毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.102
■□■ 2016年1月29日(金)配信
みなさん、こんにちは!
今号では、「人類の進化は、炭水化物に支えられている」を紹介し
ます。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ウメ
・ くだもの広場:果物売場を彩る真っ赤ないちご
・ 文献紹介:大きな脳に必要な炭水化物
・ 文学の中の果物:梅ちらほら(吉川英治)
・ くだものいちば
・ 読者から:低炭水化物ダイエットについて再質問
・ 編集部より
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■ 季節の便り
闇の夜は鼻で探るや梅の花
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:ウメ
○ ささみ梅肉と明太子マヨ和えのサラスパ
ささみに梅肉を和えてあっさり味に!明太子マヨと合うんです。
彩り綺麗なサラスパで
材料
梅干し 小4個、鶏ささみ 1本、明太子、酒、マヨネーズ、水菜など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl
○ かつお菜と梅干しの桜えびチャーハン
横浜のマルシェで無農薬かつお菜をゲット 梅干しと一緒にチ
ャーハンにしてみました
材料(1人分)
梅干し 1〜2個、桜えび 大さじ1〜1・1/2杯、かつお菜 40〜50g
(半枚)、エノキやしめじなどのきのこ 40g位、ご飯 1膳分など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3614256
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■ くだもの広場:果物売場を彩る真っ赤ないちご
果物好きの姉弟のミカさんとリン太君。今の旬の果物“いちご”
について勉強します。
おじさん:年末頃から真っ赤ないちごが果物売場に顔を出して、
近頃特に目立つようになった気がするね。クリスマスやお正月
の頃には赤色を使った装飾が多くて、いちごの”赤”が目立た
なかったのかなあ。
ミカ:そうねえ、果物売り場は”みかんの橙色”に負けずに、いち
ごの赤が目に入るね。私もリンも、いちごは大好き!
おじさん:いちごは子供達にも大人気の果物だね。そのまま食べた
り、ショートケーキに入っていたり、ジャムで食べることも多
いからね。
おじさんが子供の頃は、いちごは春の果物の代表で4月頃
食べた記憶があるけど、今はすっかり冬から春にかけて楽しめ
る果物になったね。
リン:へぇ〜。昔はクリスマスにいちごは無かったの。
おじさん:いちごを自然に育てると、秋から冬を越して春早くに暖
かくなると花が咲いてその後実が大きくなって収穫されるので、
4月頃からの出回りとなるんだ。クリスマス頃に食べるために
は、11月頃には花が咲くように育てる必要があるんだ。
リン:じゃあ、早く種を蒔けばいいんだね。
ミカ:リンったら、いちごは苗を植えて育てるのが普通よ!
おじさん:早く植えればいいってものじゃないんだ。
秋になると日中の時間が短くなり朝晩も涼しくなるよね。
この短日と低温によって花が咲くためのスイッチが入るんだ。
これを「花芽分化」っていうんだ。自然界では、秋に花芽分化
し、冬になると寒さのために休眠したあと、暖かくなる早春に
花が咲くんだ。
ミカ:じゃあ、この条件を人工的に作ってあげればいいってこと。
おじさん:そうだねえ。ビニールハウスで保温してあげるだけでなく、
夏に苗を低温倉庫など入れて花芽分化するよう処理する必要が
あるね。
ミカ、リン:いちごが今の時期に食べることができるのは、農家の
方達の多くの手間がかかっているんだね。感謝しなくちゃね。
おじさん:いちごは美味しいだけでなく、いろんな栄養も豊富なん
だよ。この話は次回にね。
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■ 文献紹介:大きな脳に必要な炭水化物
スペイン・バルセロナ自治大学の研究チームは、人類が大きな脳
を手に入れるためには、デンプンを消化するアミラーゼ遺伝子と、
火を用いた調理法の発達の両方が必要だったと、「季刊生物学レヴ
ュー」に発表しました。
何故、また、どのようにして人類の脳が現在のようになったのか
を理解することは、人類の進化を考えるうえで大きなテーマです。
人類が現在のような大きな脳を手に入れたのは、少なくとも300万
年以上前のことで、肉の摂取と調理法の発達がその理由のひとつと
されています。
研究チームは、考古学、人類学、遺伝学、生理学、解剖学の各領
域のデータを総合して、特に胃の形状などから、炭水化物の摂取が
過去数百万年に及ぶ人類の脳の拡張を促進するのに決定的な役割を
担っていることを明らかにしました。さらに、人類の進化には、炭
水化物を消化する唾液アミラーゼ遺伝子の数の増加と、火を用いた
調理法の発達が伴っていたことを解明しました。
肥満や食生活に関連する生活習慣病の世界的な増加に伴い、古代
の食事に注目が集まってきています。人類の代謝機能は、文明の始
まる前に摂取していた食生活において栄養状態が最適であったとい
うのが最大の理由です。
現在、動物性タンパク質と調理の役割に主要な焦点が当てられて
いますが、炭水化物、特にデンプンに富んだ食糧の重要性について
は見過ごされてきました。
研究チームは、以下の知見に基づいて食事由来の炭水化物は現代
人の大きな脳の進化に必須だったと考えています。
(1)ヒトの脳は身体のエネルギーの最大25%、血中ブドウ糖の最大60
%を消費すること。ブドウ糖は炭水化物以外のものからも合成でき
ますが、それは効率的ではありません。
(2)ヒトの妊娠と授乳にもブドウ糖が必要であり、母体の血中ブド
ウ糖が低いと母子ともに健康に影響をもたらす可能性があります。
(3)デンプンなど炭水化物は、古代の人類社会においても、果実や
ナッツ、いもなどから容易に入手できる環境で生活していました。
(4)生のデンプンをヒトはうまく消化できませんが、調理すること
によって容易に消化できる形態に変化します。
(5)ヒトでは、デンプンを消化する唾液アミラーゼの遺伝子の数が
多い(平均6個)。他の霊長類のアミラーゼ遺伝子の数は2個に過ぎま
せん。アミラーゼ遺伝子の増加によってデンプンの消化能力は飛躍
的に向上しました。いつアミラーゼ遺伝子の数が増えたかは不明で
すが、いくつかの証拠からこの100万年以内のことではないかと推
定しています。
研究チームは、ヒトのアミラーゼ遺伝子の数の増加と調理の普及
が人類の進化を促進したのではないかと考えています。食事からブ
ドウ糖を容易に摂取できるようになり、脳の進化を促進したと考え
ています。それは約80万年前ごろではないかと推定しています。
肉の摂取は、脳の進化のきっかけではあったかも知れませんが、
デンプン食品の調理とアミラーゼの進化によって脳が大きくなり、
人類をより賢くしたことは間違いないと研究チームは結論付けてい
ます。
【文献】
Hardy, K. et al.: The Importance of Dietary Carbohydrate in
Human evolution. Q. Rev. Biol., 90: 251-2568. (2015)
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■ 文学の中の果物:梅ちらほら(吉川英治)
梅と話す人
梅を画(か)かない日本画家はない。画題として、梅ほど画家に
好かれる花はないだろう。古い水墨家では、足利期の一之(し)の
梅が私は好きだ。中華には、墨梅の名手が少くないが、日本人の梅
はやはり日本の梅である。光琳の梅にいたっては、世界人の審美眼
を超(こ)えたものといえよう。抱一になって、同じ梅でも、だい
ぶ香品(かひん)が下がる。
栖鳳の梅は、雀についで有名である。六人部(むとべ)女史のは
なしによると、一生のうち何万枚の梅を描いたかしれませんと云っ
ていた。
毎年、梅の頃になると、翁は、もうろく頭巾をかぶって、湯河原
から小田原の梅園まで、必ず梅を写生しに行ったという。それが、
死ぬ前の年の冬までつづいたので、さる人が『もうそのお年まで、
あんなに梅をお描きになっているのですから、今さら、この寒いの
に、御無理をして、写生にお出かけにならなくても良さそうなもの
じゃありませんか』と、云ってみた。すると、七十八翁は、水涕
(みずばな)も氷りそうな中に立って、スケッチしていた筆をとめ、
『何を仰っしゃいます。私が梅にむかって、こうしていると、梅が
私に話しかけてくるのです。ただ、梅の枝ぶりや花を写しているわ
けではありません』
答えると、また梅にむかって、他念なかったということである。
この話の中には、名匠的な精神のうちに、よくいわれる写生の深
度(しんど)という問題がふくまれていておもしろい。
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■ くだものいちば
今回は、横浜市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹
介します。入荷量が多いのは、ミカン、イヨカン、リンゴ、イチゴ、
キウイフルーツ、バナナなどです。
ウンシュウミカンは愛媛、静岡、神奈川、和歌山、大分産です。
ネーブルオレンジは和歌山産、ハッサクは和歌山産です。
甘ナツミカンは宮崎産、イヨカンは愛媛産、ポンカンは愛媛、山口
産、デコポン(不知火)は熊本産、キンカンは宮崎産です。
レモンは愛媛産、ユズは高知産、スダチは徳島産です。
リンゴ(ジョナゴールド、紅玉、ふじ、王林、金星)は青森、秋田
産です。
カキ(富有、など)は岐阜産です。
イチゴ(紅ほっぺ、とちおとめ、など)は栃木、静岡、茨城産などです。
メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、熊本、宮崎産などです。
スイカは沖縄、熊本産です。
キウイフルーツは和歌山、茨城、愛媛産です。
パイナップルは沖縄産、バナナはフィリピン産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 読者から:低炭水化物ダイエットについて再質問
低炭水化物ダイエットへのご回答ありがとうございました。炭水
化物の摂取が必要なことは分かりました。にもかかわらずなぜ、民
間療法のタンパク質や脂質ダイエットが流行しているのでしょうか。
(メルマガネーム:ダイエットが気になる男)
【編集部より】
メールありがとうございました。恐らくその訳は、3ヶ月に限る
と、民間療法のタンパク質や脂質ダイエットの方が体重減少量が大
きいためと推測しています。でも、体重が減少しても不健康になっ
たのではもともこもありません。
ダイエットの最終目的は、生活習慣病を予防して、健康の維持・
増進を図ることですが、タンパク質や脂質ダイエットでは、心臓病
や腎臓病などの健康リスクが高くなります。それに、6ヶ月後の体
重減少量はどの方法でも変わらないので、健康的な果物・野菜中心
の炭水化物ダイエットが有利です。
そこで、果物・野菜中心の炭水化物ダイエットの成果を紹介し
ます。体重が重くメタボリックシンドロームになっていた100人以
上を対象に行われた臨床試験で、6ヶ月後の体重減少量は、男性で
16kg、女性では14kgも減少しました。月に直すと2kg以上の減少で
す。
また、健康の指標である血糖値、血圧、中性脂肪なども大幅に改
善されました。そして、果物の摂取量は毎日握り拳5個以上でした。
一週間にではありません、毎日、握り拳5個以上です。
果物などから供給される炭水化物は、脳や赤血球の唯一のエネル
ギー源であるばかりでなく、筋肉のための大切な燃料でもあります。
その証拠が、最近、東京医科歯科大学の研究から明らかとなりま
した。報告では、過度な炭水化物制限は、脳細胞を栄養不足に導き、
アルツハイマー病を悪化させることが分かりました。そのため、適
切な糖分を含む果物の摂取が健康の維持・増進には必須なのです。
こうしたい医科学的なエビデンスをもとに、WHO(世界保健機
関)は健康的な食事のために、果物と野菜を毎日少なくとも握り拳
5個分以上摂取することが必須であると勧告しています。従って、
ダイエットにも効果的で、人類の基本的な食材である今が旬の果物
を毎日少なくとも200g以上摂取することをお勧めします。
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■ 編集部より
ダイエットに対して、炭水化物悪玉説が最近の風潮のようです。
しかし、今回紹介した文献からもブドウ糖など炭水化物が人類にと
って必須であることが分かります。さらに、アメリカ糖尿病学会な
ども、炭水化物摂取の重要性と、低炭水化物ダイエットの危険性を
指摘しています。果物には、ブドウ糖など炭水化物だけでなくビタ
ミンやミネラルも豊富です。(tnk)
暖冬と思っていたら、一転して台湾や沖縄でも雪が降るなど、近
頃寒暖の差が極めて大きくなっていますね。読者の皆様も健康管理
には是非とも気を付けてくださいね。(KM)
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