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くだもの&健康ニュース Vol.111
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毎日くだもの200グラムメールマガジン

□■□ くだもの&健康ニュース Vol.111
■□■ 2016年6月10日(金)配信

みなさん、こんにちは!
今号では、「果物を摂取している妊婦の乳児は、認知発達が良好」
であることが見いだされたことを紹介しています。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
  http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ウメ
・ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その6)
・ 文献紹介:果物を摂取している妊婦の乳児は、認知発達が良好
・ 文学の中の果物:梅にうぐいす(北大路魯山人)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:ジャパニーズメドラーとは?
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  青梅のすゞなりけらし神の前

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:ウメ

○ うめの手毬ずし

 さっぱり味の梅で簡単お寿司の出来上がり!

材料
 梅干し 1個、レモン汁 少々、生ハム 三枚、スモークサーモン 
三枚、ご飯 一合、大葉 三枚、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3899414

○ アボカド梅エビマヨグラタン

 女子が喜ぶ簡単グラタンが出来ました!

材料
 梅干し 1個、アボカド 1個、エビ 4尾、玉ねぎ(スライス) 適
量、マヨネーズ 大匙1杯、チーズ 適量、パン粉 適量

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3899439

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■ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その6)

 果物の消費量が少ない働き盛り世代(20〜40歳台)を対象にした
アンケート調査を中央果実協会が実施しました。調査結果について
ミカさん、リン太君と一緒に見てゆきましょう。

おじさん:今回は、果物の摂取頻度が多い「果物好き」に焦点を当
  てて、自身の生活に対する充足感や生活の中における経験値に
  ついての状況を勉強しようね。

ミカ、リン:私たちと一緒の「果物好き」の人って、普段の生活に
  対する充足感や日常行動がどのようなものなのか興味深いね。
  
おじさん:調査では、普段の生活で「人生を楽しんでいるか」とか、
  「自分のことを健康だと思うか」などについて質問し、果物を
  食べる人とほとんど食べない(月1日未満)での回答状況を
  比較したんだ。
   「人生を楽しんでいる」と答えた人の割合は、果物を食べる
  人(月1日以上)は70%、ほとんど食べない人(月1日未満)
  は53%となっているね。ほぼ毎日果物を食べている人は75%
  が「人生を楽しんでいる」と答えているんだ。
   もちろん、果物を食べて無い人でも約半数の人は人生を楽し
  んでいると答えており、果物を食べなければ人生が楽しくなら
  ない訳では無いけどね。

ミカ:このほかに果物好きの人が答えた割合の高い質問はどんなの
  があるの?

おじさん:「規則正しい生活をしている」と答えた人は、果物を食
  べてる人が60%、食べていない人が42%だね。また、「国産の
  食料を購入するよう心がけている」と答えた人は、果物を食べ
  ている人が64%、食べてない人が41%だね。同じように、果物
  を食べている人の回答割合が高い質問は、「家族とのコミュニ
  ケーションを積極的に図っている」、「季節の行事や旬を大切
  にしている」、「暮らしや生活が楽しくなるよう自分で工夫し
  ている」などだね。

リン:健康に対する考え方なんかはどうなの?

おじさん:「健康に気を遣い、積極的に健康に関する情報を集めて
  いる」では、ほぼ毎日果物を食べている人で74%、ほとんど食
  べて無い人で30%となっているね。また、「健康に良いと言わ
  れたことは積極的に試してみる」では、食べている人は71%、
  食べてない人は32%だね。
   果物を食べている人は、健康に関して積極的に行動している
  ってことだね。
   ミカさんやリン太くんは、自分で果物の皮を剥いたり、観光
  農園での摘み取り体験などはあるの?
  
ミカ、リン:もちろん、自分で皮を剥くし、観光農園には良く行く
  よね。道の駅などの直売所で地元の果物を買うのも楽しいね。

おじさん:果物を食べている人は、ミカさんやリン太くんと同じよ
  うな回答をしているね。このほか、果物好きは「通販を利用す
  る」割合も比較的高い傾向にあるようだね。

   「果物好き」の人の行動って、少しは見えてきたかな。次回
  はこの連載の最終回で「果物好きの人」の印象についてだよ。

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■ 文献紹介:果物を摂取している妊婦の乳児は、認知発達が良好

 カナダ・アルバータ大学の研究チームは、妊婦が果物を摂取して
いると、乳児の学習や発育に好影響を与えることを初めて確認した
と、「Eバイオ医学」に発表しました。

 今までに、果物を摂ると心臓病や脳卒中など、様々な健康リスク
を下げることが明らかにされてきました。

 本研究では、カナダの幼児とその家族が参加している全国出生コ
ホート研究であるカナダ健康乳幼児縦断発育研究からのデータを解
析しました。

 データ解析にあたっては、家庭の収入、両親の教育、妊娠期間な
ど、子供の学習と発育に影響を与える因子を調整し、IQスケールモ
デルにより解析しました。

 その結果、妊娠中の母親が、果物やフルーツジュースなどを、1
日に、6または7品目摂っていると、その子供は生後1年で、平均し
て得点スケールが6〜7ポイント高めであることが分かりました。

 以上の結果から、妊娠中に果物の摂取が多めであった母親の子供
は、1歳での発育テストの成績がより優れていることが初めて見い
だされました。そのため、研究者らは、今後の研究が必要であるが、
現状において妊婦はカナダの食品ガイドラインの推奨摂取量に従い
果物の摂取を勧めています。

 今後、妊娠中に母親が果物を摂取した効果の有効性が子どもにど
のくらい持続するかについて検討することを計画しています。

【文献】
Bolduccorrespondenceemail, F.V.et al.: Cognitive Enhancement 
in Infants Associated with Increased Maternal Fruit Intake 
During Pregnancy: Results from a Birth Cohort Study with 
Validation in an Animal Model. EBioMedicine, (2016) 
[DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.ebiom.2016.04.025]

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■ 文学の中の果物:梅にうぐいす(北大路魯山人)

 ここでまた歌人は笑う。女のひとはいくつですかと聞かれると、
大ていホホホと笑う。いいお天気ですね、といってもホホホと笑う。
そんなに楽しいかというとそうではない。楽しくなくとも笑うもの
らしい。

 わたしはそこで、
「料理だって、まぐろの刺身と、なんとを取り合わせるといっても、
やはりいろいろあるとお返事するより仕方がないでしょう」
「ホホホ」

 ここでもまた歌人は笑う。ホホホといったのだからケキョと啼く
かと思えるばかりのあでやかな声である。
 あまり長居されても困るので、こっちから話し出さねばならぬ。
「うぐいすに配するなら、さしずめ梅というところでしょうね」

 女流歌人は、意外という顔つきで、こんどは笑わない。
「先生」
「うん……」
「梅にうぐいすでございますか」
「さよう」
「あの、梅にうぐいすなどは、歌の方で申せば、あまり使い古され
ておりますんでございますが……いかがなものでございましょう?」

「使い古されているのは、歌のほうの話でしょう。梅は年々新しい
蕾(つぼみ)を持つ、うぐいすは年毎(ごと)に新しく生まれます
よ、奥さん」

 彼女はいおうかいうまいかと、しばしハンカチをひねっていたが、
思い切っていった。
「先生、梅にうぐいすでは、あの、あまり陳腐ではございませんで
しょうか」

 わたしは呆(あき)れて尋ねた。
「それでは伺いましょう。あなたはなんのために歌を作られるので
しょう。いや、なんのためといって悪ければ、なにを表現しようと
なさいますか」

「それは先生、真実を表現することでございますわ」
「真実を表現するためには、真実を見出(みいだ)すことが必要で
はないでしょうか」
「もちろんでございますとも」

「それならうぐいすはどんな木に止まりますかね」
「それは、だからいろいろでございますわ」
「うーむ。これはおもしろい。あなたのうぐいすは浮気ものですね。
わたしの庭に来るうぐいすは、やはり、梅の木に止まります。毎年
春になると、母親のうぐいすが、子供をつれて梅の木にまいります
よ。そして母うぐいすが、子うぐいすに、うたを教えるのです」

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■ くだものいちば

 今回は、名古屋市中央卸売市場北部市場に入荷している果物につ
いて紹介します。入荷量が多いのは、ウメ、ブドウ、メロン、リン
ゴ、スイカ、バナナなどです。サクランボ、モモ、ビワも入荷中です。

ウンシュウミカンは佐賀産です。レモンは広島産です。
ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、グレープフルーツはアメ
リカ産です。

リンゴ(ふじ、王林)は青森産です。

モモ(さおとめ)は静岡、山梨、愛知産です。
スモモ(大石早生)は高知産です。
サクランボ(高砂、など)は山梨、山形産です。

ウメ(南高)は和歌山産などです。
ビワ(田中、茂木)は愛媛、香川産です。
ブドウ(デラウェア、など)は島根産です。

メロン(アールス、アンデス、クインシー、など)は静岡、高知、
熊本、茨城、長崎産です。
スイカは愛知、熊本産です。

バナナ、パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:ジャパニーズメドラーとは?

 中国が原生地のビワは、バラ科の常緑果樹の小木で香りのよい白
い花をもち、しばしば観賞用としても栽培されています。果皮は黄
色に色づき洋ナシに似た形で、酸味のある香りをもっています。

 中国から日本に導入された時期は古く、天平宝字6年(762)の正
倉院文書にも記録があります。1775〜1776年に長崎出島に来目した
スウェーデンのツンベルグ(1743〜1828)は、わが国の植物を採
集・記録していますが、その中にビヮが栽培されていると記載して
います。

 今日では、東アジアだけでなくカリフォルニア、フロリダ、ハワ
イ、南ヨーロッパやイスラエルでも栽培されています。

 欧米では、アジアテイストとして人気のあるビワをジャパニーズ
メドラー、あるいはジャパニーズプラムとも呼んでいます。果実は
生食されますが、パイやジャム、サラダ、リキュール用、シチュー、
キャンディーなどとしても利用されています。ビワはβ-カロテン
の優れた供給源です。

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■ 編集部より

 妊婦も果物摂取が大切であるなど、果物の優れた点が、次々に明
らかにされています。でも、機能性成分にこだわっていては、こう
した優れた研究を見落としてしまいます。もう機能性成分にこだわ
ることは止めた方が良いでしょう。(tnk)

 6月に入り、関東もいよいよ梅雨入りのようです。この時期にな
ると、山形では露地の「さくらんぼ狩り」がスタートし、摘み取り
の後は温泉に入って一息・・・というのが恒例です。
 果物は、摘み取ってすぐに美味しく食べることができ、季節感も
味わえる素晴らしい食べ物ですね。(KM)


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     編集長 田中敬一 (tnk)


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