毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■□ くだもの&健康ニュース Vol.112
■□■ 2016年6月24日(金)配信
みなさん、こんにちは!
文献紹介で、女性の関心が高い乳ガンと思春期の食事内容との関係
を紹介しています。その結論から、思春期に、果物を毎日、握りこ
ぶし3個の摂取が大切なことがわかりました。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:サクランボ
・ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その7 最終回)
・ 文献紹介:思春期の果物摂取で乳ガン予防
・ 文学の中の果物:フォスフォレッスセンス(太宰治)
・ くだものいちば
・ くだもの豆知識:アボカド
・ 編集部より
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■ 季節の便り
入梅晴やあかるい雲にこのあつさ
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:サクランボ
○ さくらんぼのスパゲティ
サクランボと山椒の実のマリアージュ
材料(2人分)
サクランボ 20-30粒、ニンニク 少々、オリーブオイル 大さじ1
杯、ホワイトバルサミコ 小さじ1-2杯、アップルビネガー 小さじ1
-2杯、塩 小さじ半分位、実山椒 6〜10粒、ブラックペッパー 少々
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3925284
○ さくらんぼの冷製スープ
蒸し暑い季節にぴったりのさわやかなピンクのスープです。
材料(3人分)
サクランボ 30〜40粒、白ワイン 50cc、水 200cc、カルダモン 1
個、コリアンダーシード粉末 少々、牛乳 50-100cc、ヨーグルト
少々、ハチミツ 少々、
レモン 1個弱
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
http://cookpad.com/recipe/3925253
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■ くだもの広場:働き盛り世代の果物消費(その7 最終回)
果物の消費量が少ない働き盛り世代(20〜40歳台)を対象にした
アンケート調査を中央果実協会が実施しました。調査結果の紹介は
今回が最終回だよ。
おじさん:今回は、「果物好きの人」に対するイメージについて調
査した結果を紹介するね。
ミカ、リン:食品としての「果物」そのもののイメージじゃなくて、
その食品を「好きだ」という人に対するイメージってことね。
おじさん:今回調査では、「果物好きの人」だけじゃなくて、「野
菜好きの人」、「肉好きの人」、「魚好きの人」、「お菓子好
きの人」、「お酒好きの人」に対するイメージも調査したんだ。
それぞれのイメージの違いを比較してみるのも興味深いよね。
ミカ:じゃあ、「果物好きの人」のイメージはどうなの?
おじさん:「果物好き」は、「美肌」、「健康的」、「爽やか」、
「若々しい」、「可愛い」といったイメージが多いね。逆に、
「熱血」、「エネルギッシュ」、「大人っぽい」といったイメ
ージは少なかったね。
リン:「野菜好きの人」ってどう?
おじさん:「野菜好き」は、「健康的」、「美肌」、「爽やか」が
多い点で果物好きと似ているね。また、「真面目」、「落着
きがある」も比較的多かったけど、この点では果物好きは少な
かったね。
ミカ:「肉好きの人」は、「熱血」や「元気」でしょう。
おじさん:「肉好き」はそうだね。「エネルギッシュ」が一番だね。
「リッチ」、「若々しい」も多いね。反面、「可愛い」、「美
肌」、「爽やか」は少なかったね。
「魚好きの人」は、「健康的」、「頭が良い」、「落着きが
ある」、「大人っぽい」、「真面目」が多く、反面、「可愛
い」、「爽やか」、「エネルギッシュ」は少なかったね。
ミカ:嗜好品の「お菓子好き」や「お酒好き」はどうなの?
おじさん:「お菓子好き」は、第1位が「子供っぽい」で、「可愛
い」、「遊び心がある」、「寂しがり屋」、「にぎやか」が多
いね。「お酒好き」は、第1位が「大人っぽい」で、「にぎやか」
「遊び心がある」、「寂しがり屋」が多いのは、お菓子好きと
似ているね。反面、「健康的」、「爽やか」などが少ない点も
共通しているね。
ミカ:じゃあ、「果物好き」って健康的で可愛いってことね。私に
ぴったり!!
リン:僕は、果物や野菜、肉、魚、お菓子も好き!お酒は大人にな
ってからだけどね。
おじさん:今回の「〇〇が好きな人」のイメージは、男性、女性や
職業別に大きな差が無く、皆が比較的同じイメージを持ってい
るね。
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■ 文献紹介:思春期の果物摂取で乳ガン予防
アメリカ、ハーバード大学の研究チームは、思春期に果物を多く
摂取していた女性は、中年期において乳ガンの発症リスクが低いと、
「イギリス医学雑誌(BMJ)」に発表しました。
果物や野菜の摂取が、乳ガン発症のリスクと関連するかについて
のこれまでの研究では、中年期以降の食生活を対象としてきました。
今回は、若いころの果物と野菜の摂取がその後の乳ガン発症に及ぼ
す影響を検討しました。
研究では、20歳以上の看護師90,000人を対象に追跡調査を行いま
した。思春期の食事調査は思い出し法で行いました。
その結果、思春期に果物を多く食べていた人(平均2.9サービン
グ:握りこぶし約3個分)は、少ない人(平均0.5サービング:握りこ
ぶし0.5個分)に比べ、中年期の乳ガンのリスクが25%も低いことが
わかりました。また、思春期の果物摂取量と乳ガン予防効果のある
女性ホルモン「プロゲステロン」などとも相関があることがわかり
ました。
さらに、思春期のリンゴ、バナナ、ブドウの摂取量が多い人は、
特に乳ガンの発症リスクが低いことがわかりました。また、成人早
期では、オレンジと野菜のケールを多く摂取していた人も乳ガン発
症リスクが低下していました。しかし、果物と野菜の総摂取量やフ
ルーツジュースの摂取量は乳ガンの予防とは関連は認められません
でした。
今回の結果は、乳ガン予防には、果物や野菜の摂取が必要である
との従来からの食事指針を裏付けるもので、特に、思春期の食事内
容が重要であるとしています。
イギリス医学雑誌(BMJ)の編集責任者は、さらなるエビデンス
が必要であるとしつつも、果物と野菜は健康に良い影響を与えるこ
とが知られているため、摂取量を増やすことは重要と、まとめてい
ます。
【文献】
Farvid, M.S. et al.: Fruit and vegetable consumption in
adolescence and early adulthood and risk of breast cancer:
population based cohort study. BMJ, 353:i2343. (2016)
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■ 文学の中の果物:フォスフォレッスセンス(太宰治)
夢想家。
そのような、私のような人間は、夢想家と呼ばれ、あまいだらし
ない種族のものとして多くの人の嘲笑(ちょうしょう)と軽蔑の的
にされるようであるが、その笑っているひとに、しかし、笑ってい
るそのお前も、私にとっては夢と同じさ、と言ったら、そのひとは、
どんな顔をするであろうか。
私は、一日八時間ずつ眠って夢の中で成長し、老いて来たのだ。
つまり私は、所謂(いわゆる)この世の現実で無い、別の世界の現
実の中でも育って来た男なのである。
私にはこの世の中の、どこにもいない親友がいる。しかもその親
友は生きている。また私には、この世のどこにもいない妻がいる。
しかもその妻は、言葉も肉体も持って、生きている。
私は眼が覚めて、顔を洗いながら、その妻の匂いを身近に感ずる
事が出来る。そうして、夜寝る時には、またその妻に逢える楽し
い期待を持っているのである。
「しばらく逢わなかったけど、どうしたの?」
「桜桃(おうとう)を取りに行っていたの。」
「冬でも桜桃があるの?」
「スウィス。」
「そう。」
食慾も、またあの性慾とやらも、何も無い涼しい恋の会話が続い
て、夢で、以前に何度も見た事のある、しかし、地球の上には絶対
に無い湖のほとりの青草原に私たち夫婦は寝ころぶ。
「くやしいでしょうね。」
「馬鹿だ。みな馬鹿ばかりだ。」
私は涙を流す。
そのとき、眼が覚める。私は涙を流している。眠りの中の夢と、
現実がつながっている。気持がそのまま、つながっている。だから、
私にとってこの世の中の現実は、眠りの中の夢の連続でもあり、ま
た、眠りの中の夢は、そのまま私の現実でもあると考えている。
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■ くだものいちば
今回は、新潟市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し
ます。入荷量が多いのは、ウメ、スイカ、メロン、バナナ、バレン
シアオレンジなどです。サクランボ、スモモ、ビワも入荷中です。
ウンシュウミカンは長崎産などです。
バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、レモンはアメリカ産です。
グレープフルーツは南アフリカ産です。
リンゴ(ふじ)は青森産です。
ビワ(茂木)は和歌山産です。
スモモ(大石早生)は山梨産です。
サクランボ(佐藤錦)は山形産です。
ウメ(南高)は和歌山、福井産です。
ブドウ(デラウェア)は山梨産です。
イチゴ(越後姫)は新潟産です。
メロン(アールス、アンデス、レノン)は静岡、茨城産です。
スイカ(祭ばやし、姫甘泉)は新潟産です。
バナナはフィリピン産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ くだもの豆知識:アボカド
中央アメリカが原生地のアボカドは、アリゲータペアーとかバ
ターペアーともよばれます。これは果皮がワニ皮状で、果肉がまっ
たりとしたバターのような食感のためです。アボカドは、約7000年
前から栽培されており、グアテマラ系、メキシコ系、西インド諸島
系の三つの系統に分けられます。アボカドには、脂質が多く含まれ
ており、脂肪酸組成がオリーブオイルに似ています。
アメリカ大陸の先住民たちにとってアボカドは、重要な脂質の供
給源でした。また、粉砕したアボカドの果肉にスパイスを混ぜてつ
くるグアカモーレという料理のレシピは、アステカ人が考案したも
ので、現在も継承されています。
コロンブスが新大陸に到達した(1492年)頃には、アボカドの栽
培は、南アメリカのペルーにまで拡大していました。ヨーロッパか
らやってきた征服者たちは、アボカドに塩か砂糖、あるいは両方を
かけて食べ、彼らによってアボカド栽培が南アメリカや世界各地の
熱帯地域に伝播していきました。
カリフォルニアとフロリダでは19世紀中頃から栽培が始まりまし
た。フロリダ産はカリフォルニア産に比べて脂質含量やカロリーが
少なく、味が淡白です。
ヨーロッパでは、第二次世界大戦頃までアボカドを知る人はほと
んどいませんでしたが、現在では、ヨーロッパ市場でもみられるよ
うになりました。
アボカドは、サラダに利用されるだけでなく、鶏肉やパスタとも
相性がよく、サンドイッチの材料としても最適です。
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■ 編集部より
先日、千葉県立保健医療大学で思春期の皆さんに食育に関係した
講義をしてきました。果物と健康に関する新常識に興味津々でした。
これからも思春期の好奇心に応える情報発信に努めたいと思います。
(tnk)
梅雨空が続き、合間の晴れの日には猛暑。水分補給や体調管理に
季節の果物を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。今が旬の
「さくらんぼ」や「すいか」が美味しくて良いですよね。(KM)