毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.123
■□■ 2016年12月16日(金)配信
みなさん、こんにちは!
ヨーロッパのクリスマスには果物は欠かせません。今号では、イギ
リスとドイツの伝統的なお菓子を紹介しています。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:ドライフルーツ
・ 文献紹介:遺伝リスクが高くても健康習慣で心臓発作が大幅減
・ 文学の中の果物:若草物語(ルイザ・メイ・オルコット/水谷まさる訳)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:ライチーと楊貴妃
・ 編集部より
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■ 季節の便り
八人の子供むつましクリスマス
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:ドライフルーツ
クリスマスに、イギリスでは、ドライフルーツの入ったプディン
グを、ドイツではドライフルーツ入りの焼き菓子シュトーレンを作
るのが伝統です。
○ フルーツプディング X'masにぜひ
クリスマス会に作った思い出があります。自然な甘みで美味しい
ですよ。
材料(4人分)
フルーツ類は合わせて 250gくらい − ドライフルーツ(レーズ
ンやチェリーやアンズなど)、缶詰フルーツ(桃やみかんなど)、
リンゴ 半分(小さめなら1個) −
牛乳 150cc、砂糖 40g(大さじ3杯)、たまご 2個、パン粉
(生パン粉でもOK) 1/4カップ
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/2439432
○ フルーツたっぷりクリスマス シュトーレン
ドライフルーツたっぷり ドイツのクリスマスシュトーレン
材料(2本分)
ドライフルーツ − イチジク 40g、レーズン 130g、オレンジ
ピール 65g、クランベリー 50g、クルミ 45g −
スパイス シナモン、カルダモン、クローブなど、強力粉、ドラ
イイースト、牛乳、卵黄、バター、ブランデー、など
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3695753
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■ 文献紹介:遺伝リスクが高くても健康習慣で心臓発作が大幅減
アメリカ、マサチューセッツ総合病院の研究チームは、遺伝リス
クが高い人であっても、健康的な生活習慣をしていれば、心臓発作
または類似した疾患の発症率を半減できると、医学的に最も評価の
高い「ニューイングランド医学雑誌」に発表しました。
研究チームは、4つの大規模研究に参加した5万5000人以上を対象
に遺伝子データと臨床データを解析し、健康的な生活習慣と遺伝リ
スクとの関係について検討を行いました。
「地域動脈硬化症リスク研究」、「女性ゲノム健康調査」、「マ
ルモ食事・ガン研究」では、おおよそ20年間にわたって追跡調査が
行われました。また、「バイオイメージ研究」では、冠状動脈のア
テローム性動脈硬化症(用語解説)の存在など、様々なリスク因子
の有無についても調査しました。
また、心臓発作のリスク増加に関連することが知られている50種
類の遺伝子変異をもとに、調査対象者ごとに遺伝子リスクスコアが
作成されました。
さらに、生活習慣因子は、1 喫煙しない、2 肥満ではない(BMI30
未満として定義)、3 週に少なくとも一度運動する、4 果物と野菜
中心の健康的な食生活、の4つの観点から判定しました。そして、
参加者の生活習慣の健康因子を、「良い」から「良くない」の5段
階で評価しました。
研究では、遺伝子リスクスコアおよび生活習慣因子が、心臓発作
の発症率、閉塞冠状動脈の開通手術の必要性、あるいは突然心臓死
の発生率にどれほど関連するか調査しました。また、「バイオイ
メージ研究」の参加者を対象に遺伝因子および生活習慣因子と冠状
動脈アテローム性動脈硬化症の程度と比較しました。
その結果、3つの大規模な追跡研究の全てにおいて、冠状動脈症
の発症率は、遺伝子リスクスコアが高くなるにつれて有意に増加し
ました。特に、最も遺伝子リスクスコアが高い群では、最も低い群
と比較してリスクが1.9倍になりました。
家族健康歴やLDL-コレステロールなどの既知のリスク因子も心臓
病のリスクと相関していましたが、遺伝子リスクスコアが発症率と
最も強くむすびついていることがわかりました。
一方、健康的な生活習慣の各因子が低く生活習慣が良くないと判
定された群では、高血圧、糖尿病などの発症が増加しました。
しかし、良い生活習慣に従えば、遺伝子リスクスコアが最も高い
人でも、冠状動脈症の発症率を50%も低減できることが分かりまし
た。
以上の結果から、生活習慣病の予防には、果物と野菜を中心とし
た食生活など生活因子の改善が大切であると、研究者らは述べてい
ます。
【用語解説】
アテローム性動脈硬化症
アテローム性動脈硬化症とは動脈硬化の一種で、血管内膜でコレ
ステロールがアテローム(粥状の塊)状態となり、脳梗塞、心筋
梗塞などの原因となる疾病です。
【文献】
Khera, A.V. et al.: Genetic Risk, Adherence to a Healthy
Lifestyle, and Coronary Disease. N. Engl. J. Med.,
online Nov. 13. (2016)
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■ 文学の中の果物:若草物語(ルイザ・メイ・オルコット/水谷まさる訳)
「さあ、マーチ家へまたクリスマス・プレゼントがとどきました
よ。」と、いって、すぐに、すがたをけしたことからはじまりまし
た。みんなは、はじかれたように、なにごとかと、ローリイの言葉
にかくされたものを考えていると、首まきをしたせの高い人がもう
一人のせの高い人の腕によりかかりながらあらわれました。あっと、
みんなはさけんでおしよせ、たちまちとりかこみ、すがりつき、よ
ろこびのうずが家のなかにまきかえりました。ああ、その人はおと
うさんでした。そして、つづく笑い声、あんまりうれしいので、み
んながいろんな、らちもないしくじりをしたのが、よけいおかしく
思われました。やっと笑い声がしずまると、ブルック氏はローリイ
をうながして帰り、おとうさんとベス、二人の病人はしずかにソフ
ァにかけました。
おとうさんは、上天気になったので、医者が帰宅を許してくれた
こと、それで、わざとふいうちに帰って来たこと、ブルック氏がよ
く世話をしてつれて来てくれたことなどを話しました。
ところで、その日のごちそうは、マーチ家では、はじめてのすば
らしいクリスマスのごちそうで、七面鳥のむし焼き、ほしぶどうい
りのプディングゼリイなど、ハンナができるかぎり腕をふるいまし
た。そして、お客はローレンス老人、ローリイ、それからブルック
氏で、健康を祝して乾杯し、語りあい、歌を合唱しあって、ごちそ
うを食べ、心ゆくばかりたのしいときをすごしました。
食事をおわってから、家族は炉のまわりに集りました。娘たちは、
今年の思い出話をしましたが、じっと耳をかたむけていたおとうさ
んは、満足そうにいいました。
「小さい巡礼さんたちの旅としては、今年のあと半分はくるしい旅
だったね。だけど、みんな勇ましく歩いて来たし、めいめいの重荷
も、うまいぐあいにころげおちそうだね。」
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■ くだものいちば
今回は、仙台市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのは、ミカン、カキ、リンゴ、バナナなどです。
ウンシュウミカンは愛媛、和歌山、熊本産などです。
グレープフルーツ、レモンはアメリカ産です。
バレンシアオレンジはオーストラリア産です。
リンゴ(ふじ、王林、など)は青森、岩手産などです。
カキ(富有、など)は奈良産です。
メロン(アールス、など)は高知産です。
バナナ、パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツ(ヘイワード)はニュージーランド産などです。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ くだもの豆知識:ライチーと楊貴妃
ライチーは、リュウガン(ロンガン)の近縁種で、原産地は中国
南部です。ライチ、レイシとも呼ばれるライチーは、厚みのある赤
から桃色の果皮の内側に甘くて白い果肉があります。
果皮をむいたライチーの果肉は、大きな白いブドウのようで、甘
いにおいと風味があります。冷凍後に解凍した物と違って新鮮なラ
イチーは、肉厚でジューシーで、甘さと酸味のバランスがよく、肉
質もぷるぷるとしていて比類のない果物です。
ライチーは生食のほかに缶詰などに加工されていますが、乾燥
したライチーは燻製臭がします。ライチナッツやライチズと呼ばれ
ていて、種子ではなく、レーズンのようになった果肉を食べます。
果肉には、ビタミンCがとても多く含まれています。
中国では、2000年以上も前から栽培されていました。ライチーが
アメリカで知られるようになったのは、1775年頃とされています。
現在では、熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されている常緑果樹の一つ
です。
唐(618-907年)の時代は、外国に大きな関心があったので、都
のあった中国北部から遠く離れた南国のライチーやカンキツ類など
の果物が高価で取引されていました。
第9代皇帝の玄宗(685-762年、享年77歳)は、治世の前半は、
善政で唐の絶頂期を迎えましたが、後半は楊貴妃(719-756年、享
年37歳)を寵愛したことで、唐の節度使の安禄山(あんろくざん)
が起こした安史(あんし)の乱の原因を作ったとされています。寵
愛の証拠として、楊貴妃が大好きだったライチーを、嶺南(現在の
広東省一帯)から特使を使って運んだことなどがあげられています。
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■ 編集部より
果物などを中心とした食事への改善が生活習慣病の予防に大切で
す。かつて、成人病と言われた疾病を、遺伝的要因よりも生活習慣
の関与が大きいことなどから病名を生活習慣病と改めました。今号
の文献紹介から、遺伝子レベルの解析でも、予防には生活習慣の改
善が重要なことが分かりました。(tnk)
今年も残すところ2週間あまりとなりました。果物売り場ではクリ
スマスに向けて「いちご」が出回り始め、年末・年始の贈答用の果
物などを含めてこれから一層華やかになり、嬉しくなります。
ただ、本格的な寒波もやって来ますので、皆様、体調管理には是非
気を付けてくださいね。(KM)
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