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くだもの&健康ニュース Vol.119
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□■□ くだもの&健康ニュース Vol.119
■□■ 2016年10月14日(金)配信

みなさん、こんにちは!
今号は無花果(イチジク)づくしです。
WHO(世界保健機関)は「加糖した清涼飲料水に課税」とともに、
「果物の摂取促進」も勧告していることを忘れないでください。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>

・ 季節の便り
・ くだものレシピ:イチジク
・ 低炭水化物ダイエットの問題点−その5
・ 文学の中の果物:植物一日一題(牧野富太郎)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:イチジク
・ 編集部より

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■ 季節の便り

  黒板塀無花果多き小道かな

   − 正岡子規

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■ くだものレシピ:イチジク

○ 豚肉と無花果ロースト、ブルーチーズソース

 やわらかいヒレ肉でお洒落なメイン料理を作ってみよう。

材料(4人分)
 イチジク 2個、豚ヒレ肉 1本 、塩、コショウ 少々、バター
大さじ1杯位、など。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2276810

○ ドライ無花果ショコラ*大人のスイーツ

 オーブンでドライしたイチジクのチョコレートがけ!オールスパ
イスや洋酒の風味でシックで大人のスイーツに。、

材料(作りやすい分量)
 イチジク 2?3個、製菓用チョコレート 50g、オレンジキュラソー
小さじ1/2杯、オールスパイス 小さじ1/4杯、ピスタチオ 小さじ1杯。

作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/4101184

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■ 低炭水化物ダイエットの問題点−その5

 WHO(世界保健機関)が、「砂糖(炭水化物)を多く含む清涼飲
料水に課税を」との勧告を出しました。その根拠は、疫学調査から
生活習慣病の発症と加糖した清涼飲料水の摂取量が相関することな
どが明らかになったためです。言い換えると、余分な糖分の源は、
主に清涼飲料水からであることが分かりました。

 従って、果物摂取とは関係ないのですが、果物に対する誤解も増
えるかも知れません。一方で糖質を極端に制限する低炭水化物ダイ
エットへの関心が高まる可能性もあります。そこで、果物・野菜中
心の推奨炭水化物ダイエットと低炭水化物ダイエットの健康効果を
比較します。

 低炭水化物ダイエットには様々ありますが、1972年にロバート・
アトキンス医師が作成したアトキンスダイエット(アトキンス栄養
アプローチ)がもとになっています。タンパク質や脂肪の摂取を強
調しつつ炭水化物を極端に制限するダイエット法です。

 ご飯やパン、麺類、アルコールを完全に非摂取とし、ナッツ、果
物、ニンジン、ポテトサラダなども制限します。一方で、肉、卵、
チーズなどの摂取が推奨され、油脂類も制限せず、食塩の利用を勧
めています。水も一日あたり8杯飲む必要があります。また、最初
は運動は減量に不可欠ではないとしていましたが、最近では健康上
の利点があると認めプログラムを変更しました。

 典型的な低炭水化物ダイエットでは、炭水化物の摂取量を総カロ
リーの約10パーセント以下にすることを強調しています。わずかに
摂取が許されている野菜にはブロッコリーやセロリ、ピーマンなど
があります。さらに厳しい炭水化物ダイエットでは、炭水化物の総
摂取量を20g以下にする極端なダイエット法もあります。

 こうした低炭水化物ダイエットを勧めている人たちは、体重を減
らせるだけでなく2型糖尿病や心臓病などに関連する健康問題も改
善できるとしています。例えば、低炭水化物ダイエットでは、最初
の2週間で体重が6.8kg減らせると述べています。しかし一方で、誰
でも可能な典型的な結果ではないことも主唱者は認めています。ま
た、この最初の体重減少は体の中の水分の損失である可能性も併せ
て認めています。

 一方で、私たちが推奨している適切な量の炭水化物(総カロリー
の55%前後)を摂取する食事バランスガイドや地中海式ダイエット
で代表される脂肪の摂取量を減らし、果物・野菜の摂取量を増やす
ダイエット(推奨炭水化物ダイエット)があります。

 低炭水化物ダイエットと推奨炭水化物ダイエットを比較してみる
と、最初の2週間では低炭水化物ダイエットの方が体重が減ります
が、長期では両者はほぼ同じです。言い換えると、低炭水化物ダイ
エットの方が減量効果が大きいことを示す証拠はないのです。実際
長期になると食べ物の選択肢が限られている低炭水化物ダイエット
では、好きな食べ物が食べられないとして続けることが難しいこと
も分かってきました。

 また、低炭水化物ダイエットを推奨している人たちは、メタボリ
ックシンドローム、糖尿病、高血圧や心血管疾患などに関連する指
標が改善すると主張していますが、推奨炭水化物ダイエットの改善
効果も勝るとも劣りません。さらに長期的(2年以上)でみると、
推奨炭水化物ダイエットの生活習慣病の予防効果は医科学的に明ら
かですが、低炭水化物ダイエットには証拠がありません。

 ガンや循環器疾患の専門医は、動物起源の脂肪やタンパク質を大
量に食べると心臓病やある種のガンのリスクが高まるので、「推奨
できない」と述べるとともに、食生活を医科学的な根拠が十分にあ
る推奨炭水化物ダイエットに改善することを勧めています。

 さらに、低炭水化物ダイエットには、いくつかの副作用が知られ
ています。例えば、頭痛、目まい、疲労などです。また、食物繊維
やビタミン、ミネラルの摂取不足などの栄養不足や便秘、下痢、吐
き気などの健康上の問題がおきる可能性があります。

 低炭水化物ダイエットは、利尿薬、インスリンや経口糖尿病薬を
摂取している場合は避けることをお勧めします。少なくとも医師に
相談することが必要です。また、重度の腎臓病の人は、このダイエ
ットを行うべきではありません。妊娠中または授乳している女性に
も適していません。

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■ 文学の中の果物:植物一日一題(牧野富太郎)

 イチジクの別名として九州地方にはトウガキ(唐柿)の方言があ
る。これはその形が円くて味が甘いからそう呼んだものだ。またウ
ドンゲという方言があるが、これは無花果の一名を優曇鉢と称える
からであって、それはめったに花の咲かないことを意味した名だ。

 無花果は西アジア、ならびに地中海地方の原産で、遠い大昔から
その食用果のために栽植せられており、中国へも無論その辺の地方
からはいりこんだものであろう。クワ科の落葉樹でその学名を Fic
us Carica L. といい、俗にその果を Fig と呼ばれる。種名の Car
ica は小アジアなる Caria からの名である。

 無花果、果たして花はないか。否な花がないのではない。ただ外
方より見て見ることが出来ないだけである。実際はその果の内部に
小花が填充しているのである。すなわちその花序は閉頭総状花であ
る。言葉を換えていってみれば、これは変形せる一つの総状花穂
(raceme)である。そしてその嚢体が裏返って外が内になり、すな
わち外にあって咲くべき花がみなそのために内に潜んで天日を仰が
ずに暗室で咲いているのである。

 今ここにそのしかるゆえんを説明するために、私は次の図を創意
してみた。すなわちこれでみればその状が一目瞭然であろう。誰で
もなるほどと合点が行くであろう。すなわちその花穂の中軸が段々
と膨大して頂の方から窪みはじめて陥ちこみ、漸次にその度が増し
てついにはこれを包んでしまい、花はみなその中へ閉じこめられる
のである。そして今想像してみると、その常態の花穂から始まって
ついに閉在花穂成立までの過程は、どれほど悠久な地質的年代を経
過し来ったものかはとても考え及ぶところではない。もしそこにそ
の原始型の化石でもあれば、あるいはおよその年代も多少推測が出
来るかも知れない。

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■ くだものいちば

 今回は、広島市中央卸売市場中央市場に入荷している果物につい
て紹介します。入荷量が多いのは、リンゴ、カキ、ミカン、ブドウ、
バナナなどです。

ウンシュウミカンは広島、和歌山産です。スダチは徳島産。カボス
は大分産です。
グレープフルーツは南アフリカ産です。レモンはガテマラ産です。

リンゴ(つがる、ふじ、など)は青森、長野産です。
ニホンナシ(豊水、新高、など)は長野産などです。
カキ(西村早生、刀根早生、太秋、西条、など)は福岡、和歌山、
鳥取産です。

クリは山口産です。
ブドウ(巨峰、ピオーネ、ベリーA、など)は長野、岡山、広島産です。
メロン(アールス、など)は静岡産です。

バナナ、パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。

「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do

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■ くだもの豆知識:イチジク

 イチジクはクワ科に属しています。南西アジア原産と考えられて
いますが、地中海沿岸にも古くから自生していました。洋ナシ型で
多くの種子を含む甘い果実は、狩猟採集時代から食べられており、
6000年以上前から栽培されています。

 イチジクは、古代エジプト人、ギリシャ人、ローマ人に知られて
おり、ローマ人はイチジクを即効的な栄養補給源と考えて、剣闘士
に与えたと伝えられています。1600年頃スペイン人によってアメリ
カ大陸に持ち込まれ、 1770年頃にはフランシスコ会の修道士によ
ってカリフォルニアに植え付けられました。

 果実は生食されますが、シチュー、缶詰にも利用されており、カ
ルシウム、カリウム、鉄、銅などのミネラルやビタミンA、食物繊
維などのよい補給源です。

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■ 編集部より

 WHOによる「加糖した清涼飲料水に課税」勧告は、果物の摂取促
進とは無関係ですが、逆風になるかも知れません。今後の報道等を
注視していく必要があると考えています。当面は、低炭水化物ダイ
エットが問題です。(tnk)

 今年も果物に関する食育セミナーを開催し、管理栄養士等を養成する
大学のご協力をいただき、学生の皆さんを対象に、果物摂取と健康につ
いての講演を続けています。昨年は2か所での開催でしたが、今年はそ
の2倍以上を目指して頑張っています。(KM)

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