毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.13 ■□■ 2011年12月23日(金)配信
みなさん、こんにちは! 今号が今年最後の配信です。 少し早いですが、良いお年を! 来年もどうぞよろしくお願いいたします。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp ──────────────────────────────
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本日のメニュ−
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・ 季節の便り ・ くだものレシピ:リンゴ ・ くだもの広場:日本人が一番好きな果物はなんですか? ・ 文献紹介:食育には料理実習が有効 ・ 文献紹介:10代のメタボ対策には食物繊維 ・ 花実好きの家庭果樹だより:ハナユズ ・ 文学の中の果物:三つのなぜ(芥川龍之介) ・ くだものいちば ・ 編集部より
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■ 季節の便り
赤き林檎青き林檎や卓の上 − 正岡子規
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■ くだものレシピ:リンゴ
○ えびとホタテのりんご酢和え
リンゴは、魚介類ともよく合います。わさび酢で大人の風味に仕 上げましょう。
材料(2人分) リンゴ
1個、えび 4尾、ホタテ貝柱 2個、酢、砂糖など
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamono200.or.jp/recipe/fruit/ringo_16.html
○ りんごの入ったロールトンカツ
豚肉のうま味とリンゴの甘みが絶妙!リンゴを使った、食物繊維 豊富なロールトンカツです。
材料(2人分) リンゴ
1個、豚薄切り(ロース) 150g、チーズ 4枚、レモン 汁、小麦粉など。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamono200.or.jp/recipe/fruit/ringo_13.html
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■ くだもの広場:日本人が一番好きな果物はなんですか?
ミカさんが、学校の友人に尋ねられ、博士に教えてもらおうとやって 来ました。
ミカ:こんにちは。友達に聞かれたんだけど、日本人が一番好きな果物 はなんですか。
博士:こんにちは。何だと思うかね。消費者2500人へのアンケート調査(注) があるんだよ。これを見ると、それぞれの品目について、「かなり
好き」「やや好き」「どちらともいえない」「やや嫌い」「かなり
嫌い」の5段階で聞いたもので、「かなり好き」と「やや好き」 の合計割合の高い品目順に、
みかん、なし、ももが8割以上、りんご、ぶどうが7割以上、バナナ、 かきが6割以上、パインアップル、グレープフルーツ、キウイフルーツ も5割以上となっているよ。
ミカ:みかんがトップなんですね。 博士:そうなんだ。各年齢層ともにみかんがトップなんだ。かきは全体 では順位が低いけど、60歳以上ではみかんに次いで2位だったの は興味深いね。 この調査対象は、国勢調査の年齢層割合に合わせているから、日 本人の平均像を示していると言えるね。
ミカ:みんなに教えてあげよーっと。
(注)「くだもの」の消費に関するアンケート調査(平成20年2月:食育 啓発協議会〔財団法人中央果実生産出荷安定基金協会〕
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■ 文献紹介:食育には料理実習が有効
授業に調理実習を組み込むと、栄養教育だけでなく社会性を養う ことができ、実践的で効果的な食育ができると、アメリカ、コロラ ド州立大学の食品科学・人間栄養学科の研究チームが「栄養教育行 動雑誌」に発表しました。
研究では、食育グループによる教育プログラムに参加した人へイ ンタビューしました。授業は小学4年生を対象とし、?調理実習と 味見を含む講義、?味見と講義、?講義のみの3種類が行われまし た。インタビューを受けたのは、授業に参加した178人です。この うち17人は授業を行った食育グループの指導員です。インタビュー 内容には、授業を受けたあとの調理実習への関心度や、家庭での行 動、社会性について把握できる質問を含んでいます。
その結果、調理実習と味見を含む内容の授業を受けた子供たちが 最も調理に対し肯定的な態度を示し、他の2種類の授業を受けた子 供たちよりも、友達への配慮を示す社会性や、授業内容を肯定的に 捉える傾向がみられました。全体として、調理実習を含めると授業 内容の理解度が高まることが分かりました。
アメリカでは、食育を学習科目として授業に組み込むなどして、 早期に望ましい食習慣を身につけさせることが課題となっているの で、今回の結果は参考になると研究者らは述べています。
【文献】 Lukas,
C.V. et al.: Qualitative Investigation of the Cooking with Kids Program:
Focus Group Interviews with Fourth-Grade Students, Teachers, and Food
Educators. J. Nutr. Educat. Behav., 43: 517-524. (2011) [doi:
10.1016/j.jneb.2011.05.009]
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■ 文献紹介:10代のメタボ対策には食物繊維
食物繊維の摂取量とメタボリック症候群のリスクとは逆相関があ るとアメリカ、ミシガン州立大学の研究チームは「アメリカ栄養士 会雑誌」に発表しました。
研究では、12〜19歳の少年少女2,128人を対象に、食事とメタボ リック症候群(高血圧、高血糖、高中性脂肪、低HDL-コレステロー ル、高エストサイズのうち3項目以上該当)の関連を分析したとこ ろ、食物繊維の摂取量が最も少ないグループのメタボリック症候群 のリスクは9.2%で、摂取量が最も多いグループのリスクは3.1%で した。両者を比較すると3倍もの開きがあります。
一方、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量とメタボリック症候 群リスクには統計的に有意な関連は認められませんでした。
アメリカの食物繊維の1日の推奨摂取量は男性で38g、女性で26gで す。しかし、10代の平均摂取量は男女ともに1日あたり13gです。そ のため、果物、野菜、全粒穀物、豆を多く食べて、食物繊維摂取量 を増やすことが重要であると研究者らは提言しています
【文献】 Carlson,
J.J. et al.: Dietary Fiber and Nutrient Density Are Inversely Associated
with the Metabolic Syndrome in US Adolescents. J. Am. Diet. Ass., 111:
1688-1695
(2011)
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■ 花実好きの家庭果樹だより:ハナユズ
ユズみそとサンマの付け汁用に少し収穫し、冬至の柚子湯用に残 しておいたハナユズです。 ハナユズの金色の実の写真は下記のサイトにあります。
http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K013phto1.html
庭の片隅を金色に輝かせているので、柚子湯用も少しにします。 (花実好き)
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■ 文学の中の果物:三つのなぜ(芥川龍之介)
一 なぜファウストは悪魔に出会ったか?
ファウストは神に仕えていた。従って林檎(りんご)はこういう 彼にはいつも「智慧(ちえ)の果」それ自身だった。彼は林檎を見 る度に地上楽園を思い出したり、アダムやイヴを思い出したりして いた。
しかし或雪上りの午後、ファウストは林檎を見ているうちに一枚 の油画を思い出した。それはどこかの大伽藍(だいがらん)にあっ た、色彩の水々しい油画だった。従って林檎はこの時以来、彼には 昔の「智慧の果」の外にも近代の「静物」に変り出した。
ファウストは敬虔(けいけん)の念のためか、一度も林檎を食っ たことはなかった。が或嵐の烈(はげ)しい夜、ふと腹の減ったの を感じ、一つの林檎を焼いて食うことにした。林檎は又この時以来、 彼には食物(くいもの)にも変り出した。従って彼は林檎を見る度 に、モオゼの十戒を思い出したり、油の絵具の調合を考えたり、胃 袋の鳴るのを感じたりしていた。
最後に或薄ら寒い朝、ファウストは林檎を見ているうちに突然林 檎も商人には商品であることを発見した。現に又それは十二売れば、 銀一枚になるのに違いなかった。林檎はもちろんこの時以来、彼に は金銭にも変り出した。
或どんより曇った午後、ファウストはひとり薄暗い書斎に林檎の ことを考えていた。林檎とは一体何であるか?──それは彼には昔 のように手軽には解けない問題だった。彼は机に向ったまま、いつ かこの謎(なぞ)を口にしていた。 「林檎とは一体何であるか?」
すると、か細い黒犬が一匹、どこからか書斎へはいって来た。の みならずその犬は身震いをすると、忽(たちま)ち一人の騎士に変 り、丁寧にファウストにお時宜(じぎ)をした。──
なぜファウストは悪魔に出会ったか?──それは前に書いた通り である。しかし悪魔に出会ったことはファウストの悲劇の五幕目で はない。或寒さの厳しい夕、ファウストは騎士になった悪魔と一し ょに林檎の問題を論じながら、人通りの多い街を歩いて行った。す ると痩(や)せ細った子供が一人、顔中涙に濡(ぬ)らしたまま貧 しい母親の手をひっぱっていた。 「あの林檎を買っておくれよう!」
悪魔はちょっと足を休め、ファウストにこの子供を指し示した。 「あの林檎を御覧なさい。あれは拷問(ごうもん)の道具です よ。」
ファウストの悲劇はこういう言葉にやっと五幕目の幕を挙げはじ めたのである。
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■ くだものいちば
今回は京都市中央卸売市場に入荷している果物について紹介しま す。取扱量の多い果物はミカン、リンゴ、イチゴ、バナナなどです。
ウンシュウミカン(早生温州、普通温州)は和歌山産、ネーブルオ レンジは和歌山、オーストラリア産、レモンはアメリカ、メキシコ 産、グレープフルーツはアメリカ産、キンカンは宮崎産です。
リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。
イチゴ(ほのか、あまおうなど)は熊本、福岡、大分産などです。
ニホンナシ(新雪、新興など)は鳥取、京都産など、セイヨウナシ (シルバーベルなど)は山形産などです。 カキ(富有など)は福岡、京都、奈良産などです。 ブドウは岡山産などです。
メロン(アールスなど)は静岡、熊本、高知産などです。 スイカは高知産です。
バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツ(ヘイワード)は福岡、大分産です。
「今週の果物」は下記の青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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編集部より
果物が注目されています。先日発売された女性自身(12月13日 号)の「りんごと健康」のページが読者アンケートでトップになっ たとのことです。昨年の「みかんと健康」に続いてのうれしいニ ュースです。果物についてもっと知ってもらいたいと思っています。 来年こそは....(tnk)
冬至の日に柚子湯に入るとひびやあかぎれを治し、無病息災に暮 らせるというので、我が家では、毎年、庭のユズを風呂に浮かべて いますが、あかぎれはともかく風邪はほどほどにひいています。(NH)
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