンペンが芸術でもない。
※今は使われない言葉が含まれていますが、作品のオリジナリティ
を尊重し原文のまま掲載しています。
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■ くだものいちば
今回は、新潟市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのはナシ、ブドウ、スイカ、モモ、メロン、バ
ナナなどです。
リンゴ(つがる)は長野産です。
ニホンナシ(幸水、など)は新潟産です。
モモ(川中島白桃、など)は新潟、静岡産などです。
ブドウ(デラウェア、巨峰、など)は山形、新潟産などです。
ウンシュウミカンは愛知産などです。
レモンはチリ産、バレンシアオレンジはアメリカ産、グレープフ
ルーツは南アフリカ産です。
メロン(アールス、など)は静岡、青森産などです。
スイカは北海道産などです。
バナナはフィリピン産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 編集部より
穀類や果物などに含まれている炭水化物を摂取しないタンパク質
ダイエットや脂質ダイエットが流行しているようです。確かに3ヶ
月までは体重が減るようですが、健康上の問題点は指摘されていま
せん。例えば、オクスフォード大学の研究では、脂質の摂取量が多
すぎると心臓に脂肪がたまることが明らかになっています。また、
タンパク質の摂取量が多すぎると死亡率が高くなります。さらに、
マウスの実験では、タンパク質を過剰に摂取すると腎臓に障害が出
ることが分かりました。体重を減らすのは健康のためなのに、不健
康になったのでは元も子もないと思うのですが。(tnk)
お盆を過ぎると暑さも峠を越え、虫の音が夏の終わりを告げています。
みかんやりんごの出回りが待ち遠しくて、今号からはミカさん、リン太君
の”くだもの広場”コーナーを復活させました。これまで2人の年齢は不詳
?なのですが、ミカさんが中学生、リン太君が小学生くらいで再登場しまし
た。(KM)
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